「玄関は家の顔」と言われているように、家族が使うだけではなく、来客を歓迎するための空間でもあります。
土間の色や素材で玄関の雰囲気も変わってくるため、新築やリフォームの際には、インテリア性の優れた「モルタル」が注目されています。
しかし、このモルタルにはデメリットもあるために、後悔しないようによく知っておく必要があります。
そこで、この記事では、そのモルタルの特徴やデメリットについてご説明していきます。
玄関をモルタルに!後悔しないためにモルタルについて知ろう
玄関の土間は、暮らしている家族が毎日使う空間で、外と家を繋ぐ重要な場所です。
そのため、土間の素材選びには、玄関の雰囲気を決めるデザイン性は勿論、土足で日々使用していく上での耐久性や機能性も重視する必要があります。
例えば、土埃や雨によって汚れることもあるため、掃除のしやすい素材を選ぶことも大切です。
一般的な土間には、石・タイル・コンクリートなどが多く使用されていますが、優れたデザイン性から、「モルタル」で仕上げる人が多くなっています。
では、「モルタル」とはどのような素材なのでしょうか?
「モルタル」とは、セメントと砂を水で練り込んだもので、主に洗い出しなどに用います。
洗い出しとは、骨材を露出させて仕上げをするために、表面を洗い出す方法です。
また、金コテで仕上げるコンクリート金コテ仕上げや、石やビー玉などを埋め込んだりなど、デザイン性の高い土間に仕上げることが可能です。
しかしながら、仕上げてから後悔することのないように、メリットは勿論、デメリットについても十分に把握しておく必要があります。
玄関をモルタルにするメリットとは?
では、玄関土間をモルタルにする上で、まずはそのメリットについてご説明していきましょう。
・デザイン性に優れている
先に述べましたが、やはり一番のメリットはデザイン性が高いという点です。
玄関土間は生活感が出てしまう場所ですが、モルタルで仕上げることでおしゃれな空間に変わります。
また、和・洋のどちらのインテリアにも合わせることができるので、玄関のテイストも自由に楽しむことができます。
・ひび割れや傷に味を感じられる
次項で詳しく述べますが、モルタルはひび割れが起きやすい素材です。
デメリットとして捉えるのが普通ですが、そのひび割れの味を楽しめることができれば、モルタルで仕上げた玄関でも後悔することはないと言えます。
以上が、玄関土間をモルタルにするメリットです。
では、続いてデメリットについて見ていきましょう。
後悔しないために!モルタルのデメリットを知っておこう
デザイン性に優れたメリットに対して、モルタルにはいくつかのデメリットがあります。
これは性質上避けることができず、仕上げた後に後悔するのでは遅いので、必ず理解しておくことが必要です。
では、モルタルのデメリットについてご説明していきましょう。
・ひび割れが起こりやすい
モルタルには、下地が乾燥すると収縮する性質があるので、ひび割れが生じやすくなります。
ただ、強度のあるモルタルであれば、ひび割れや傷を軽減することができます。
・木造住宅には不向き
木造住宅には、湿気や乾燥によってかなり収縮する特徴があります。
そのため、玄関土間であってもひび割れが生じるケースが見られます。
・色ムラが出やすい
モルタルは色を付けることも可能です。
しかし、色ムラが出やすいので、玄関土間を均一に仕上げたい場合には不向きです。
以上が、モルタルを玄関に使用する上でのデメリットです。
デザイン性が高くても、耐久性や機能性に欠ける点が悩ましいところでもあります。
玄関土間に用いるモルタル以外の素材は?
モルタルにした玄関に後悔しないためには、ひび割れをしやすいデメリットについて、よく理解しておく必要があることが分かりました。
では、玄関土間に使う素材には、モルタル以外にどのようなものがあるのでしょうか?
それぞれご紹介していきましょう。
・タイル
大きさや形、色、柄のバリエーションが豊富に揃っており、価格も安価なものから高価なものまであります。
そのため、住宅のデザインに囚われる必要もなく、どんなテイストでも合わせることができます。
また、モルタルのように、乾燥や湿気によってひび割れる心配もないので、玄関土間の素材としてよく使われています。
ただし、タイルは衝撃に弱く割れやすい欠点があるので、他の素材よりも定期的なメンテナンスが必要です。
それに加え、素焼きのテラコッタタイルは吸水性に優れている分、シミになりやすいので注意しましょう。
・天然石
玄関土間に使われる石材は、主に御影石や大理石が多いです。
高級感溢れる印象があり、耐久力もあるので、割れる心配はありません。
ただし、吸水性のある石を使う場合、雨水や泥水によってシミができることがあります。
上記の2つについては、モルタルも同様ですが、仕上がりは住宅会社のセンスによって決まります。
では次に、タイルと同様に、一般的に多く使われているコンクリートについて見ていきましょう。
モルタルとコンクリートの違いとは?
一般的な玄関土間には、タイルを始めコンクリートも用いられることが多いです。
コンクリートとは、セメント、砂、砕石・砂利を水と練り合わせて作る素材です。
砂や砕石・砂利は、構造を維持する「骨」の役割があるため、「骨材」と呼ばれています。
コンクリートの特徴としては、柔軟な圧縮力に成形もやりやすく、同時に耐久性も優れているため、住宅用建材としてのシェアもあります。
では、モルタルとの素材としての違いは何でしょうか?
それは、骨材があるか否かです。
コンクリートには、砂や砕石・砂利が骨材として用いられる一方で、モルタルの骨材には砂しかありません。
そのため、骨材が小さいモルタルは、コンクリートよりも耐久力には劣ってしまい、割れやすい傾向にあります。
玄関土間の素材選びをする上では、この違いについても後悔することのないように覚えておきましょう。
モルタル仕上げのコストは?後悔のない玄関に
これまでに、玄関土間のモルタルに関して、そのメリットやデメリット、そしてその他の素材についてもご説明してきました。
モルタルは、耐久性や機能性には劣りますが、それらのデメリットを考慮した上でも、そのデザイン性を玄関に取り入れる方も少なくありません。
玄関をモルタルにする場合は、「ひび割れも味のうち」という感性を持って使用するのがベターですね。
また、実際に玄関土間にモルタルを取り入れる場合、気になるのがモルタル施工の費用です。
モルタル仕上げのコストは、下地や塗料によっても上下しますが、基本的には1㎡あたり約1,500~4,000円を目安にしておくと良いでしょう。
安価と知られるコンクリートと比べると、実はモルタルの方が安く済む傾向にあります。
ただし、施工する業者によっても変わってくるので、必ず見積もりは確認するようにしてください。
後で後悔することのないように、納得のいく玄関を作っていきましょう。
後の祭りにならないように
モルタルには、骨材の細かさやその性質によって、乾燥や湿気でひび割れてしまう大きなデメリットを持っています。
そのため、モルタルのデメリットを理解せずに、デザイン性だけで玄関土間を決めてしまうことは、後で必ず後悔してしまいます。
玄関は日々家族が使う空間でもあり、来客を歓迎をする場所でもあります。
しっかり検討して、より良い玄関にしていきましょう。