家を新築する際は、理想や希望に満ち溢れ、これからの楽しい生活を思い描いていることでしょう。
しかし、理想ばかり追い求めるのではなく、現実的な使い勝手も考えていかないと、家が完成してから後悔することになるでしょう。
そうならないためにも、家を建てた人たちはどんな点を失敗と感じているのかご紹介していきます。
先人たちの失敗を参考にして、後悔のない家を建てましょう!
新築の計画に入る前から失敗が始まっていることも
新築に関する失敗や後悔のエピソードというと、間取りや導線など「家が建ってから気づくこと」ばかりだというイメージを持っていませんか?
実は、家を建てると決めた直後の「ある行動」そのものが後悔の原因になることもあるようです。
その行動とは、モデルルームやモデルハウスの見学を一番最初にしてしまうことです。
モデルハウスは、人々の理想を詰め込んだような豪華な家が立ち並んでいます。
最初にハイグレードな家を見てしまうと、実際に自分の家の設計をする段階で理想を下げられなくなってしまったり、ローコストという家には魅力を感じなくなってしまいます。
また、モデルハウスの展示場はレジャー施設でも、慈善事業の場でもありません。
住宅メーカーの営業の場ですから、アンケートに答えたり、営業マンと話をすることもあるでしょう。
住宅展示場の営業マンから話を聞いたら、自分の予算とかけ離れていたとしても、モデルハウスと同じような家がどうしても欲しくなってしまう可能性もありますね。
多くの方にとって、家を新築するのは人生に1回か2回程度しかないことだと思います。
せっかくだからと、理想を叶えた家を建てたいという気持ちになると思いますが、住宅ローンを組めば長年返済しなければいけません。
一時の感情で決めずに、冷静に現実的な予算の家を建てることが大切です。
モデルハウスの見学より先にするべきこととしては、
・予算を決める
・ローンの割合を決める
・住宅の適正価格を調べる
・住宅資料を請求する
・何社かを比較する
ということが挙げられます。
以上のような情報収集をしてから、モデルハウスに行くことをおすすめします。
新築の「収納」は後悔が多い
では、ここからは、実際に新築が完成してから失敗だと気付いたり後悔したりするポイントを見ていきましょう。
まずは、収納に関する失敗です。
◯家族構成が変化して収納が足りなくなった
まだ子どもがいない夫婦にありがちな失敗です。
夫婦二人分の荷物であれば余裕でしまえる容量の収納を作っても、子どもが生まれたことで荷物が収まらなくなってしまうことがあります。
また、生まれたばかりの頃は問題なかったとしても、成長するにつれてどんどん荷物は増えていきますね。
子どもが増えることも想定した容量の収納を作っておくと良いでしょう。
◯備え付けの収納棚が合わない
収納棚を備え付けで作ってしまうと、実際に収納する物とのサイズが合わずに後悔することがあるようです。
高さを変えられる仕様の棚にすれば、しまう物を変えられますのでおすすめです。
◯収納が暗い
特にウォークインクローゼットなどの大きな収納などでは、照明を付けないと暗く、使い勝手が悪くなってしまいます。
照明を付けるか、コンセントを設置しておくと便利でしょう。
「水回り」も失敗しがちな部分
続いて、新築で失敗が多い場所としてご紹介するのは水回りです。
◯2階にトイレを設置しなかった
マンションに住んでいた方が、一戸建を購入したときに起こりやすい失敗です。
マンションの場合、トイレは一つしかなくても問題ないかもしれませんが、戸建ての場合2階部分にトイレがないのはかなり不便かもしれません。
コストパフォーマンスを優先させ、トイレを一つしか作らないと後悔してしまうようです。
◯浴室の選び方で失敗
浴室に関するこだわりがある方も多いのではないでしょうか?
しかし、こだわりがあるがゆえに後悔することもあります。
まず、濃い色の浴槽を選んでしまい、カルキ汚れが目立つことが挙げられます。
浴槽の色はオーソドックな白や、薄いブルーなどが無難です。
また、浴槽の材質にこだわり、人工大理石やヒノキのタイプにするとお手入れが大変です。
浴室はほぼ毎日掃除する場所ですから、こだわりを実現させるだけでなく、お手入れのことまで考えるのが良いでしょう。
毎日使う「キッチン」は失敗が気になりやすい
続いては、キッチン周りに関する失敗です。
キッチンは長時間作業する場所ですから、ちょっとした使い勝手の悪さがあると、日々のストレスにつながってしまいますね。
キッチンで後悔しやすいポイントはどんなところでしょうか。
◯収納が使いにくい・足りない
「収納の奥行を深くもたせすぎてしまった」「吊戸棚を低くしたことでその下にデッドスペースができてしまった」「ごみ箱を置くスペースを考えていなかった」などということが具体的な事例として挙げられます。
特に重要なのはごみ箱を置くスペースです。
どんなにおしゃれなキッチンにしても、ごみ箱が丸出しだと、その空間が台無しになってしまいます。
ごみの分別をするためにも、いくつかのごみ箱が収まるスペースを作っておくのがおすすめです。
◯掃除が大変
掃除や手入れが大変なキッチンは後悔の原因になります。
例えば、IHヒーターはフラットで掃除しやすそうですが、わずかに調理台との間に段差ができてしまいます。
この段差に汚れが溜まってしまうと、掃除がしにくいです。
費用がかかってしまいますが、IHヒーターのグレードを上げるとこの段差が小さくなる場合もあります。
また、キッチンの材質も注意して選ばなければなりません。
鏡面ステンレスや白タイルなど、おしゃれなキッチンを演出する素材は汚れが目立ちやすいというデメリットもあります。
キッチンは汚れやすい場所ですし、特に新築の新しいキッチンだとそれが目立ちます。
お手入れのしやすさを考慮することも大切でしょう。
後回しにされがちなエクステリアは意外と後悔が大きい
最後に、後悔しやすいポイントとして挙げるのはエクステリアです。
庭や駐車スペースは、その家の顔となる部分ですからできるだけ失敗は避けたいものですね。
◯駐車スペースが狭かった
新築のエクステリアで失敗しがちなのは、駐車スペースの広さです。
子どもが増えて大きな車に乗り換えたときに、家の駐車スペースが狭く、乗り降りに毎回苦労するということがあるようです。
また、あとからカーポートを設置しようとしている場合は、設置した後も多少の余裕が残る広さを確保しておかなければなりません。
◯ガーデニングを続けられなくなった
家を新築すると同時に、ガーデニングを始めてみようかと考えている方もいるのではないでしょうか?
緑の多い庭は素敵ですが、ガーデニングにはかなりの手間と時間がかかることを忘れてはいけません。
また、庭を芝生にしようと考えている方も、芝生は育てるのが難しいので注意が必要です。
ガーデニングや芝生は、途中で放置してしまうと庭が荒れてしまう可能性もありますので、よく考えて庭の設計をしましょう。
成功例を知って「後悔しない」から「大満足」な新築へ
ここまで、新築の失敗例から、家を建てた人はどんな点に後悔しているのか見てきました。
では反対に、新築の成功例はどんなところがあるのでしょうか。
・収納の面積の割合を多くした
・水回りが近くしたことで家事の導線がスムーズ
・壁面収納を設置したことで新たに家具を買わなくて済んだ
・コンセントを多く設置した
・軒先を長くして雨でも窓を開けられるようにした
・物干しスペースを確保した
・小さいパントリーを作ったことでキッチンに余裕ができた
以上のようなことが、新築での成功ポイントとして挙げられます。
成功例を参考にして、単に後悔をしない家という以上に、とても満足できたという家を目指していきましょう。
ただし、それぞれのご家庭によって必要な家の機能は変わってきます。
取捨選択をして、自分たちに合った機能をプラスしていってくださいね。
現実的な使い勝手を考えて住みやすい家に!
新築する際に参考になる、家の失敗しやすいポイントをご紹介してきました。
理想を追い求めた家を建てることも良いですが、家は日々生活をしていく場所であるということを忘れてはいけません。
使い勝手や手入れのしやすさ、将来の変化を考えた設計にすると失敗が少なくて済むようです。
後悔のない家のために、ぜひ参考にしてみてください。