分譲マンションにお住まいの方で、もともとある和室をなくしてリビングと一体化させたい、もしくは、リビングの一部を和室にリフォームしてしまいたいというご希望がある方がいらっしゃいます。
ここでは、その具体的な方法やメリット・デメリットなどを踏まえつつ、マンションの和室リフォームについてお話ししていきます。
和室リフォームをお考えの方は参考にしてみてください。
マンションのリフォームは自由にできない!
分譲マンションであると、一戸を借りているのではなく買い上げているということですから、自由にリフォームできると思うかもしれません。
しかし、マンションでリフォームが可能なのは「専有部分」に限られています。
マンションの専有部分とは、主に「居住空間」を指します。
つまり、床や天井、壁などのことです。
ただし、マンション構造部分のコンクリートの表面から居室内側の空間のみが専有部分となります。
ちなみに、ベランダやバルコニーは「共有部分」とみなされるので、勝手なリフォームは不可です。
ベランダやバルコニーは、自分たちの部屋に属しているものだから専有部分ではないかと思いがちですが、あくまでも共有部分ですから勘違いしないようにしましょう。
また、マンションの隣り合う2戸を購入しているとしても、2戸の間にあるコンクリートは共有部分になりますので、壁を取り払ってつなげてしまうという行為も認められていません。
さらに、マンションには「管理規約」があります。
場合によっては、リフォーム工事が規約で制限されていることもありますので、事前にマンションの管理規約をしっかりと確認しておくようにしましょう。
それでは、次の項からは「和室リフォーム」についてお話をしていきます。
マンションの和室を洋室へリフォーム
近年では、「和室は不要」と和室を洋室へリフォームする事例が多くなっています。
その中でも、和室をなくして、リビングとつなげて広くするというリフォームが人気です。
具体的には、
・和室の壁をリビングと同じクロスにする
・襖や障子をなくす
・畳をなくしてフローリングにし、リビングと一体化させる
というリフォームになります。
ただし、和室とリビングの間の壁を取り払うというリフォームができない場合もあります。
マンションの構造が梁と柱で支えている構造(ラーメン構造)であれば、和室とリビングの間の壁をなくすことは可能です。
しかし、壁で支えている構造(壁式構造)で、和室とリビングの間の壁が構造壁である場合は取り払うことができません。
中高層や超高層マンションであればラーメン構造であることが多いようですが、マンションの構造がどうなっているかでリフォームが可能か変わってきますのでよく確認しておくようにしましょう。
和室の畳をフローリングに変える際の注意点
マンションの和室を洋室へリフォームする際、畳をフローリングにする方が多いと思います。
この場合、注意していただきたい点があります。
それは、「音」と「遮熱性」に関することです。
畳は吸音性があるため、足音が響きにくいという性質があります。
また、畳の繊維の中には空気が多く含まれているので、外気にあまり左右されず遮熱性が高いのです。
例えば、もともと畳だった床であれば下の階に足音があまり響かなかったのに、フローリングにしたことで響くようになってしまったということがあります。
さらに、畳からフローリングにしたことで、寒い季節には足が冷たくなってしまうということも考えられます。
ですから、畳からフローリングにリフォームする際は、防音タイプのフローリングにするなどの工夫をすることをおすすめします。
マンションの和室を洋室へリフォームする際のメリット・デメリット
ここでは、マンションの和室を洋室へリフォームする際のメリットとデメリットをお話ししていきましょう。
まず、メリットとしては、和室にある襖や畳、障子のお手入れがなくなるということです。
和室にあるそれらのものは繊細で傷みやすく、汚れもつきやすいうという一面があります。
そのため、常に綺麗に保つには日頃からのお手入れが必要になるのです。
襖や畳、障子のお手入れがなくなるのは、和室から洋室へリフォームする大きなメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、客間になったり寝室にできたりと和室は汎用性が高く、その1室がなくなってしまうことで不便な思いをすることがあるかもしれないということです。
もしも、襖や畳、障子のお手入れが面倒で、和室を客間や寝室にする機会がないということであれば、和室を洋室へリフォームする意義があると言えるでしょう。
ただし、少しでも「不便な思いをするかもしれない」と思うのであれば、リフォームが必要なのか今一度考え直した方がいいかもしれません。
マンションの洋室を和室へリフォーム
マンションに洋室しかなく、和室をつくりたいというケースもあります。
その場合、リビングの一角に和室、もしくは、もともとある洋室1室を和室にリフォームするというパターンが多いようです。
その中でも、リビングの一角に小上がりになっている和室をつくるのが最近のトレンドのようです。
具体的には、
・和室のテイストを、リビングのインテリアのテイストに合わせる
・小上がりの段差部分に収納をつくる
というリフォーム工事が人気です。
和室のテイストを、リビングのインテリアのテイストに合わせることで一体感が生まれます。
さらに、畳を従来のグリーンではなくダークな色合いのものにすると、おしゃれな空間になります。
また、小上がりをつくることで部屋に立体感が出ます。
これまで何の変哲もないのっぺりとした印象のリビングだったのであれば、小上がりの和室があると一気に雰囲気が変わりますよ。
マンションの洋室を和室へリフォームする際のメリットとデメリット
それでは、マンションの洋室を和室へリフォームする際のメリットとデメリットをお話ししていきましょう。
メリットとしては、先ほども少し触れましたように、和室を小上がりにすると段差部分に収納ができることです。
マンションの収納は限られていますから、小上がりの段差部分に収納ができることで想像以上に便利になります。
また、リビングの一角の収納ですから、雑多なものを収納することでリビングをすっきりさせることもできるでしょう。
多くの時間を過ごすリビングに収納があると、出し入れもしやすくとても便利です。
しかし、デメリットもあります。
それは、リビングの一角に和室をつくることで圧迫感が出てしまうことです。
もともと広く使っていたリビングの一部分が和室となることで、どうしても狭さを感じてしまうのです。
マンションの洋室を和室へリフォームするにも、メリットだけではなくデメリットもありますので、自分たち家族がどのように過ごしたいか、また、どのように使いたいかをよく考えて、リフォームに踏み切ることをおすすめします。
最終的に納得のいくリフォーム工事を!
マンションの和室を洋室へ、洋室を和室へリフォームするには、それぞれメリットとデメリットがあります。
また、マンションの構造によっては間取り変更などの大規模なリフォームが不可能な場合もあります。
さらに、管理規約によっては、リフォーム工事に制限があるケースもあります。
マンションのリフォームをお考えの際、まずは物理的に工事自体が可能かどうかを確認するようにしましょう。
そして、家族みんなで本当にリフォーム工事が必要なのかよく話し合ってから結論を出しましょう。