アパートなどではペットの制限があるところが多いので、おうちができた段階で猫を迎え入れたいと思っていても、「新築なのに、壁や柱が傷だらけになってしまったら…」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
せっかくペットが飼えるようになったのだからといって、何の準備もせずに迎え入れるのは、猫も飼い主もお互いに大変な思いをしてしまいます。
そこで、猫との生活をスタートする前に確認しておきたいポイントや対策をご紹介するので、参考にしてくださいね。
傷の原因「猫の爪とぎ」って何?
新築だと、きれいな柱や壁にガリガリと爪とぎをされて傷つけられるのではないか…、と猫を飼うのを躊躇してしまう部分もあるのではないでしょうか。
新築で猫を飼う上で、一番気になるのが爪とぎでできてしまう「傷」ではないでしょうか。
しかし、爪とぎは猫の本能的な行為なので、強制して止めることはできません。
猫にとって爪は、狩りにも使用するとても大事な部分でもあるため、こまめなお手入れが必要なのです。
下から生えてくる新しい爪にするために、爪をといで古い爪を剥がしていきます。
また、爪とぎにはマーキングの意味合いもあるといいます。
猫の肉球にある臭腺から特有のにおいを出して、爪をとぎながらお気に入りの場所にニオイをつけて回るのです。
また、ストレスを発散するために爪とぎをするようです。
新築ということは、人間はもちろん、猫も環境が変わってしまうということですよね。
環境の変化によって、爪とぎという行為が起こりやすくなるかもしれないので、しっかりと対策をしておくことが重要です。
新築の家を傷だらけにしないために!猫が爪とぎしてもいい場所!
猫と一緒に生活できるのは嬉しいけれど、せっかくの新築の柱や壁などに傷つけてしまうのは避けたいですよね。
新築の家で猫を飼うときに一番気になる爪とぎへの対策を4つご紹介します。
①爪とぎをしてもいい場所を整えて、しつける
まずは、「家の中でここでは思いっきり爪とぎをして大丈夫!」という場所を確保してあげましょう。
爪とぎをする素材としては、段ボールやカーペット、畳、麻などが挙げられます。
また、地面でとぐものや立ってとぐもののように、とぐタイプによっても設置の仕方は異なります。
それぞれの家・猫によって最適な爪とぎの素材や場所は異なってくるので、自宅で飼っている猫の好みを把握して、爪とぎをしても大丈夫な場所を整えてあげましょう。
猫が小さいうちなら、初めに爪とぎの場所に導いてあげるとよいでしょう。
他の場所でとぎそうになってしまったら、大声で叱ったりせずに、そっと抱いて爪とぎの位置に連れていきましょう。
いくつか場所を用意してあげると、猫も飼い主も余裕をもって生活することができるのでおすすめです。
上手に爪とぎができるようになったら、たくさん褒めてあげてくださいね。
猫の爪とぎ対策アイテムを使って快適な住環境を整えよう!
②爪とぎ対策アイテムを使う
前項にも関係してきますが、できる対策を事前に整えてあげると、猫も飼い主もストレスをなるべく溜めずに生活できますね。
爪とぎ対策アイテムにはいくつか種類がありますが、大きく分けて2つあります。
それは、「爪とぎをさせてあげるもの」と「爪とぎをさせないようにするもの」です。
傷をつけたくないけれども猫が爪とぎをしやすい柱やコーナーには、「爪とぎをさせてあげるもの」を設置してあげましょう。
柱やコーナーに画鋲やネジで取り付けるタイプのものや、置き型タイプのものがあります。
商品によっては、爪とぎ部分の素材を段ボールや麻などから選べるものもあるので、猫の好みに合わせられるのもうれしいですよね。
また、壁やふすまなど広範囲を守るには、「爪とぎをさせないようにするもの」でカバーしておきましょう。
爪とぎ保護シートを貼ると壁の凸凹がなくなってツルツルとした質感となり、猫の爪も引っかからなくなるので、壁紙で爪とぎはしなくなるようです。
白地の他、柄物や透明のものなどいくつか種類があるので、ご自宅の雰囲気によって最適なものを選びましょう。
また、汚れや傷に強く耐久性に優れたペット用の壁紙などもあるので、初めから新築の家で猫を飼うことが決まっている場合には施工の時点でそれを選択するのもおすすめです。
しっかり爪切りをして猫の健康と新築の家を守ろう!
③猫の爪切りをする
猫の爪が鋭いと、それだけ壁や家具につく傷は深くなります。
また、爪が伸びているとカーテンやカーペットなどに爪が引っかかって、爪を折ってしまう可能性もあるといいます。
体を掻く際にも、爪が伸びていることで皮膚を傷つけ、そこから細菌感染してしまうこともあるようです。
新築の家を傷つけないためにもですが、猫の健康のためにも、猫の爪の対策が必要です。
こまめに猫の爪をチェックして、伸びてきた場合には切ってあげましょう。
爪切りには、「ギロチンタイプ」と「はさみタイプ」の2種類があります。
あまり時間をかけすぎずに、爪の先端をスパッと一回でカットしてあげます。
嫌がる場合には一度にすべての爪を切ろうとしなくても大丈夫です。
何日かをかけて、少しずつ切っていきましょう。
また、猫が爪切りをあまりにも嫌がりすぎる場合には無理をせずに、動物病院などで切ってもらうようにしましょう。
子猫の場合には、大人になってから嫌がらないよう、小さい時から定期的に爪切りをすることを習慣づけてあげるのもおすすめです。
新築の部屋で快適に過ごすために!ニオイ対策も忘れずに!
④爪とぎ防止スプレーを使う
猫は柑橘類やお酢、ミント、こしょう、ココナッツなどの香りが苦手だといわれています。
いたずらしてほしくない・傷つけてほしくない場所に、猫の嫌がるニオイをスプレーしておくことで、猫をその場所に近づけさせないようにします。
スプレーの他にもジェルタイプのものがあるので、家を空ける時間が長くなる場合などにもおすすめの対策です。
壁やふすまなどの他にも、網戸や家具・ソファ、ケーブルなど、爪とぎ保護シートなどが貼れない箇所にも利用することができるのがうれしいですよね。
ただし、このニオイに関しては猫によって好みが異なるので、嫌がる猫と嫌がらない猫に分かれるようです。
また、スプレーをした箇所が変色してしまう可能性もあります。
折角の新築の壁や床が変色してしまってはもったいないので、しっかりと確認をしてください。
あまりに頻繁にスプレーをすると、家じゅうにニオイが充満してしまったり、ソファやカーペットに染みになってしまったりと、猫にとっても人間にとってもあまりよくありません。
お手軽だからといって使いすぎには注意し、適度に使用するようにしましょう。
一番の対策は、事前の環境づくり!
これまで、新築で猫を飼っても傷だらけにならないよう、できる対策をご紹介しました。
重要なポイントは、「事前に」環境を整えることです。
猫は環境の変化にとても敏感な動物だといいます。
爪とぎによる傷以外にも、猫を飼う上では
・トイレ環境を整える
・猫に有害な観葉植物を避ける
・棚の上には壊れやすいものを置かない
・食べ物を出しっぱなしにしない
など、いくつも気をつけなくてはならないことがあります。
問題が起こるたびに猫を怒っている状態が続いては、お互いの信頼関係も生まれません。
傷つけられたくないものには、飼い主のほうで事前にしっかりと対策をとっておき、怒らなくてもよいような環境づくりを事前に整えましょう。
万が一傷つけられたとしても、それを叱責するのは厳禁です。
叱ってしまうと、逆に猫のストレスが増して、爪とぎの行為が激しくなる可能性もあります。
猫も人間も、おうちはリラックスできる場所でありたいですよね。
猫にとっても飼い主である人間にとっても、お互いストレスの少ない暮らしやすい環境を事前に整えていくことを心がけて、猫のいる暮らしをスタートしましょう。
できる対策はしっかりと行って、猫との暮らしを楽しもう!
猫を受け入れるうえで、飼い主が事前に対策できることはいくつもあります。
新築の新しい環境だからこそ、準備をしっかりとしておきましょう。
猫のいる暮らしは、人間だけの暮らしよりも少し手間のかかるものとなるかもしれません。
ただし、その手間を上回る魅力があるので、事前にできる準備はしっかりと整えて猫との暮らしを心ゆくまで楽しみましょう。