相続登記申請で「委任状」と「印鑑証明書」が必要な場合とは

不動産を相続する場合、登記手続きが必要になります。

登記手続きは誰でも行うことができますが、専門的な知識を必要とするので、司法書士などに依頼するのが一般的です。

このときに必要になるのが、「委任状」です。

また、登記手続きを行う際に使われる印鑑は、印鑑証明書が発行されている実印です。

それでは、相続登記申請に必要な「委任状」と「印鑑証明書」についてご紹介しましょう。

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相続登記申請を依頼する場合には「委任状」が必要

先程お話ししたように、相続登記手続きは誰でも行うことができるのですが、必要書類を集めたり、登記簿の見方など、専門的な知識がないと時間や手間ばかり掛かってしまうことになりかねません。

そこで、登記手続きの専門家である「司法書士」や「弁護士」に依頼することになります。

代理人として相続登記手続きを行う場合も、誰が行っても問題はないのですが、報酬をもらい仕事として手続きを行えるのは、司法書士と弁護士だけです。

このように、代理人に相続登記手続きを依頼する場合に「委任状」が必要になります。

委任状があることで、依頼人が自分の意思で手続きを依頼したことが確認され、正式な手続きとして認められるのです。

依頼された代理人は、本人に代わって法務局で手続きを行うことになります。

通常、登記事項に変更があった日から、「2週間以内に変更手続きを行う」とされています。

このとき、委任状に押す印鑑は、印鑑証明書付きの実印でなくてもかまいません。

印鑑には「認印」と印鑑証明書付きの「実印」がある

相続登記申請の流れをご紹介する前に、印鑑について見ていきましょう。

印鑑には、「認印(みとめいん)」と「実印(じついん)」があります。

認印は文具店などで買い、そのまま通常使っているものを指します。

銀行の口座を作ったり、宅配便の配達書の押したりして使っているもの、すべてが認印です。

一方の実印は、印鑑の持ち主が住民登録をしている自治体が、印鑑として正式に認めた印鑑のことです。

認印と同じように文具店で買った印鑑だとしても、申請して認められれば実印です。

実印の申請をすると、実印として認めたことを証明する「印鑑証明書」が発行されます。

実印を使う場面としては、今回ご紹介しているような相続や不動産に関すること以外に、次のものが挙げられます。

①自動車の取引

②電話加入権の取引

③ローン契約を組む

④契約書、遺言書など、公正証書の作成

⑤法人の発起人

⑥官公庁での恩給や供託などの手続き

もちろん、委任状などに押しても問題はありませんが、実印はそれほど重要な印鑑だということです。

そのため、認印のように安易に押してはいけません。

また、実印を押すときには、印鑑証明書を添付することが求められます。

印鑑登録をして印鑑証明書をもらうことの意味

今回取り上げているような相続登記などの重要な書類を交わすときに、日本では印鑑を用います。

契約を成立させるためには公証する第三者が必要なのですが、日本では印鑑証明書を発行することで第三者(役所)が認めた契約としているのです。

したがって、実印と印鑑証明書は、ふたつセットで信用を証明してくれるものになります。

欧米ではサインをしますが、すべての契約に公証人が同席してサインをしています。

しかし、欧米と日本では、公証人の人数が大きく違うので、日本でこのようなことを行えません。

また、日本で使われている漢字は複雑で、サインには向いていないのです。

印鑑証明書を発行するには、事前に「印鑑登録」をして印鑑登録カードを発行してもらう必要があります。

各自治体に備え付けてある「印鑑登録証明書交付申請書」に必要事項を記入し、本人が確認できる書類と登録する印鑑と手数料を添えて申請します。

多くの場合、本人が申請するのが一番スムーズですが、代理人による手続きもできます。

また、各自治体によって添付書類などに差があるので、事前に問い合わせをすることをおすすめします。

この場合は、基本的に委任状は必要ありません。

印鑑登録カードを提示することで、印鑑証明書を発行することができるようになります。

実印を持って行っても印鑑証明書は発行してもらえないので注意してください。

登記申請に印鑑証明書付きの実印が必要な場合

登記申請を行うとき、実印が必要な場合と、認印でも問題ない場合があります。

実印が必要な場合は、「所有権を失う」「担保をつけられる」など、申請する当事者が不利になる場合です。

このような場合、実印を押すことで、「本人の意思で登記申請している」「不当な手続きではない」ということが証明されるのです。

いくつか例を挙げてみましょう。

【不動産の売却や贈与】

売主から買主へ、あるいは贈与者から受贈者へ、登記している名義を変更する場合には売主や贈与者は、印鑑証明書と実印が必要になります。

買主や受贈者は認印で手続きできます。

【不動産の相続登記】

不動産を所有している人が亡くなり、協議によって登記している名義を複数の相続人に変更する場合です。

【不動産に担保を付ける場合】

不動産を所有している人は、実印が必要になります。

先に述べたように、いずれのケースも実印に印鑑証明書を添付します。

次に委任状について見ていきましょう。

相続人が複数のときには代表に委任状が必要

不動産を所有していた人が亡くなった場合、相続する人に不動産の名義を変更する「相続登記」を行わなくてはなりません。

相続登記を行う場合に、複数の相続人がいるときには、相続人の中から代表者を選び、その相続人が代表して登記手続きを行うことになります。

この場合、他の相続人全員の委任状が必要になります。

司法書士などへ依頼する場合も同じで、その場合も相続人全員の委任状が必要です。

しかし、遺産分割協議などを行わず、法定相続のルールに従って分配する場合は、代表者だけの委任状で手続きすることができます。

例えば、妻と子どもが法定相続分に従って不動産を分ける場合、妻が相続人代表として登記手続きを行うのであれば、委任状の作成は妻のみで済みます。

また、遺産分割協議を行う場合には、3か月以内に発行された印鑑証明書が必要になる場合があります。

登記申請を行う場合の委任状の書き方

それでは、委任状を作成していきましょう。

委任状の内容については、特別な決まりはありません。

しかし、最低でも次に挙げるものは明記しておきましょう。

①委任を依頼する者の名前と住所、署名捺印

②委任を受ける人の名前と住所

③登記申請をすることの目的や原因

④委任する日

⑤添付書類の内容

住所は住民票に記載されているもの、署名は直筆で書いてください。

相続登記の場合には、上記の他に次のことも明記します。

⑥亡くなった人の氏名

⑦相続人の氏名、持ち分、不動産表示

⑧委任する範囲

委任状はA4サイズの紙に黒いインクで書きましょう。

2枚以上になるときには、割り印を押してください。

また、改ざんを防ぐために、署名は直筆、文章の最後には「以下余白」と記入しましょう。

司法書士や弁護士に依頼する場合は、委任状の用意もしてくれるので、内容を確認して署名捺印することになります。

委任状は原本提出が基本です。

原本還付ができないものは、申請書や委任状に押した印鑑証明書、第三者の同意や承諾に対して押された印鑑証明書、登記申請のために作成された委任状などです。

必要な場合は、コピーをとっておきましょう。

登記申請は委任状を作成して専門家へ依頼

不動産を相続する場合には、このようにさまざま手続きが必要になります。

また、扱う不動産によって、状況は違ってきます。

このような手続きは自分で行うことも可能ですが、専門の知識を持った司法書士や弁護士に依頼した方が、費用は掛かりますが、時間と手間が大幅にカットできます。

委任状を作成し、専門家に依頼することで、安心して登記申請ができることでしょう。