不動産登記は法律上の義務!?未登記だと罰則はあるの?

新たに家を建てたり、売買や相続によって所有権を取得したりすると一般的に不動産登記を行います。

登記には登録免許税という税金がかかったり、専門家に依頼することによって発生する報酬により費用がかさみがちです。

そのため登記は義務なのだろうかと考える人も多いでしょう。

登記が義務であれば、罰則があってもおかしくありません。

不動産登記は法律上の義務であるのかどうかをご紹介していきたいと思います。

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不動産登記は義務?

一般的に不動産についての登記はされることが多いのですが、費用の面から「必ずしなければいけないものなのだろうか?」と疑問を抱く人も少なくありません。

固定資産評価額による不動産の価値によって上下するため一概にには言えませんが、専門家に依頼すれば数万円~数十万円にものぼるため当然と言えば当然でしょう。

家を新築した際などにする表題部の登記は、不動産登記法により義務化されています。

不動産登記法によると、以下の登記については1ヶ月以内に行うこととの記載があります。

・建物表題登記(不動産登記法47条)
・滅失登記(不動産登記法第57条)
・土地表題登記(不動産登記法36条)
・地目変更登記(不動産登記法37条)
・地積更正登記(不動産登記法37条)

表題部の登記は建物や土地の概要を表す登記であり、建物であれば所在や家屋番号、構造や床面積が、土地であれば所在や地目、地積などが記載されています。

だからこそ建物を新築した際だけではなく、建物を取り壊した時や土地の地目、地積が変わった時などの登記も義務となっているのです。

義務ということはもちろん罰則規定もあります。

「費用を抑えたいから」という理由で登記をしないというわけにはいかないのです。

権利部の登記は義務ではない!

登記は「表題部」と「権利部」の二部で構成されており、表題部の登記は義務であるとお話ししました。

しかし、権利部についての登記は現在義務ではなく、罰則規定もありません。

権利部はさらに甲区と乙区に分かれており甲区は所有者の住所や氏名、取得年月日、取得原因などが記載されています。

対する乙区は所有権以外の権利、抵当権や地上権、賃借権などが記載されています。

これらの登記は極端な話、してもしなくても構いません。

登記しなければ特別な費用はかからないので、お得なようにさえ思えるでしょう。

しかし権利部の登記は、しないデメリットが大きいので注意してください。

まず、未登記のままだと権利の主張はできません。

所有権の登記がされていないので、誰の持ち物か分からないためです。

そのため他人が所有権を主張してきたとしても、対抗する術がないのです。

また不動産を担保とした融資は受けられません。

銀行は所有権が明確にならない限り、お金を貸したりしてはくれないからです。

そのため住宅ローンを利用する場合、所有権の登記が必須となります。

権利部の登記は義務ではありませんが、自分自身の権利を守るためにも行ったほうがいいと言えるでしょう。

未登記の場合の罰則は?

権利部の登記は義務ではありませんので罰則規定などはありませんが、表題部の登記は法律上の義務となり罰則の規定があります。

前述のとおり不動産登記法によると、定められた一定の登記は1ヶ月以内に登記する義務があるとし、164条に従わない場合には「10万円以下の過料に処する」と記載されています。

あまり聞きなれない「過料」ですが、「罰金」や「科料」とは違い、刑罰ではありませんし、前科にもなりません。

特に「過料」と「科料」は読み方も同じことから混同されがちですが、違いがあることに注意しましょう。

不動産登記法では登記義務のある登記を怠った場合に過料に処するという罰則は規定されていますが、実際に登記をしないことで過料となったケースは今まで聞いたことがありません。

ただし、これから過料が行われる可能性も否定できませんし、表題部の登記を行わないと権利部の登記もできないので不利に働く可能性が大きいと言えます。

登記は自分自身のために、しておくことをおすすめします。

罰則はなくても売却できない!?

表題部の登記は義務であり罰則規定があるが、権利部の登記は義務ではなく罰則規定がないことは既にご説明しました。

権利部の登記は個人の自由ですが、未登記のままだと将来的に売却ができないというリスクもあります。

これは未登記の不動産の売買が買主にとって非常に危険な売買となるためです。

未登記の所有者から未登記の不動産を買い受けて所有していたとしても、買主は不動産の所有者として登記されません。

登記されていないので所有権を主張することももちろんできません。

この状態で売主が自己の名義で所有権保存登記を行い、別の第三者に売却し、第三者が登記をすればどうなるでしょうか?

買主であったはずなのに登記がないせいで所有権を主張できず、手放さざるを得なくなります。

もちろん支払ったお金は返ってこないでしょう。

このようなリスクが高いため、未登記のまま売却をすることは困難といえます。

売却をするためには買主側より登記を求められることがほとんどですが、その際には新築時などに受けられる減税は受けられなくなってしまうので注意してください。

登記されていなくても税金は発生!

表題部の登記は義務とはいえ、現状罰則が適用されたケースがないので登記をしなければ固定資産税などが課税されないのではないかと、わざと登記をしない人もいるようです。

しかし残念ながら、固定資産税は現況主義であるため未登記であっても課税されます。

登記を行うことで自治体に通知される仕組みとなっていますが、毎年市区町村の役所の担当者が担当の地域を見て回って調査しています。

登記されていなくても新たな建物が新築されていれば、担当者がそれを見つけ課税されるので支払わなければなりません。

もちろん登記しないことで稀に気がつかれないケースもあるかとは思われますが、建物が存在している間、長期間に渡って固定資産税が課税されないことはほとんどないでしょう。

将来、相続登記が義務化され罰則を受ける可能性がある!?

現在の不動産登記法では表題部の登記のみを義務とし、権利部の登記については所有者の自由としています。

しかし近年では相続登記に関して、政府が本格的に義務化を検討する動きがあります。

これは東日本大地震がきっかけとなっているようです。

津波の影響で所有者不明の土地や建物が多数出てきてしまい、東日本大地震後の復興事業で用地買収の妨げになったことが大きな要因です。

登記をしないことで所有者が限定されないことはもちろんのこと、相続登記をしていないことにより相続人が分からず権利関係がさらに複雑になってしまうのです。

現在では建物を中心に未登記の建物が増加傾向にあります。

未登記の建物の所有者が他界し、相続登記がなされなければ相続人は次第に増え続け円滑な取引ができなくなってしまいます。

このようなトラブルを回避するために、相続登記の義務化は検討されているのです。

もし相続登記の義務化が決定すれば、表題部の登記と同じように将来的には権利部の登記も義務化される可能性は大いにあると言えます。

義務化されれば、当然罰則規定も設けられることになるでしょう。

今のところ登記の義務化は表題部だけ!

不動産登記には義務であり罰則規定のある「表題部の登記」と、義務ではなく罰則規定もない「権利部の登記」の2通り存在します。

しかし登記は所有者を守る意味合いが強いことから、義務がない権利部の登記も自分自身のために行う方が良いと言えます。

また罰則である10円以下の過料は現在のところ受けたケースは聞きませんが、将来的に相続登記が義務化されれば厳しく取り締まられる可能性が強いでしょう。