擁壁の補修は自分でできる?症状を見てDIYで補修してみよう

家に長いこと住んでいると、擁壁にひび割れや汚れなど、経年劣化による傷みが生じてきます。

一般的には、業者に依頼することで擁壁の確実なメンテナンスが行われますが、補修依頼には何かとお金がかかってしまいます。

しかし、症状の状態次第では、DIYで擁壁の補修をすることが可能です。

この記事では、擁壁の劣化症状からDIYの補修方法まで、詳しくご説明していきます。

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擁壁をDIYで補修したい!そもそも擁壁とはどんなもの?

擁壁のDIY方法についてご説明していく前に、まずは「擁壁」そのものの役割について少しお話していきましょう。

そもそも擁壁とは、崖斜面の崩壊を防ぐために設ける「壁状の構造物」で、一般的にはコンクリートブロックや石などが使われています。

宅地造成地などでよく見られ、隣接する敷地や道路に対して高低差がある場合、盛り土が崩れないように設けられます。

つまり、擁壁は建物を守るための重要な基盤であると言えます。

この擁壁は、経年に伴って劣化していくことはもちろん、場合によっては打設数か月でひび割れが生じることもあります。

万が一放置してしまうと、雨水の侵入や寒暖の影響でより脆くなってしまい、災害によって倒壊するリスクも高くなります。

そのため、劣化に気付いたときにはできるだけ早めに補修依頼をする必要があります。

ただし、劣化の症状や具合次第では、DIYで補修することも可能です。

ひび割れの原因は様々!擁壁のひび割れの症状は?

実際に、DIYで擁壁の補修を行うためには、劣化の症状として現れるひび割れについて知っておく必要があります。

ひび割れといっても、原因は必ずしも一つではなく、様々な要因が関わることで複合的に発生します。

①乾燥収縮

コンクリート表面が乾燥し、収縮することで生じるひび割れで、打設後数か月で発生する場合もあります。

ひび割れの初期段階では、0.05~0.5mmと非常に軽微ですが、放置してしまうとクラックが大きくなっていく場合があります。

②温度変化

季節の温度変化に伴い、コンクリートは大きく伸縮変動を繰り返します。

例えば、長さ10mのコンクリート部材に対し、10℃の温度変化があった場合、およそ1mの膨張・収縮が起こることが分かっています。

このような寒暖の影響による膨張収縮によって、細かいひび割れが発生します。

また、コンクリート内部の水分の凍結では、膨張圧によってひび割れが生じることがあります。

③外圧、外力

地震などの災害を受けたとき、擁壁に外力が加わることでひび割れが発生します。

以上が主なひび割れの原因になります。

現代の技術においても、擁壁を含めたコンクリート構造物のひび割れ発生は、完全に防ぐことはできません。

しかし、だからといって放置してしまうと、ひび割れ部分から雨水が侵入することで、さらに亀裂がひどくなる場合があります。

したがって、気付いた初期段階のうちに補修を心がけることが大切です。

擁壁のDIY補修には限界がある!軽微なひび割れと壁の汚れ

補修依頼をせず、DIYで擁壁補修を行うには、その劣化レベルが初期であることが重要です。

逆に、劣化の症状が大きい場合は、自分で補修を行わずにプロの業者に依頼する方が良いということです。

では、DIYでできる擁壁補修の初期症状について、その目安や補修方法を見ていきましょう。

●ヘアークラック

ヘアークラックとは、文字通りに髪の毛ほどのひび割れを意味し、幅が0.3mm以下、深さが4mm以下のひび割れ規模になります。

構造に対する影響はありませんが、ヘアークラックが大きくなった場合、雨水などの影響で下地が損傷する恐れがあります。

基本的なDIYの補修で行える規模としては、ヘアークラックを始め1~3cm以下の軽微なひび割れになります。

●苔やカビ汚れ

日当たりの悪い部分に汚れとなって繁殖します。

ブラシで擦り落としたり、高圧洗浄機を使用することで取り除くことができます。

●白華現象(エフロレッセンス)

白華現象とは、コンクリートの成分が侵入した雨水によって分解され、蒸発時に表面に浮き出し、白く結晶化する現象です。

擁壁自体の強度には関係ありませんが、外観が気になる場合はブラシなどで洗い落としてください。

以上のように、DIYで補修できる範囲は、基本的に軽微なひび割れや外観の汚れになります。

つまり、軽微なひび割れ以外の劣化については、自分で補修するのは避けた方が良いと言えます。

その理由について、次項でご説明していきましょう。

規模の大きいひび割れは業者に依頼しよう!

前項では、DIYで補修できる擁壁の症状について見てきましたが、自分でより確実な補修を行う場合、その擁壁の劣化部分の原因に対して適切な補修をしなければなりません。

つまり、軽微なひび割れ以上の規模の劣化が見られる場合は、専門の業者に調査を依頼し、補修方法を提案をしてもらうのが良いでしょう。

と言うのも、例えば擁壁内の鉄筋が露出していたり、ひび割れの規模が大きい場合、DIYで見た目だけ補修をしたとしても、内部が腐食していることもあります。

そうなると、内部の劣化は放置されたままになるので、最終的に鉄筋が錆びたりして、擁壁の強度に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

したがって、DIYで補修を行う場合は、素人でも行える軽微な症状だけに抑えるようにし、それ以外はプロの業者に依頼するようにしましょう。

擁壁補修はどんな工法で行われる?主な3つの工法

では、プロが行う擁壁補修では、どのような工法が用いられているのでしょうか。

擁壁やブロック塀にひび割れがある場合、主に「被覆工法」「注入工法」「充填工法」の3つの工法によって補修されています。

①被覆工法

被覆工法では、微細なひび割れ(幅0.2mm以下)の上から、耐久性や防水性の優れた表面被覆材・防水材などを被覆します。

これにより、雨水の侵入を防ぎ、ひび割れの拡大を阻止することができます。

②注入工法

注入工法では、0.2mm以上のひび割れに対し、専門の注入器具を用いて樹脂系やセメント系の材料を注入することで、表面的な防水性や耐久性の回復を図ります。

注入する材料次第では、擁壁部材の一体化を実現することもできるため、ひび割れの補修方法としてはメジャーな工法になっています。

③充填工法

充填工法では、1.0mm以上のひび割れに対し、コンクリートの表面をひび割れに沿ってカットし、補修材を充填します。

1.0mm以上のひび割れになると、躯体内部の鉄筋が雨水の侵入によって腐食している恐れもあるため、鉄筋腐食に対してあらかじめ対処を行います。

補修材には、一般的にシーリング材やポリマーセメントモルタルなどを使用しますが、素人がDIYで行う場合にはコーキング剤がおすすめされます。

では、以上の工法を踏まえ、自分でできる擁壁のひび割れ補修について、次項で見ていきましょう。

擁壁をDIYで補修しよう!ひび割れに合わせた充填工法

DIYで擁壁のひび割れ補修を行う場合、コーキング剤を使用した「充填工法」で行うことをおすすめします。

砂やセメントなどと混ぜ合わせる必要があるモルタルと違い、市販のコーキング剤はそのまま使用することができるため、手軽に補修することが可能です。

前述したように、充填工法での補修は、基本的に1.0mm以上の比較的大きなひび割れに対して行うものですが、チューブタイプのコーキング剤を用いることで、1.0mm以下の小さなひび割れを補修することもできます。

比較的大きなひび割れを補修する場合は、カードリッジタイプのコーキング剤を使うことで、作業を円滑に行うことができるので、ひび割れの大きさによって使い分けるのが良いでしょう。

また、コーキング剤はハサミやカッターなどでカットし、ひび割れに合わせて充填していきます。

コーキング剤やそれを充填する道具は、ホームセンターで購入することができるので、是非チェックしてみてください。

DIYで擁壁補修をする注意点としては、やはり素人が補修できるひび割れの大きさを選定することです。

カードリッジタイプのコーキング剤では、前述したように、1.0mm以上の広範囲なひび割れを補修することが可能ですが、ひび割れが大きい分、内部の鉄筋腐食の可能性も否定できなくなります。

そのため、大きいひび割れを補修する際は、その可能性も考慮した上で、念のために業者にチェックしてもらうのがベターと言えます。

安全で確実な補修を

家の擁壁にひび割れが生じていることに気付いたら、まずは症状の規模を確認し、原因を調査することが大切です。

その上で、DIY補修が可能か否かの判断を行い、軽微なひび割れであれば自分で補修するのも良いでしょう。

しかし、判断に迷ったり、比較的大きなひび割れであれば、プロの業者に依頼し、安全で確実なメンテナンスをしてもらってください。