修繕積立金の値上げ対策は管理組合の総会で行うことができる

マンションを購入すると、管理費や修繕積立金を支払うことになります。

管理費や修繕積立金は、快適に暮らしたり、資産価値を下げないために必要な経費です。

ところが、最近では修繕積立金が不足し、予想以上に値上げをされるケースが増えてきています。

しかし、修繕積立金の値上げは、改善の余地があることを覚えておくと良いでしょう。

管理組合を機能させ、総会で対策を行うことができるのです。

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マンションを管理する「管理組合」と「総会」

マンションを購入すると、購入者は「区分所有者」となり、必ず「管理組合」の組合員にならなくてはなりません。

これは、「区分所有法第三条」という法律で定められています。

その内容は、「区分所有者全員で、建物や敷地、それに附属する施設の管理を行う団体を作り、この法律に沿って集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができる」というものです。

ここで言う団体が「管理組合」で、区分所有者の意思の統一を図り、決定するのが「総会」になります。

ちなみに、区分所有法では「集会」と言いますが、国土交通省の標準管理規約では「総会」としているので、このでは「総会」と呼びます。

総会で決定したことを実施し、管理組合の業務を行っていくのが、管理組合の核である「理事会」です。

総会には、毎年1回定期的に開催する「通常総会」と、必要に応じて行われる「臨時総会」があります。

通常総会では、管理組合の決算や活動報告、予算審議、役員選任などについて決議されます。

原則として理事長が組合員を招集し、最低でも毎年1回は通常総会を開かなければなりません。

修繕積立金の値上げについても、総会を開催し、区分所有者の意思の統一を図る必要があります。

管理費や修繕積立金などの費用の取り決めについて

マンションにはさまざまな人が暮らしているので、管理組合はそれぞれの住民が快適に暮らすためにルールを作る必要があります。

それが、マンションに暮らすためのルールブック「管理規約」です。

この管理規約も前述した「区分所有法」に基づいて定めるので、法的な効力があり、決められたルールを守らない人に対して、強制力を持ちます。

管理規約では、「管理組合・理事会の業務」に関するものや「専有部と共有部の範囲と使用用途」など、暮らしのための基本的なルールを定めています。

その中に「費用に関する項目」もあり、この費用は「管理費」と「修繕積立金」のことです。

マンションに暮らす区分所有者には、建物の維持管理をするために、必ず管理費と修繕積立金の支払い義務が生じます。

その管理費と修繕積立金について、どのように費用負担するのか、またその費用をどのように使うのかは、管理組合の総会で決めることになります。

しかし、マンションの管理を自分たちで行っている場合はほとんどなく、管理会社に委託しているのが一般的です。

そのため、管理費や修繕積立金に関しての取り決めをしっかりチェックしていないと、後になって値上げを要求されるということが起こるのです。

管理費や修繕積立金の値上げは必ず総会で決議される

では、管理費や修繕積立金の値上げを管理会社から要求された場合、どのように対処したら良いのでしょうか。

管理費や修繕積立金の値上げに関しては、「普通決議」が必要です。

普通決議とは、「議決権を持っている区分所有者(=組合員)の半数以上が出席する総会で、出席者の過半数で決する」とされています。

まず、「修繕積立金の値上げについて」の議案が総会に出されます。

そのことについて、総会で話し合いが行われ、普通決議によって採決されることになります。

したがって、組合員の半数以上が反対すれば、管理費や修繕積立金の値上げは認められません。

また、管理規約に予め管理費や修繕積立金についての負担金が明記されていたり、修繕積立金に関する決議事項が記されている場合は、それに沿う形で変更することになります。

例えば、修繕積立金の場合、その徴収方法として数年ごとに段階的に値上げしていく、「段階積立方式」があります。

これについては、マンションを購入するときに説明を受け、修繕積立金の値上げを了解し購入していますが、そういった場合でも、総会で修繕積立金についての決議を行わなければなりません。

つまり、管理費や修繕積立金の値上げに関しては、どんな場合でも組合員が納得した上で行われることになるのです。

段階的な値上げよりも負担が大きい!?修繕積立金「一時金徴収方式」

修繕積立金に関しては「段階積立方式」ではなく、今後の修繕金を予想し一定の金額を積み立てる「均等積立方式」が、経済的な計画が立てやすいので良いとされています。

しかし、実際には「段階積立方式」を採用しているマンションが多いようです。

これには、「初期費用を抑えてマンションを購入しやすくしたい」という、販売側の思惑が関係しています。

また、購入側にとっても、マンション購入時は引っ越しや家具の購入など、多くのお金が掛かるので、初期費用を抑えられるのはメリットでもあります。

しかし、修繕積立金に関することで注意したいのが、「一時金徴収方式」です。

この方式は、月々の修繕積立金を抑えて、大規模修繕のときにまとめて修繕費を集めるというものです。

修繕費の不足分を一時金として集めるもので、数十万円から、場合によっては数百万円という単位で修繕費を要求される場合があります。

そして、契約時には払えると思っていた一時金も、状況の変化などにより、払えなくなってしまう場合が多いようです。

中には、段階的な値上げでは不足金を補えず、一時金を要求されるケースもあります。

「一時金徴収方式」の場合も、総会で話し合いが行われ、普通決議によって採決されることになります。

しかし、建物を管理維持するためには、修繕費は必ず掛かる費用です。

一時的に支払いを回避できたとしても、いつかどこかのタイミングで支払わなくてはなりません。

自分たちの支払いが大変にならないよう、「一時金徴収方式」は避けた方が良いでしょう。

この方式の変更も総会によって変えることができます。

総会を機能させ管理費や修繕積立金をチェックする

マンションの管理費や修繕積立金について、管理会社に委託している場合、一般的に「管理費は高く設定され、修繕積立金は低く設定されている」と言われています。

これは、管理会社に支払う「管理費」を、管理会社が決めている場合が多いからです。

したがって、月々に掛かる費用のバランスを取るために、修繕積立金が低く設定されることになるのです。

このことは、多くのマンションで行われており、修繕積立金の値上げは当たり前のようになってしまっています。

そして、修繕積立金が少ないマンションは、安心して暮らせないということもありますが、資産価値が低く見積もられるというデメリットもあります。

修繕費が不足しているマンションは、適切な修繕が行われていないということになり、それはマンションの劣化を招きやすくすると捉えられるからです。

実際に計画していた大規模修繕が、修繕費が不足しているために行えなくなっているケースが増えてきています。

本来であれば、管理費や修繕積立金については、総会によって組合員の総意で決められるべきものですが、管理会社に委託し、チェックを怠ってしまうことで、自分たちの首を絞めることになってしまうのです。

管理費がどのように使われているのか、修繕積立金は計画的に積み立てられているのかなど、組合員が関心を持ってチェックするようにしましょう。

そうすることで、無駄な経費を掛けることなく、快適に暮らすことができるのです。

修繕積立金値上げ対策を総会で検討する

それでは、組合員が自分たちでできる修繕積立金の値上げ対策について見ていきましょう。

【管理費の見直し】

管理費の内訳を見直すことをおすすめします。

管理費の大きな部分を占めているのは、管理会社に支払っている「管理委託費」です。

通常、マンション購入時には既に管理会社が決まっています。

そのため、比較検討が行われず、価格競争が起きません。

他の管理会社と比較して、もし高いようなら管理会社の見直しを検討しましょう。

また、設備などの点検や修理についても、定期的に部品を全部換えるのか、劣化した部分だけ換えるのかなど、やり方を見直せば管理費の削減に繋がるものもあります。

【修繕工事の見直し】

修繕工事を行う場合、管理会社の提案にそのまま従うのではなく、内容を見直しましょう。

場合によっては、自分たち管理組合で工事業者を探すということも必要です。

そうすることで、実際に修繕費の大きな削減に繋がった例もあります。

このようにマンションの経費全体を考え、支出を抑えることで、その分修繕積立金に回すことができます。

ぜひ、管理組合の活動を活発にし、総会でマンション全体の見直しをしてください。

マンションの管理は自分たちで!総会で意見をまとめよう

マンションの管理は、管理組合が委託した管理会社が行っている場合がほとんどです。

日常の管理業務については、自分たちで行うのは難しいので管理会社に任せるのが良いですが、管理費や修繕積立金などの費用に関しては組合員が把握しておく必要があります。

管理を委託したとしても、マンションを管理しているのはあくまでも管理組合です。

快適に暮らすために、管理組合の活動を活発にし、総会で組合員の意見をまとめていきましょう。