新築の外構工事では、車を出し入れする駐車場の仕上げとして、どんな建材を使うか悩む方も多いでしょう。
予算を重視する場合、建材の中でも割安な砂利の人気が高いですが、特に車体に対するデメリットもあるため、あらかじめよく知っておく必要があります。
この記事では、新築の駐車場を砂利にする際のメリット・デメリットから、その費用などについてご説明していきます。
駐車場の仕上げはどうする?予算重視で砂利にするケースも
新築もいよいよ完成し、残すところは外構工事だけとなったき、悩みがちな部分の一つとして挙げられるのが駐車場の仕上げです。
基本的に毎日使う部分である上に、意外と敷地に占める割合も多いため、見た目だけでなく、使いやすさや費用を考慮した上で仕上げの検討をしていく必要があります。
仕上げにはコンクリートや砂利、レンガ、モルタルなど様々な種類がありますが、一般的には見た目も良く手入れもしやすいコンクリートを採用するケースが多いです。
しかし、新築では多額のお金がかかる分、駐車場でのコストは極力抑えたい方もいることでしょう。
そこで、仕上げの中でも最も簡素な砂利は、コンクリートに比べると格段に費用を抑えることができるため、駐車場に砂利敷きを採用する方も少なくありません。
ただし、砂利はコストが安い分、デメリットもいくつかあるため、砂利敷きを検討している方はあらかじめ把握しておくことが大切です。
では、駐車場を砂利にするにあたり、メリット・デメリットについて次項で詳しくご説明していきます。
駐車場を砂利にするメリット・デメリットは?まずはメリット
デメリットについて見ていく前に、まずは駐車場を砂利にすることで得られるメリットについて、大きく4つに分けてご説明していきましょう。
①雑草対策
砂利を敷き詰めることで、雑草が生えにくくなります。
これは、砂利が厚い層となることで、地面に当たる太陽光を遮るからです。
また、もし生えても抜きやすくなるため、砂利敷きした部分の雑草管理はかなり楽になります。
さらに、防草シートを敷くことで、雑草対策を図ることができます。
②防犯対策
砂利は踏む度に音がするため、人が来たことが分かります。
さらに、石一粒が大きい「防犯砂利」を敷くことで、防犯効果を高めることができます。
③表面的に水たまりができない
砂利の層の中に水を吸収するため、雨が降っても表面的に水たまりができることはありません。
そのため、水の跳ね返りもなく、コケや蚊の繁殖も防止することができます。
④可変性に優れている
コンクリートやタイルの場合、駐車場の一部を庭にしたり、舗装材を変えたりする際に、工事が大掛かりになります。
しかし、砂利であれば、比較的簡単に他の舗装材に変えることができ、変化をつけやすいでしょう。
上記4つのメリットに加えて、次項では費用について詳しく見ていきましょう。
駐車場に砂利が選ばれる一番の理由は?
駐車場に砂利を選ぶ最たるメリットは、費用が安いということです。
砂利と言っても種類はいくつかありますが、駐車場に用いられるものは「砕石」という人工的に砕いてつくられた建材です。
普通の砂利と違い、粒の大きさが不揃いのため、車が通ってもそれぞれが組み合うことで石が動きづらくなります。
例えば、この砕石で車一台分の駐車場をつくろうと思えば、2tダンプ2台分の砕石が必要になります。
ダンプ1台分でおよそ6,000円と言われているため、2台分であれば約12,000円が建材費としてかかってきます。
これに加え、地盤改良や重機、人件費、その他機材費用諸々で、全体で約10万円~かかると考えることができます。
一方、コンクリートの場合、施工に手間がかかる分、2台分でおよそ20~30万円と高めなため、予算重視の方は砕石砂利を選ぶことがおすすめされます。
ただし、予算的には魅力的な砂利でも、その分デメリットがあることも忘れてはいけません。
駐車場を砂利にするといくつかのデメリットが!
では、駐車場を砂利にするメリットが分かったところで、次にデメリットについて見ていきましょう。
砂利敷きには、主に4つのデメリットがあります。
①ボディが傷付きやすく、汚れやすい
砂利で車を動かすと、石が飛び跳ねてボディを傷つける可能性があります。
また、砂埃が立ちやすかったり、雨の日は泥水で車が汚れます。
②砂利が動きやすい
砕石の敷き詰めが甘いと、毎日踏んでいる部分が動き、砂利の量が減ってしまいます。
また、砂利が敷地外に跳ねたり、雨の日は砂利が流れやすくなります。
③砂利下の水はけが悪い
表面的に水たまりができなくても、砂利下の水はけは良くありません。
そのため、湿気が溜まりやすく、車体の下回りやマフラーが錆びやすくなります。
④ベビーカーや台車が押せない
ベビーカーや台車の車輪が砂利で取られ、押すことが難しくなります。
以上のように、砂利は様々な点でデメリットが見られますが、特に車体へのリスクは気がかりなところです。
車体に負担となるデメリットをカバー!駐車場に合わせた砂利選び
これまでに、駐車場を砂利にするメリット・デメリットについてご説明してきました。
砂利敷きは、主に車体への汚れ・傷に関するデメリットが大きいですが、コンクリートと比べると費用が安いメリットがあるため、予算重視の方には嬉しい建材です。
前述では、駐車場に使われる砂利の代表として「砕石」を挙げましたが、他にもいくつか種類があります。
砂利を選ぶ際に、ぜひ参考にしてみてください。
・錆砂利
石材中の鉄成分が酸化し、鉄錆色に変色した砂利で、鉄成分の含有率によって錆色の模様が変わります。
耐久性もあって艶落ちしにくいため、味わい深い見た目を維持することができます。
また、人工的につくられているため、砕石と同様に飛散しにくい特徴があります。
砕石より比較的割高ですが、人気の高い砂利です。
・瓦チップ
廃瓦を再利用してつくられたもので、駐車場だけでなく、ガーデニングや公園などのエコ建材として用いられます。
色鮮やかなデザイン性に加え、消臭効果や透水性が高いため、駐車場の砂利として人気があります。
廃材であるため費用も安い魅力があります。
・五色砂利
複数の色味で庭を彩る砂利で、赤茶・緑・ゆず・藍・白の色があります。
形は丸みを帯びて艶があるため、タイヤの圧力によって動きやすい特徴があります。
デザイン性は高いですが、駐車場には不向きと言えます。
価格は高く、砂利の中では高級です。
駐車場に自分で砂利を敷く場合に行うべき作業とは?
駐車場に合った砂利ができれば、石が跳ねやすいデメリットをカバーできることが分かりました。
最後に、駐車場への砂利の設置方法についてお話していきます。
一般的に、砂利を敷く作業はエクステリア業者に依頼することが多いですが、実はDIYですることも可能です。
そのため、より費用を抑えようと自分たちで砂利を敷く人も見られます。
ただし、DIYで砂利を敷く場合、「転圧」と「防草」という作業を必ず行うことが大切です。
まず、「転圧」とは、いわゆる「整地」で、敷いた砂利に圧力をかけることで地盤を安定させます。
転圧作業には「転圧機」が必要になりますが、一日数千円でレンタルすることができます。
また、「防草」とは、防草シートなどを敷いて雑草が生えない環境をつくっておく作業です。
防草効果のある砂利と組み合わせることで、より効率良く雑草対策をすることができます。
以上の転圧・防草の作業は、車にとって安定した駐車場をつくるためには大変重要なため、必ず行うようにしましょう。
砂利のデメリットをよく把握しておこう
駐車場の砂利敷きは、コンクリートなどの他の仕上げに比べて安い費用で施工ができるため、選ばれることの多い建材です。
しかし、砂利が動きやすかったり、車体の下回りに湿気が溜まりやすかったりと、車に影響を及ぼすケースもあります。
そのため、跳ねにくい砕石を選ぶなど、デメリットのカバーを忘れないようにしましょう。