千葉と言えば、江戸川を挟んで東京の隣に位置し、東京のベッドタウンとして発展してきました。
そのため、「千葉都民」と言われるほど、都内に通勤通学している人たちが多く暮らしています。
また、マンションの中古物件も都内よりも安く、移住支援制度も充実していて、県では「都会もあれば田舎もある『ちょうどいい千葉』」を打ち出しています。
それでは、住みやすいと言われている千葉の魅力をご紹介しましょう。
移住や定住に「ちょうどいい千葉」
千葉県では「ちょうどいい千葉」として、県内を5つのエリアに分けて、各エリアでの暮らしをイメージしやすいように、その特長や移住した人たちの声などを紹介したパンフレットを作成しています。
中古マンションを購入する前に、各エリアの暮らしやすさが分かるのは便利ですね。
それでは、5つのエリアを見ていきましょう。
【東葛・湾岸エリア】
このエリアは、千葉市、市川市、船橋市、松戸市、野田市、習志野市、柏市、浦安市など、全12市で構成されています。
千葉県北西部の「東葛(とうかつ)」と、幕張新都心とその周りの「湾岸」を合わせたエリアで、東京に近接しているため、都内へのアクセスが良く、通勤通学に便利です。
地元にはショッピングや遊びのスポットも多く、病院施設なども充実しているので、大変暮らしやすいエリアです。
都会でありながら自然豊かな公園や広い農地もあり、特に子育て世代におすすめです。
【空港エリア】
このエリアは、成田市、佐倉市、四街道市、酒々井町をはじめとした、10市町で構成されています。
成田空港と千葉ニュータウンを合わせたエリアで、成田空港へのアクセスはもちろん、東京へ出るにも便利です。
大型のショッピングスポットも増えてきていますが、かつての城下町の町並みも残り、田園風景も見られるので、のんびりと暮らすことができるエリアです。
中古マンションを購入する前に千葉の魅力を知ろう
さらに「ちょうどいい千葉」のエリアをご紹介しましょう。
【香取・東総エリア】
このエリアは、銚子市、旭市、香取市、神崎町をはじめとした、7市町で構成されています。
利根川沿いの水郷地域や干潟八万石と呼ばれている稲作地帯があり、農業の生産高県内一を誇ります。
海の幸も豊富で朝市や産直市場があり、新鮮食材が手軽に手に入るので、定住するにはおすすめです。
また、茨城県や成田市への通勤通学には便利なエリアです。
【圏央道エリア】
このエリアは、木更津市、茂原市、東金市、市原市、君津市、富津市、袖ケ浦市、九十九里町をはじめとした、17市町で構成されています。
電車を利用すれば、千葉市や都内への通勤通学もできますし、東京湾アクアラインを利用すれば、京浜地域への車通勤も可能なエリアです。
海、里山、森など、自然を満喫できるレジャー施設も多く、車を使えばさらに充実した暮らしができるでしょう。
また、稲作、園芸、酪農が盛んなので、新鮮食材も手軽に手に入ります。
【南房総エリア】
このエリアは、館山市、勝浦市、鴨川市、南房総市をはじめとした、8市町で構成されています。
海に囲まれたこのエリアは、温暖な気候、暮らしやすい自然環境に恵まれていることから、都会からの移住先としても人気があります。
また、高度先進医療を推進する医療機関もあるので安心して暮らせます。
このように千葉は、各エリアごとに魅力があります。
自分の生活に合ったエリアを選んで、中古マンションを探しましょう。
千葉県の中古マンション事情
エリアごとにそれぞれの魅力がある千葉県ですが、人口も増えていて、2015年の国勢調査によると増加率は+0.1%で全国8位です。
ここで注目したいのが県民の年齢で、千葉県の平均年齢は46歳と全国9位の低さ、15歳~64歳までの人口比率は61.7%、65歳以上は25.9%と全国平均の26.6%よりも低くなっています。
このことからも分かるように、中古マンションを購入して都心に通勤通学する人たちも増加傾向にあり、中古マンションの価格が上昇しています。
中でも、中古マンションの価格が高いのは、市川市、浦安市、船橋市、千葉市です。
いずれも先程ご紹介した「東葛・湾岸エリア」に属する市になりますが、やはり都心へのアクセスの良さが決め手となっているようです。
中古マンションで検索されているのが多い街は、船橋市、市川市、松戸市、千葉市、柏市と、こちらも「東葛・湾岸エリア」で、価格の高い街と重なります。
ここ最近は、野田市、勝浦市、御宿町、茂原市、成田市の中古マンションの価格が上昇しています。
野田市、茂原市、成田市は、都心へのアクセスの良さが価格上昇の理由として挙げられますが、勝浦市や御宿町は都心から離れているにも関わらず、価格が上昇しているのはなぜなのでしょう。
中古マンションを購入しやすい千葉の移住支援制度
千葉県の中でも、都心から離れている勝浦市や御宿町の中古マンションの価格が上昇している理由として挙げられるのは、「移住支援制度」の充実です。
勝浦市も御宿町も少子高齢化が進んでおり、前述の国勢調査によると、勝浦市の平均年齢は51.9歳、65歳以上の人口比率は37.8%、御宿町の平均年齢は57.4歳、65歳以上の人口比率は47.6%となっています。
そのため、勝浦市では「若者等定住促進奨励金交付制度」の交付金を増額し、若い夫婦が勝浦市に移住しやすいように支援しているのです。
他にも、新たに事業をはじめる人を支援する「企業立地奨励金・雇用促進奨励金」や、次世代を担う農業者を育てる「農業次世代人材投資事業」など、雇用を促進する事業も行っています。
子育て世代にはうれしい「子ども医療費助成事業」などもあり、移住する人が増えてきているようです。
御宿町も「住宅リフォーム補助制度」や「空き家バンク制度」を設け、移住を促しています。
また、「町内就業者家賃支援事業補助金交付事業」や「介護職員初任者研修受講料助成事業」などで雇用拡大にも力を入れています。
同じように「移住支援制度」を設けている市町があるので、移り住む前に調べてみると良いでしょう。
その他の千葉の移住支援制度
それでは、その他の地域の移住支援制度を見てみましょう。
【東葛・湾岸エリア】
住宅支援を行っているのは、八千代市と鎌ヶ谷市以外の市町です。
都心に近い千葉市や市川市、松戸市などは「三世代同居等支援事業」や「子育て世帯同居・近居スタート応援補助金」など、親世代と同居、または近居することをすすめる支援制度が目立ちます。
他にも婚活をサポートして、市内に定住することをすすめる制度もあります。
【空港エリア】
こちらのエリアは、成田市と八街市以外の市町は住宅支援を行っています。
このエリアでも親世代との同居、または近居することをすすめる支援制度が多いようです。
他にはリフォーム補助金制度などもあり、中古マンションを購入したあとのリフォームを支援してくれます。
【香取・東総エリア】
このエリアはすべての市町で住宅支援と就業支援を行っています。
リフォームに関する支援が多く、新しく家を建てるより、今ある住宅や中古マンションなどを有効に利用できるようにしています。
【圏央道エリア】
茂原市以外は、すべての市町で住宅支援を行っています。
このエリアでは、リフォーム支援の他に、住宅取得に対する補助金制度も多く行っています。
【南房総エリア】
こちらは、先程ご紹介した勝浦市と御宿町のあるエリアで、すべての市町で住宅支援と空き家情報の提供を行っています。
千葉のユニークな取り組み「田舎暮らし体験」
千葉県が行っているユニークな取り組みとして「田舎暮らし体験」があります。
田植えや農作物の収穫などの農業体験をするものばかりでなく、本当にその土地に暮らすことが体験できるものです。
これに力を入れているのが「南房総エリア」です。
館山市では、NPO法人が中心となって農家や古民家などで田舎暮らしを体験できるツアーを組んでいます。
いすみ市でも、7日以内の滞在を体験できるプログラムがあります。
勝浦市では「田舎暮らし体験施設の貸出し」として、10日以上60日以内の本格的な田舎暮らしを体験することができます。
南房総市でも「体験ツアー・トライアルステイ」として、移住後の生活がイメージできるよう、田舎ではなく市内での移住体験や試しに住んでみる「トライアルステイ」を行っています。
その街に住むことができれば、その街の雰囲気やそこに住む人たちのことを知ることができるので、移住に対する不安も払拭されるでしょう。
また、ゆっくりと中古マンションを探すこともできるので、移住する前に「暮らし体験」をおすすめします。
千葉は広い!中古マンションを探すにはエリアを決めよう
今回は千葉県で中古マンションを探すことについてご紹介してきました。
しかし、千葉と言っても広く、まさに県が言うように「都会もあれば田舎もある」ので、どのような生活をするかによって、住むエリアは大きく違ってきます。
都心に近いエリアで便利に暮らすか、海や山に囲まれてのんびり過ごすか、どちらも選べるのが「ちょうどいい千葉」の良いところなのでしょう。