部屋で過ごしていて、窓から隙間風を感じることはないでしょうか。
窓をしっかり閉めているはずなのに、「ピューピュー」という風の音が聞こえたら、窓のレール部分に隙間が空いていることが考えられます。
夜中、寝ている際に聞こえてくると、気になってゆっくりと寝られなくなる方も多いでしょう。
窓にできる隙間の原因と、隙間風の対策方法を探っていきましょう。
窓のレールに隙間ができる原因
住宅でよく見かける窓の中には、「引き違い窓」があります。
引き違い窓は、長い間開閉を繰り返してしていると、レール部分にだんだんと隙間ができてしまうことがあります。
そのため、築年数が経過した住宅やアパートなどでは、部屋にいると窓の方から「ピューピュー」と、わずかに風が入り込む音が聞こえることがあります。
この「ピューピュー」という音は「笛鳴り現象」と呼ばれ、窓の隙間の内側と外側に「圧力差」が生まれることで発生する音だと言われています。
では、笛鳴り現象を起こす、窓のレール部分にできる隙間の原因とは何なのでしょうか。
考えられる主な原因は、
・窓サッシ自体が長年の開閉によってずれている
・窓サッシの機密部分が正常でなくなっている
・窓本体がゆがんでいる
以上のどれかが当てはまる可能性が高いでしょう。
これらは自分自身で調整できるものもありますので、後程くわしく対策方法をご説明していきましょう。
窓レールの隙間によって起こる問題
窓のレール部分に隙間があると、そこから隙間風が室内に侵入します。
この隙間風にはどのような問題があるのでしょうか。
大きく2つに分けてご説明します。
●部屋の温度を下げる
冬などは、室内を暖房で暖めても冷たい隙間風が入り込むことで部屋の温度を一定に保つことができません。
暖房を「強」でつけ続けても、隙間風は絶えず入り続けるので、電気代が余計にかかってしまいます。
このように、窓に隙間があるということは、家の「気密性が下がる」ことに繋がります。
気密性は断熱と密な関係にありますので、窓レールに隙間があると、室温を一定に保つのは非常に難しい状態でしょう。
●音が気になる
部屋でリラックスしている状態の時に、笛鳴り現象がすることもあるでしょう。
こうなると、気になってゆっくりテレビも見ていられないかもしれません。
また、窓に隙間があると、隙間風の音だけではなく、外の騒音が聞こえやすくなるというデメリットも考えられます。
これは逆に、室内の生活音も外に漏れてしまう可能性が高いということなので、ストレスが溜まる原因にもなりかねません。
窓の隙間には!サッシの「戸車」を調整する
窓に隙間があると、さまざまなデメリットが発生します。
ここからは窓を自分で調整して、隙間風の対策をしていきましょう。
まずは、サッシを調整することから始めます。
窓のレールにはまっているサッシには「戸車」という車輪がついています。
この戸車の高さが左右で水平になっていないと、どちらかに傾きが生まれ、窓に隙間ができてしまうのです。
【戸車の調節の方法】
①まず、窓を離れた場所から観察し、サッシ部分が傾いていないかチェックします。
ここで水平に見えても、わずかにずれている場合もありますので注意しましょう。
②サッシの1番下の部分にある「プッシュボタン」をはずします。
③プッシュボタンを外すと、戸車の「調節ネジ」が現れます。
調節ネジは右に回すと「上がる」、左に回すと「下がる」ので、高さを調節してください。
④サッシの調節が完了したら、プッシュボタンを元に戻しましょう。
以上が戸車の調整の方法です。
ドライバーがあれば行える簡単な作業のため、まずはこちらから試してみてください。
窓の隙間に!クレセント錠の調整をしてみよう
戸車の調整を行っても、レールの隙間が改善されない場合もあるでしょう。
次に試していただきたいのは「クレセント錠」の調整です。
窓に付いているクレセント錠が緩みでガタついていると、それが原因で窓レールの部分に隙間が生じてしまうことがあります。
クレセント錠は、「本体」と「クレセント受け」の位置が正しい状態でないと、ぴったりと噛み合わないため、調整が必要となります。
では、自身で調節していきましょう。
【クレセント錠本体の調整】
①まず、クレセント錠本体のカバーを外します。
②カバーを外すとネジがあるので、反時計回りに緩めていきましょう。
③クレセント錠本体を上下に動かして位置を調整してください。
④位置を決めたらネジを締め直し、カバーを元に戻したら完了です。
【クレセント受けの調整】
①クレセント受けのカバーを外します。
②カバーを外すとネジがあるので、先ほど同様、反時計回りに緩めていきましょう。
③クレセント受けを上下に動かして、本体とぴったり噛み合うように位置を調整してください。
④ネジを締め直し、カバーを元に戻したら完了です。
窓の気密ピースの調整をしてみよう
クレセント錠の調整をしたら、同時に行っていただきたい作業があります。
それは窓の下にある「気密ピース」の調整です。
サッシの底にある気密ピースがゆがみ、隙間が生じると、レールの部分から隙間風が入り込んでしまうのです。
この部分は隙間風だけでなく、雨が入り込む原因にもなりますので、定期的な調整をするのが理想です。
ドライバーで簡単に行える作業なので、クレセント錠の調整と一緒に行ってください。
【気密ピースの調整】
①窓の下の方にある調節ネジを左に回して緩め、気密ピースを下へ下げてください。
②隙間がなくなったか確認してから、右に回して調節ネジを締めてください。
これだけで気密ピースの調整は完了します。
気密ピースは、室内側だけでなく、室外側にもありますので、忘れることなく両方調節を行ってください。
窓レールの隙間には隙間テープを貼ろう
これまでご紹介した窓サッシの調節を行っても、隙間風が改善されないこともあるでしょう。
その場合、窓自体が歪んでしまっている可能性が高いです。
業者に依頼して直すことが求められますが、大きな費用がかかるため、できることなら自分で対策を行いたいですよね。
そこでおすすめなのが「隙間テープ」です。
隙間テープは窓の隙間を埋めるための、厚い両面テープになります。
窓のレールに沿うようにして貼ると、サッシにできた隙間を埋めることができるため、隙間風の対策になるのです。
スポンジ状の柔らかい素材でできているため、サッシを傷つけることもありません。
昨今では機能的な隙間テープが多く販売されており、隙間風だけでなく、防音に特化したものや、断熱に特化したものまで販売しています。
さらに取り扱っているお店が非常に多く、ホームセンターはもちろん、100均ショップでも販売しているほど身近なものとなっています。
隙間テープの貼り方は非常に簡単で、テープの裏地を剥がしながら、少しずつレールの上の貼っていくだけです。
ポイントとしては、最初にきれいにレール掃除を行うこと、また、レールに貼る際に隙間ができないように慎重に貼ることです。
ここで新たな隙間ができると、そこから隙間風が入り込む原因となりますので、注意して作業しましょう。
初めて隙間テープを貼る方は、失敗してもいいように、安価な隙間テープから試してみるのも良いでしょう。
窓の隙間は早めに対策をとろう
窓に隙間があると、部屋に隙間風が入り込みます。
隙間風は室温を下げたり、音によるストレスを引き起こす原因となるため、早めに対策したいところです。
今回ご紹介した対策方法は、自分でできる簡単なものばかりになりますので、ぜひお試しください。
快適な空間で過ごすために、窓に隙間ができたら早急に対策をとりましょう。