新築の住宅ローンは慎重に!後悔しないための計画と想定

「夢のマイホーム」と言われる新築の購入は、人生の中でも最も大きな買い物です。

いざ新築を建てるとなれば、住宅ローンを組んで月々の返済を行っていきますが、将来的な資金の見通しが甘かったために、後悔してしまうというケースも少なくありません。

お金の問題は簡単に解決することはできないため、計画性のある購入が求められます。

この記事では、新築の住宅ローンで後悔しないための対策についてご説明していきます。

新築の住宅ローンに後悔!「子どもの教育費」も考慮しよう

新築購入のための住宅ローンでは、「将来設計」の見通しの甘さから後悔してしまうケースが多く見られます。

特に、将来的な家族計画を考えた場合、子どもの進学に関わる教育費など、成長とともに増えていく支出にも着目していかなければなりません。

ではまず、住宅ローンの返済に大きく関わる「子どもの教育費」について見ていきましょう。

子ども一人を大学卒業まで育てていくには、どのくらいの教育費用がかかるのかご存知でしょうか。

子どもが小さいうちは費用の支出も限られていますが、大きくなるにつれて教育費の負担は家計に大きく影響していきます。

進路によっても教育費は大きく異なりますが、幼稚園・保育園から公立高校までを想定した場合、教育費はおよそ504万円かかるとされています。

また、平成26年度に行われた「教育費負担の実態調査」によれば、国立大学(4年間)に必要となる教育費用は、およそ511万円と想定することができます。

つまり、幼稚園・保育園~国立大学における教育費は、高校まで一貫して公立の場合、約1,000万円かかることが分かります。

ちなみに、高校や大学が私立になった場合、さらに1,000~1,500万円が上乗せされ、2,500万円ほどかかってきます。

ただし、これはあくまでも見込みであるため、例えば医大など、様々な進路パターンによって教育費用が上下します。

また、それに加え、その他養育費なども考慮しなければならないため、子どもを一人育てるための費用は決して軽視することはできません。

したがって、住宅ローンを組む際は、これらの子どもの教育費についてもしっかり想定し、検討していくことが求められます。

新築のローンが困難に!「収入」に対する甘い予測で後悔

新築購入に伴う住宅ローンの後悔には、今後の「収入」に対する予測を甘く見ていたことも挙げられます。

例えば、将来的な給与の上昇を予想して、新築購入に踏み切るケースがありますが、その予想に反して、実際はなかなか昇給せず、ローンの完済が引き延ばしになる方もいます。

また、定年まで仕事を続けられずに退職してしまう場合もあり、ローンの完済が困難になってしまうケースも少なくありません。

さらに注意したいのは、ローンの「ボーナス払い」です。

住宅ローンは、返済期間に応じて月々に同じ金額を返済していくわけですが、それに加えて、ボーナスが支給される月だけ返済額を増やす「ボーナス払い」があります。

なぜ注意が必要なのかと言えば、ボーナスは基本的に景気動向や企業業績の影響を受けやすいからです。

つまり、現段階ではボーナスが支給されていても、今後の景気や企業業績次第では「支給されない」という事態も起こりえるわけで、仮にボーナスがストップしてしまえば、ローン返済も滞ってしまいます。

そのため、収入に対する安易な予測で返済計画をすることは避け、あらゆるケースを想定した上で新築購入の検討をしていくことが重要です。

税金のことも想定しないと後悔する

新築購入における後悔談では、ローンの支払い以外にかかる費用を想定していなかったケースも少なくありません。

と言うのも、新築購入時は多額な住宅ローンにばかり関心が集中してしまい、その家に住み続けるための維持費に対して盲点になる傾向にあります。

まず、家の維持にかかるローン以外の費用には、主に「税金」「保険」「メンテナンス」の3つがあります。

では、まずは「税金」について見ていきましょう。

・固定資産税

その年の1月1日時点で、土地や家屋を所有している人に課せられる税金です。

税率1.4%と固定資産評価額をもとに、以下のように算出されます。

【固定資産評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)=固定資産税】

一般的な目安としては、建築費用の60~70%と見ておけば良いでしょう。

・都市計画課税

その年の1月1日時点で、市街化区域内に土地や家屋を所有している人に課せられる税金で、市町村が課税する地方税です。

制限税率の上限は0.3%とし、「固定資産税評価額×0.3%=都市計画課税」と求めることができますが、全ての市町村で課税されるわけではありません。

また、建物の評価額は経年に伴って減価するため、それに応じて税額が変わることを覚えておきましょう。

保険とメンテナンスも後悔するポイント

続いて、新築購入時のローン以外にかかる家の維持費としては、「火災保険料・地震保険料」もかかってきます。

火災保険料はその内容によっても異なりますが、目安としては火災保険単独で年間10,000~20,000円がかかり、さらに地震保険料は火災保険とセットにする形で契約が必要になります。

日本は地震や災害への懸念が強い土地であるため、特に地震・災害が起こりやすい地域では、これらの保険加入の検討が求められます。

また、住宅ローンを利用する場合、被災してローン返済ができなくなることを防止するために、火災保険の加入を義務付けられることもあります。

さらに、3つ目の家の維持費として、「メンテナンス費用」が挙げられます。

一戸建て住宅では、10~20年を目安に、外壁・屋根・水回りなどのメンテナンスが必要になります。

家の規模にもよりますが、1度のメンテナンスでおよそ100万円はかかると考えておきましょう。

以上のように、新築購入時には、住宅ローン以外にも家の維持費とする「ランニングコスト」を踏まえておくことが大切です。

「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、「税金」「保険」「メンテナンス」の3つはよく覚えておいてください。

新築購入でローンを組む前に!抑えておきたい2つのポイント

これまでに、新築購入に伴うローンの計画的返済について、後悔談をもとに詳しく見てきました。

では、これらのことを踏まえ、住宅ローンを検討する場合に大切な2つのポイントをご説明していきましょう。

①頭金はできるだけ多めに

住宅ローンを組む際、まず必要になるのが「頭金」ですが、より多い頭金を用意することが望ましいです。

と言うのも、まとまった頭金が用意できれば、ローンの借入額を減らすことができると同時に、ローンの利息を減らすことにも繋がります。

ちなみに、頭金の全国平均額は、およそ500万円とされています。

②適切なローンの借入

ローン返済地獄に陥らないためにも、住宅ローンの借入は適切な金額であることが重要です。

子どもの教育費や収入に対する安易な予測は避け、できるだけシビアな資金計画をしていきましょう。

理想的な借入額としては、年間返済額が総年収の20~25%であることで、以下の計算式で求めることができます。

・年間返済額÷額面年収×100

上記の式を参考に、ローンは必ず無理なく返済できる借入額にしましょう。

以上の2つのポイントは、住宅ローンを組む上では非常に重要です。

資金計画に関する失敗は、将来的な家庭の存続にも関わるため、契約前には慎重な検討をすることが大切です。

子どもの教育費をしっかり確保!住宅ローンに影響させない貯蓄方法とは

新築を建てるために住宅ローンを組む上では、収入や家族計画を見通した「将来設計」が重要になることが分かりました。

家族計画においては、前述した通り、「子どもの教育費」を想定しておくことが重要ですが、子どもの幅広い選択肢を確保するためにも、ある程度余裕を持った資金計画をしなければなりません。

では最後に、住宅ローンの支払いで後悔しないために、子どもの教育費をしっかり確保していく方法を見ていきましょう。

まず、堅実で王道な方法は、子どもが生まれたら、もしくは子どもが生まれる前からコツコツと貯め始めることです。

しかし、これは言葉では簡単ですが、何かと使い込んでしまうケースも出てきてしまうわけで、人によっては「自力の預貯金」は容易ではないと言えます。

そこで、確実に教育資金を確保するために、「学資保険」を活用する方法があります。

「学資保険」とは、子どもの教育費をカバーする貯蓄型保険で、子どもが学校に進学する際に学資金を貰うことができます。

貯金と違うポイントとしては、主に以下の2つが挙げられます。

①高い返戻率

貯蓄型の学資保険のため、高い返戻率であれば受け取る金額も多くなります。

元本よりも増やす手段としては向いていませんが、安全かつ確実に資金を確保することが期待できます。

②強制的な貯蓄スタイル

強制的に貯蓄をしていくスタイルなので、計画的に確実な資金確保が望めます。

ただし、長期的な支払いが難しくなり、「途中で解約せざるをえなくなる」=「元本割れを起こす」リスクもあるため、月々の保険料は余裕のある設定にするのが良いでしょう。

以上が貯金とは異なる点ですが、学資保険には死亡保障や固定金利などのメリットもあります。

自力でコツコツ貯金できれば越したことはないですが、それが難しい場合は学資保険を検討してみるのもおすすめです。

家庭のスタイルに合わせたローンを組もう

夢のマイホームを購入したことで、将来的な生活が苦しくなっては本末転倒です。

住宅ローンで後悔しないためには、家庭の収入や家族計画に合わせた将来設計をした上で、検討していくことが大切です。

万が一、住宅ローンの支払いが困難になった場合は、相談センターや不動産会社などの専門窓口で相談してみてくださいね。