マイホームを建てるというのは、人生における重大な決断の1つです。
特に新築の注文住宅などの場合、費やす時間も費用も膨大で、入居後数十年にも渡る住宅ローンを組んで費用を捻出する人も少なくありませんよね。
しかし、そうまでして建てた夢のマイホームで、トラブルに遭遇したらどうすればよいのでしょう。
今回は、経験者のブログなどから、トラブルの内容とその対策を探っていきましょう。
新築住宅に最も多いトラブルは施工ミス
ネットで検索すると、新築マイホームの建築過程などをブログに載せている人は、結構います。
もちろん家族にとっての一大イベントですから、記録に残そうという人も多いでしょう。
ただ、そこに綴られているのは、家を建てた喜びだけではありません。
多くの場合、大なり小なり、何かのトラブルに巻き込まれた経験談などが述べられています。
中でも、施工ミスはほとんどのブログで取り上げられているほどです。
某ハウスメーカーで家を建てた方のブログでは、サイディングがあちこち欠けていたり、クロスのキズや凹凸、照明やLANの不具合まであったそうです。
地元の大手工務店で施工した方のブログでは、なんとシューズクロークが逆の位置に付いていたり、窓枠の色が指定と違っていました。
また、玄関モニターの操作盤にニッチが施されていないなど、施主の意向が伝わっていない施工ミスが多々あったそうです。
施工までの段階で、普通は営業マンや設計士などと何度も打ち合わせをし、施主は細かな意向を伝えています。
それが、現場の大工さんや職人さんに全く伝わっていないということですね。
このような、営業マンの不手際、もしくは情報共有できていないがための施工ミスが多くあるというのですから驚きです。
ブログには基礎の高さまで間違うトラブル例も!
施工ミスのトラブルは、営業マンや現場監督などにきちんと伝えて修繕してもらわねばなりません。
ただ、簡単な工事で済むものもあれば、壁や天井を剥がさなければならないような大掛かりなものもあります。
そうなると、タイトな日程を組んでいるような場合、入居日に影響が出ることもあります。
また、施主と施工業者の間で言った言わないということになると、クレーマーのように扱われかねません。
そこで、施工に関する細かい意向については、設計図に書き込んでコピーを双方で持っておいたり、打ち合わせ内容を録音しておくなどの工夫が必要です。
また、希望する施工内容を細かく書いて先方に手渡すことも有効です。
証拠があれば、施工業者も補修しないわけにはいきませんね。
心構えとしては、決して施工業者任せにせず、ちょっとうるさい施主くらいに思われていた方が、結果的には満足のいく結果が得られるでしょう。
また、大手で有名なハウスメーカーだからといって安心はできません。
ある新築注文住宅の施主のブログでは、大手ハウスメーカーが基礎の高さを15センチ高く間違えて施工したそうです。
このように、普通では考えられないことが起こることもあるのです。
ブログから学ぶ見た目にわからない入居後のトラブル
他にも、雑な施工による二次被害のトラブルに悩む例があります。
床下に床冷暖房システムを導入したお宅の例ですが、新築後数ヶ月でダンゴムシやゴキブリが大量発生したそうです。
専門業者に調べてもらったところ、床下の発砲ウレタンの埋め方が雑なせいで、隙間ができており、虫の侵入路になっていたようです。
そして、床下冷暖房のせいで温かかったため、害虫の巣窟になっていたという訳です。
また、虫以外にも家の中である部屋だけが異常に暑いという状況にも悩まされていたそうです。
これも、なんと床下冷暖房のダクトが継ぎはぎになっていたことが原因だったとのことでした。
ブログではその後の対応は述べられていませんが、施工不良が原因なら、早急に施工業者に連絡し、対応を求めなくてはなりません。
新築住宅には、法律で10年以上の保証期間を設けることが義務付けられています。
ただ、基礎や構造躯体に対する保証が主で、設備に関しては業者によって異なります。
そこで、専門業者などに証明となるものを取り、取り急ぎ施工業者に対応を求めましょう。
施工業者によっては、有料で設備保証に加入できるところもあるため、検討すべきかもしれませんね。
新築施主と昔からの住民とのご近所トラブルとは
さて、これまでは家自体の施工に関するトラブルをご紹介してきましたが、忘れてはならないのがご近所の存在です。
あるブログに、30年ほど前に分譲された住宅地の一区画を知り合いから譲り受け、そこに新築住宅を建設した際のトラブルが掲載されていました。
内容は、購入した土地の北側に隣接する昔からの住民との間に起こった日照権と境界線のトラブルです。
そもそも、土地の境界杭が北側の住民の庭の中に入り込んでいたことが原因なのですが、建築途中その住民から次のようなクレームが入ったのです。
ブログ主の家が、境界から1メートル離して建物を建てるという建築協定に反していて、非常に日当たりが悪くなったので、建て直せというものです。
しかし、法律的に見てブログ主は境界線から1.2メートル離して家を建てており、日当たりに関しても建て直しを言われるほどの影響ではありません。
さらに、工事がうるさいと嫌がらせをしたり、悪質なビラまでまかれたと言います。
交渉事は聞く耳も持たず、竣工に当たって施主確認の必要な境界杭の確認さえさせてもらえないというのです。
このように、せっかくマイホームを建てたのに、入居前からご近所さんとトラブルになるのは、誰しも避けたいものです。
新築住宅は土地選びも大切なポイント
ちなみに、前述のブログの施主はなかなか冷静に、実に粘り強くトラブルに対応されています。
施工業者の営業マンも信頼のおける人で、施主に替わって設計士と共にご近所さんとの交渉に何度も足を運ばれました。
そして、法律的な問題がないことは受け入れてもらったそうです。
また、日照権に関してもビデオを撮影するなどして、実際はどうなのかという証拠を残す努力もされています。
まだ解決には至っていないようですが、不条理なご近所さんにも毅然と対応する姿勢には感心させられます。
ただ、できることならこのような土地は避けた方が無難かもしれません。
なぜなら、周囲を昔からの民家に囲まれ、その間に建物を建てるのですから、既存のコミュニティにとっては闖入者でしかないからです。
また、新築の立派な家は、それだけで周囲の嫉妬を買います。
対策としては、少なくとも土地を選ぶ際に、近隣住戸との境界線に問題がないかどうかをしっかり確認することが必要でしょう。
また、そこに家を建てた場合、なんらかの影響が出そうなお宅に関して、情報を得る努力も大切ではないでしょうか。
地域の不動産屋さんや町内会長さんなどなら、情報を持っておられるでしょうから、足を運んでみてもよいのではないでしょうか。
ブログを参考にまずは優良な業者選びを
ところで、このような新築住宅に関するトラブルを避けるためには、まずよい施工業者を見極めることが大切になってきます。
私自身、新築購入ではありませんが、リフォーム時に業者による違いを実感しました。
インターネットで見積もりを取り、そこから対応がよく見積もりも妥当な業者を数社選んで、現地見積もりに来てもらいました。
その際、先に選んだにも関わらず、物件に対する扱いが粗雑な業者や、知識や配慮の足りない業者もありました。
その中から、知識と経験が豊富で、素人では気付かないことまで先回りして配慮してくれる業者を選んで、非常に満足いくリフォームをしました。
営業マンは、仕事で日中動けない私に替わって、ご近所さんに工事の挨拶や承認作業までも行って下さり、すべてスムーズに運びました。
このような信頼できる業者であれば、そもそも問題のある土地を売りつけたりしないでしょう。
ブログには、施工業者のランキングや、住宅購入経験者の体験談もたくさん載っています。
それを見ると、大手だから安心とは決して言えませんし、しっかり下調べをした上で、是非多くの業者さんを訪れてみて下さい。
そして、信頼できる業者さんと出会うチャンスを掴んでいただきたいものです。
納得のいく新築マイホーム造りのために
展示場などで、デザインに一目ぼれして住宅を選ぶ人がいます。
それも1つの選び方ですが、写真などがあれば設計事務所系の施工業者でもデザインはしてもらえます。
ただ、担当者の人柄、ひいては施工業者の信頼性は真似できるものではありません。
ある程度の絞り込みはブログなどを参考にしていただければよいでしょう。
しかし最後は自分の足で業者を訪れて、マイホーム造りのよきパートナーと出会っていただきたいものです。