住宅を新築する際に、外壁のデザインで悩まれる方は多いでしょう。
印象を一番に左右する外壁だからこそ、失敗したくはありませんよね。
そこで今回は、外壁の種類や特徴などをわかりやすくご紹介しながら、選び方のポイントと最もおすすめしたい外壁についてもお話ししていきます。
住宅における外壁の役割とは?
住宅の印象に一番影響を与えるのは、外壁のデザインや色といっても過言ではないと思います。
そのため、新しくマイホームを建てる場合にまず悩むのが、その外壁のイメージではないでしょうか。
失敗してもすぐには取り返しもつかないので、余計に外壁選びには慎重になってしまいます。
しかし、外壁は本来、「雨・紫外線」などから家を守るという大切な役割もあるのです。
単純に好きな色やデザインで選ぶのではなく、「遮熱・防水・防音」についても考慮しながら、外壁を選ぶことも大切となってきます。
昨今の外壁材メーカーでは、さまざまな機能を付加することで、種類もより豊富となってきました。
そこで、次の項では外壁を選ぶ際に大切な機能とおすすめのポイントをいくつかまとめましたので、お伝えしていきます。
住宅の外壁を選ぶおすすめのポイントとは?
先述しましたように、各外壁材メーカーからは、さまざまな機能を持った外壁が販売されています。
その主な付加機能をみていきましょう。
〇遮熱・遮断機能(外部から受ける熱を減らし、内部の熱が外部に逃げるのを防ぐ)
〇防音機能(外部の音を聞こえにくくし、内部の音が外部に漏れるのを防ぐ)
〇親水機能(静電気の発生・汚れを付着しにくくして、雨水で汚れが落ちやすいようにする)
〇光触媒機能(太陽光が当たることで、汚れを分解し、外壁自体に汚れを付きにくくする)
住宅を建てる立地や、その地域の気候によっても付加しておきたい機能も変わってきます。
それらのことも、外壁を選ぶポイントとして覚えておきましょう。
もちろん、印象を大きく左右するデザインや色を選ぶことも大切です。
デザイン・色に関しておすすめしたいポイントは以下のとおりです。
〇植栽・玄関のイメージも含めて考える
〇周辺の環境や景観
〇家族の好み
〇コスト面
外壁の主な種類とおすすめの特徴をご紹介!
細かく分けると外壁の種類は大変多くなりますが、大きく分けると「タイル」「サイディング」「塗り壁」の3種類に分類されます。
(その他にも、各ハウスメーカーや工務店で扱う特殊な外壁材もありますが、本記事では一般的なこの3種類についてご紹介していきます)
まず1つめは「タイル」を使った外壁です。
粘度・石・土などの素材を高温で熱し固めてできたタイルを、外壁に張り付けて施工していきます。
3種類のなかでは一番高価で、コスト面での初期投資が最も大きくなります。
しかし、耐久性に優れていて傷などにも強く、タイルそのものはほぼ劣化しないといわれています。
そのため、メンテナンスコストに関しては最も低くなります。
しっかりと厚みもあり、高級感を出したいという住宅にはおすすめです。
サイディングとはどんなもの?
2つめは「サイディング」と呼ばれる外壁です。
サイディングのなかでも主な種類としまして、「窯業系(ようぎょうけい)サイディング」「金属サイディング」「金属サイディング」があります。
「窯業系(ようぎょうけい)サイディング」とは、セメント質と繊維質を混ぜたものをベースとしています。
サイディングのなかでもよく使われているタイプになります。
「金属サイディング」とは、金属をベースとしているため、窯業系よりも長持ちする特徴があります。
デザインは金属のため無機質なイメージですが、あえてモダンな雰囲気を出したいときなどにもよく使われています。
「木製サイディング」とは、木をベースとしているため、自然な風合いを楽しめますが、劣化や色褪せが早いという特徴があります。
全体的にタイルよりもコストは安く、使いやすいのも特徴です。
素材・カラーバリエーションがかなり豊富なので、デザイン性に優れた住宅を求めている方にもおすすめです。
軽いので耐震性にも優れていますが、その他の付加機能も豊富です。
しかし、タイルに比べると色褪せなどが発生しやすく、10~25年ほどで塗装などメンテナンスを行う必要があります。
また、目地の部分に関してはさらに劣化は早いのでメンテナンスコストはタイルの外壁よりはかかってくるといえます。
塗り壁について知ろう!
最後にご紹介するのは「塗り壁」です。
塗り壁は、モルタルや漆喰・土・植物などの他にも、さまざまな天然素材を塗って仕上げた外壁です。
断熱性・保温性・調質効果など、仕上げによる表情を出すことができます。
また、天然素材のため体にも地球にも優しいといえます。
古くから伝わる伝統的な外壁で、味わい深い雰囲気を求めている方には特におすすめです。
しかし、施工が難しくその技術が仕上がりを大きく左右します。
そのため、近年では職人不足といわれています。
乾くまでにも時間がかかるため、おのずと工期も長くなるのも特徴です。
3種類のなかでは一番コストも安くカラーバリエーションも豊富ですが、ひび割れなど劣化が早くメンテナンスが最も必要となってきます。
最近の木造住宅でよく使われている「外壁通期工法」という作り方をしている住宅の場合には、この塗り壁は不向きとなります。
おすすめしたい最も主流な住宅の外壁とは!?
さて、ここまで外壁の種類・特徴などについてお話ししてきましたが、このなかでも特におすすめしたい住宅の外壁についてさらにお話ししていきます。
その外壁材は「サイディング」です。
メンテナンスを含むトータル費用、デザイン性などを考えると数年前までは「タイル」がおすすめの外壁とされていました。
しかし、使い勝手の良さを持つサイディングが普及をしてくる過程で、大きく進化も遂げてきたのです。
その主な進化とは「耐久性」「高級感」「防火性」です。
「耐久性」では、タイルにまでは至らないものの、傷に強く色褪せもかなりの期間防げるよう塗膜技術が進歩しました。
「高級感」では、厚みをしっかりと出し、タイルなみの凹凸を出すタイプも選べるようになりました。
「防火性」では、防火地域にも使えるようにレベルアップしたサイディング材も多くなりました。
このように、今までデメリットとして挙げられていた部分を補い、メリットはそのまま残したことがサイディング材の人気へとつながり、また最もおすすめできる外壁となりました。
さらに、サイディング材は各ハウスメーカーをはじめ、天然木を使っているのに長持ちするサイディングなど、どんどん新しいものが登場しています。
また、弱点といわれ続けた「目地・シーリング」の技術についても進歩してきているようなので、今後も注目です。
後悔しない住宅のための外壁選び
外壁を選ぶための判断材料をご紹介してきましたが、まだ悩んでいる方は多いと思います。
しかし、なかなかすぐには決められなくて当たり前なのです。
家の外観や印象は、外壁ひとつで大きく変わります。
「外壁の機能・デザイン・特徴・費用・メンテナンス性」などを主なポイントとし、じっくりと考えていきましょう。