マンションに住むと、別途管理費が発生します。
一戸建て物件とマンションのどちらを購入するか迷っている方は、マンションにのみ発生する管理費を「もったいない費用だ」と感じる方が多くいらっしゃいます。
しかし、管理費は必ずしももったいない費用ではありません。
そこで、一戸建て物件購入時と比較しながら、分譲マンションにおける管理費の必要性をご紹介します。
管理費がもったいないと感じるのは使用用途がわからないから
基本的に管理費は、マンションの共有部分に使用される費用です。
こういった費用は、自分が日常生活で使用する室内に対して直接的な影響はありません。
他の住人のためにも使用されています。
その結果、「管理費はもったいない」という心理が働いてしまうようです。
しかし、外へ出かける際には皆、綺麗に掃除が行き届いた共有部分を通ります。
一戸建て物件でいう玄関や門にあたりますね。
その他、マンションの防犯カメラや、オートロックなどのセキュリティー機能のおかげで、住人は毎日安心して生活できます。
分譲マンションを購入したとはいえ、購入したのは住居部分のみで、建物全体ではありません。
もしマンションに管理費が存在しない場合は、こういった恩恵を受けることができません。
管理費は、自分の家庭にのみ使用される費用ではありませんが、意識せず管理費分のサービスを受けている場合がほとんどです。
マンションの管理費があると助かること
一戸建て住宅とは異なり、マンションでは外構部分や廊下、駐車場などの管理・清掃は不要です。
その他にも、マンションでは、エントランスや花壇などで、季節のお花や装飾を楽しむことができる点も嬉しいポイントです。
一般家庭では扱いが難しいような植物を置いている場合も多く高級感があります。
そして、オートロックや防犯カメラ、消化器、非常ベルなど、マンションには全て備え付けられ、マンションの管理組合や管理会社により管理されています。
個人でマンションと同じ性能のセキュリティー機能を一から準備すれば、大変高額になるでしょう。
また、マンションによっては、エントランスにスタッフが常駐し、荷物の受け取りや、クリーニングなど、個人的な依頼に対応してくれる場合もあります。
ホテルに住んでいるかのような快適な設備とサービスの中、生活できます。
もったいないと感じていた管理費は、こういった住人が快適に暮らすための費用として活用されています。
もったいないマンションの管理費を節約する方法
住居のサービス面に興味がない方は、マンションの管理費の使用用途を理解しても尚、もったいないと感じるかもしれません。
そういった方は、管理費が安いマンションを探すことをおすすめします。
分譲マンションの管理費は、管理規約により金額が決まります。
よって、住み始めてから管理費の金額を節約することは難しいでしょう。
特に、タワーマンションのような高級感を全面に出した物件は、管理費が高く設定される傾向にあります。
管理費が安いマンションは、管理人の常駐時間が短い、エントランスが狭いなど、不便な点はありますが、こだわりのない方には不要な管理・サービスですよね。
マンション購入時には、住居部分以外の共有部分やサービス内容もしっかり確認しておけば、納得のいくお部屋が見つかります。
自分が必要性を感じないサービスに管理費を払っていると、「管理費はもったいない」という印象から離れることはできません。
自分にとって必要性が高いサービスが充実しているマンションを購入することで、管理費の節約だけでなく、もったいないという感情も消し去ることができます。
管理費がないからと油断は禁物!一戸建て物件購入後に必要な費用
「一戸建て物件を購入した方が、もったいない管理費が必要ないからお得では?」と、マンションの購入を選択肢から外してしまう方もいるでしょう。
確かに一戸建て物件を購入すれば、管理費は1円も支払う必要がありません。
孫の世代まで同じ家に住みたいと考えている方は、一戸建て物件を購入した方が長い目で見るとお得な場合もあるでしょう。
しかし一戸建て物件では、月々の管理費の代わりに、個人貯蓄や様々な手間が発生します。
例えば、外構部分の清掃などは自分自身で行う必要があります。
外壁の塗り替えや、老朽化した部分が出てきた場合の修理など、全て自分で手配しなければなりません。
お庭が付いている物件の場合は、定期的に草引きなども必要です。
面倒だからと定期的に清掃業者に依頼するとなると、マンションの管理費より費用がかかる可能性も高いでしょう。
また、セキュリティー面においても、自分でどういった機能を付けるか考えて選び、一括または月々の費用を払う必要があります。
一戸建て物件に住めば、「管理費」として毎月固定費を支払う必要はありませんが、個人で計画的な積み立てをしておかなければなりません。
計画的な貯蓄が苦手な方は、マンションに住むことで月々の出費が安定するので、安心かもしれませんね。
もったいないと思っていたマンションの管理費は自然災害発生時に助かる
マンションの管理費は、住人が共有部分などを常に快適に使うための環境づくりに活用されています。
日々の暮らしの中では、あまり必要性を実感できないので、ついもったいないと感じてしまうかもしれません。
しかし、月々支払っている管理費や修繕費は、自然災害発生時に大活躍します。
万が一自然災害が発生し、建物のメンテナンスが必要になった場合、一戸建て物件は全て自分で対応する必要があります。
全額保険がおりないような場合は、大きな金銭的負担になるでしょう。
十分な貯蓄ができていない場合は、家を手放すことも検討しなければなりません。
マンションの場合は、共有部分のメンテナンスは管理費などから支払われる場合がほとんどです。
また、災害発生後の精神的な消耗が激しい状況の中、建物の修繕計画まで頭を回すのは大変です。
手続きや金銭面のやりくりなども全て管理組合が対応してくれるマンションは、万が一の災害発生時に大変心強いですね。
管理費を支払えば管理会社に住まい環境をお任せできる
管理費がもったいないかどうか考える際には、金額の大小だけでなく、手間の有無についても理解しておきましょう。
マンションの管理費は、自身の住居部分以外の整備を全てお任せできる点が大きなメリットです。
管理費を支払うことで管理や清掃などが不要になると考えると、忙しい方には嬉しいですね。
金銭的に余裕があり、個人での貯蓄が苦でなくとも、毎日仕事で忙しくて住居環境に手間をかけたくない方には、マンションの方が向いているかもしれません。
また、一戸建て物件であれば、「修繕が必要だな」と感じるタイミングが人それぞれ異なります。
外壁が汚れて老朽化が進み、建物の価値が下がっていても、気がつかない方もいるでしょう。
しかし、マンションであれば、汚れや危険な部分が目立つ前に、定期的な点検が行われます。
建物のメンテナンスに気を回さずとも快適で安全な暮らしができるのは、管理費を支払って管理組合に対応してもらっているおかげです。
マンションの管理費は必ずしももったいない費用ではない
管理費はマンションを快適かつ安全な環境に保つ費用であり、決して住人に関係のない、もったいない費用ではありません。
一戸建て物件を購入する場合も、管理費として徴収はありませんが、個人での貯蓄や個々の対応が必要です。
自分が住居環境に求めるポイントや、貯蓄の得意不得意などをよく検討すれば、管理費支払いをもったいないと感じることはなくなります。
管理費の使用用途をしっかり理解し、自分の求めるものと合致した住居を選びましょう。