分譲マンションで快適に!管理人が知るクレームから学ぶこと

マンションは、多くの世帯が共有で生活する住まいです。

そのため、トラブルに見舞われるケースもあります。

そのトラブルとはいったいどのような内容なのでしょうか。

自身がトラブルに巻きこまれないためにも、マンションの管理人によせられるクレームについて、住人側も把握しておきましょう。

マンション管理人の仕事とは

マンションの管理人の仕事は、マンションの住人が快適に過ごせるように、建物の点検や管理を行うことです。

廊下やエントランスの電気が切れていないかの確認や、エレベーターや自動ドアの安全確認、万が一の消防設備などの点検を行っています。

他にも、ゴミ置き場の清掃、設備の修理や補修、マンション管理組合からのお知らせの報告、掲示、連絡業務なども管理人が請け負っています。

そして、クレームの対応も管理人の業務となります。

また、マンションには多種多様な家族構成、価値観の住人が住んでいるので、管理人には人生経験の豊富な中高年が活躍しているケースが多いです。

特に資格が必要なわけではありませんが、「マンション管理検定」という民間の検定があります。

他にもマンション管理士や管理業務主任者という国家資格がありますが、こちらは合格率が20%未満の難易度の高い検定になります。

これらの資格を取得すると、管理人を指揮、または指導したり、マンションの維持管理のコンサルティング業務まで担当することができます。

クレームが発生した際は管理人に言えば解決するのか

まずは、マンションの組織の仕組みを理解していきましょう。

マンションは、管理組合から委託された管理会社が管理しています。

しかし、マンションの中に管理会社のオフィスがあるわけではありませんよね。

マンションに常駐しているのは管理人です。

そのため、クレームが発生した場合には、窓口として住人は管理人に相談するでしょう。

しかしながら、管理人は管理会社から雇われた人材であり、なかには派遣会社から送られてきているというケースもあります。

つまり「管理人に相談してその場で解決」とはなかなかいきません。

管理人は、一日の業務やクレーム対応の内容など、すべてを管理会社に報告する義務がありますので、最終的には管理会社からの指示を仰ぐ形となるでしょう。

もしも、管理人に相談しても状況が変わらない場合は、直接管理会社に連絡することも必要です。

それでも改善しなければ、管理組合に相談して管理会社を変えることもひとつの方法です。

マンションでリノベーション!騒音トラブルのクレームを避けるためには

マンションの管理人がもっとも多く受けるクレームとして、騒音トラブルがあります。

例えば中古のマンションをリノベーションして、畳や絨毯をフローリングに変える方は多いでしょう。

その際には、新しく施工されるフローリングの材質が、遮音機能に優れているものを選ぶようにしてください。

なぜなら、フローリングの材質によっては、足音や、子供が床におもちゃを落とす衝撃、ペットが歩く時の爪の音まで下の階に響く場合があります。

他にも、夜中の洗濯機や掃除機の稼働音、テレビの音量にも注意しなければなりません。

この類の騒音で、裁判までもつれた例では、慰謝料30万円という判決が下ったケースがあります。

このように、騒音トラブルに巻きこまれないためにも、日頃から生活音には気を付ける必要があります。

フローリング材の上に絨毯やマットを敷くだけでも、衝撃を吸収してくれます。

もしも、万が一騒音問題で悩んでしまった場合は、当事者同士で交渉しないようにしてください。

大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。

必ず、管理人に相談するか管理会社に連絡しましょう。

部屋の不具合のクレームの場合はどこに言えばいいの?費用は?

部屋の不具合に関しては、引き渡し後のアフターサービス期間が決められていることが多いため、新築マンションを購入したのか中古マンションを購入したのかによっても変わってきます。

基本的に、アフターサービス期間内の部屋の不具合については、管理会社は関与していないため、クレームを伝える先は、管理人ではなく売主にする必要があります。

したがって、契約時に渡されたアフターサービスに関する書類を一度確認しましょう。

よくある勘違いとして、分譲マンションの売主のグループ会社と管理会社が同じ系列なのではないかと考える人がいますが、管理会社と売主は別の契約関係にあることを理解しておきましょう。

新築であれば、必ずアフターサービスの保証はついていますし、中古マンションであれば、売主が不動産会社であれば2年までの保証が認められています。

気を付けなければいけないこととして、個人が売主である場合の中古マンションは、保証がつかない契約というケースがあります。

これらを念頭に置いて、部屋の不具合があった場合は、管理人ではなく売主に連絡をしましょう。

ペット可のマンションで多いクレームとその回避法

ペット可の分譲マンションでは、頻繁にペットに関するクレームを受けるという管理人の声が目立ちます。

それは、鳴き声による騒音や、抜け毛やにおいによるものです。

なかには裁判にまで発展した事例もあるため、大切なペットと心地よくマンションで生活をするためには、以下の事項に気をつけましょう。

・専有部分以外では抱きかかえるなどの配慮をしましょう。(盲導犬を除く)

・バルコニーで、排尿、排便、ブラッシングをするのはやめましょう。

・飼育頭数が増減した時は、理事会に申告しましょう。

・予防注射などの健康診断は定期的に受けましょう。

・無駄吠えに注意し躾をきちんとしましょう。

これらのことを守り、他の住人に不快な気分を与えないように注意することが大切です。

実際にこのようなトラブルが続き、もともとはペットが可のマンションがペット不可という条件に変わってしまったこともあるようです。

管理人も悩んでいる!悪質クレームの対処

マンションには、いろいろな考え方の住人が住んでいるので、管理人はさまざまな対応を求められます。

しかしながら、なかには悪質なクレームをしてくる住人もいます。

そのようなクレーマーというのは、管理人や管理会社だけでなく、理事会、住民、工事会社と対象を選ばないので、どこに火の粉が飛んでくるかわかりません。

区分所有法第57条によると、「共同の利益に反する行為の停止等の請求」ができるとされており、そのクレーマーの行動の停止を求めることができます。

それには、今までのやりとりを記録におさめておく必要があります。

このように、証拠集めをしておくことや、管理組合や管理会社が日頃から連携をとっておくことが重要なことになります。

また、マンションを決める際には、管理組合や理事会組織がしっかりと機能しているかどうかを見極めることも、いいマンションを選ぶ重要なカギとなります。

マンションで快適な暮らしを送ろう

マンションには、あらゆる年齢層の多様な家族がいます。

その中で、心地よく暮らしていくには、お互いに気を付けるべき点は注意し、マナーをもって暮らしていくことが大切です。

そして管理人が請け負える事項にも制限があることを念頭に置き、状況によっては管理会社に直接連絡をいれるなどして問題解決に取り組んでみてください。