マンションで生活していて、玄関ドアの調子が悪いと感じたことはないでしょうか。
ドアが故障した場合、どの部分が壊れているのかを見極めてから修理をする必要があります。
また、ドアは「自分で修理できる」場合と、「業者に修理を依頼する」場合のどちらかになります。
今回は、自分でできるドアの修理の方法と、業者に依頼した際の修理費用の負担などについて、くわしくお話ししていきます。
マンションのドアの故障で多い「ラッチ」とは?
マンションのドアが「閉めづらい」「閉まらない」、または「閉めたドアが開かない」などの症状が出たら、故障しているサインになります。
ドアの故障で最も多いのは、「ラッチ」と呼ばれる部分です。
ラッチはドアノブのすぐ横についている、三角の形をした留め金のことを指します。
ドアノブと連動しており、ドアノブをひねることでドアの内部に引っ込む仕組みになっています。
ドアを固定するためにはラッチは必須であり、ドアを閉めた状態で壁側のラッチ受けにラッチがしっかりとはまることで、ドアが勝手に動くことがなくなります。
ドアを開ける時は、ドアノブをひねってラッチをドア内部へに引っ込めて、開けることになります。
このように、ラッチは重要な部分ですが、ドアの開閉時にぶつけたり衝撃を受けることが多く、故障しやすい部分でもあります。
何度もドアの開閉を行うことで、ラッチとラッチ受けのかみ合わせが悪くなり、ドアが閉まらなくなったり、閉まりづらくなることへ繋がるのです。
しかし、ラッチ部分のみの故障であれば、自分で修理することが可能なため、後述の修理方法を覚えておくと良いでしょう。
ドアのラッチを自分で修理しよう!
マンションで生活していると、玄関ドアは1日に何度も開閉しますよね。
ドアの開閉によってラッチの位置がずれると、ラッチ受けとうまくかみ合わず、ドアがスムーズに閉まらなくなってしまいます。
しかし、ラッチはドライバーがあれば、自分で修理することが可能です。
以下で修理方法をご紹介しましょう。
①ドアノブを外す
ラッチとドアノブは連動しているので、まずはドアノブを取り外す必要があります。
ドライバーを使ってドアノブを先に取り外しましょう。
②ラッチを外す
次に、ラッチ部分をドライバーを使って取り外します。
ラッチプレートが付いている場合はまずそちらから取り外し、最後に三角の形をしたラッチ部分を取り外します。
③ラッチの確認
ラッチの状態を確認します。
汚れやほこりが付着している場合はきれいに取り除き、再び取り付けて下さい。
また、ラッチが破損している場合は新しいものへ交換する必要があります。
同じタイプのラッチをホームセンターなどで購入し、取り付けましょう。
上記の方法で故障の改善が見込めない時は、ドア自体に不具合が生じている可能性があります。
専門業者に相談してみましょう。
ドアのラッチは潤滑剤でも修理できる?
ドアノブをひねっても、ラッチが出っぱなしの状態で、ドア内部に収まらないことがあります。
こうなると、ドアを閉めることができません。
この場合、前項のように修理をしなくても、「潤滑剤」を使用すれば、ラッチが正しく機能する可能性があります。
なお、使用するのは潤滑剤であって、潤滑油ではないのでご注意ください。
潤滑油は油をスプレーするタイプのため、ラッチ内部にほこりが付着しやすくなってしまいます。
一方の潤滑剤は、粉をスプレーするタイプになるため、ラッチ内部にスプレーしても問題ありません。
潤滑剤をかけることでラッチの動きが良くなり、スムーズに動くようになるでしょう。
また、家に潤滑剤がない場合、鉛筆の芯でも代用できます。
動きの鈍い場所に、芯をこすりつけてみてください。
このように手軽な方法であれば、自分で修理するのに抵抗がある方や、マンションが賃貸の方でも試すことができるでしょう。
ドアがうまく閉まらないという方は、ぜひお試しください。
ラッチのほかに考えられるドアの故障原因は?
マンションのドアが故障するのは、ラッチだけが原因ではありません。
ほかにも考えられる原因があるため、以下でご紹介しましょう。
●蝶番のゆるみ
ドアとドア枠をつなぐ金具を蝶番と呼びます。
長年のドアの開閉により、この蝶番がゆるんでくると、ドアの高さがドア枠と合わなくなり、正しくドアが閉まらなくなってしまいます。
蝶番の不具合は、ほとんどの場合ネジのゆるみによるずれになります。
ネジのずれはドライバーを使えば自分で修理することが可能で、ゆるんでいるネジをすべて締め直せば、正しい高さにドアを持ってこれるでしょう。
●ドアやドア枠の変形
ドアに何かをぶつけたり、地震などが原因で、ドアやドア枠が変形してしまうことがあります。
ほんの少しの変形でもドアは閉まらなくなってしまうため、ドア自体の交換が必要になります。
マンションのドアが故障!業者による修理費用の負担はどうなる?
マンションのドアが故障した時、自分では修理できないと判断したら、専門業者に修理を依頼することとなります。
この時気になるのは「誰が修理費を負担するのか」といった点でしょう。
賃貸マンションの場合、ドアが壊れた理由が「借主が原因」か、「経年劣化」によるものかで、その負担を担う側が決まります。
借主の過失によりドアが故障してしまった場合は、修理費用の負担は借主となります。
一方、経年劣化によるドアの故障の場合は、貸主の負担となります。
自然と壊れてしまったマンション内の設備に関しては、基本的に貸主側の負担となりますが、対象となる設備などは、契約時に交わした契約書に記載されているはずです。
また、経年劣化によるドアの故障が起こっても、勝手に業者を呼ぶようなことをしてはいけません。
借主の独断で進めると、修理費用を負担してもらえないかもしれません。
ドアが故障したら、まずは契約書に則った先に連絡を入れ、指示を仰ぎましょう。
マンションの部屋の気密性が高いとドアが開かなくなる?
まれに、「故障していないのにマンションの玄関ドアが開けにくい」という声を耳にします。
特徴としては、「ドアが重く感じる」、「鍵がかけづらい」などがあげられます。
それは、実はドアの故障ではなく、部屋の気密性の高さが原因かもしれません。
気密性が高いと聞くと、断熱効果が高いという良い印象で考えがちですが、窓やドアが非常に開けづらい状態になってしまうことがあるのです。
これは部屋の中の気圧が外よりも低いと起こる現象で、たとえばパックジュースなどを飲む時に、ストローでパック内の空気を吸うと、ペコっとへこみますよね。
これはつまり、パックの内側に引っ張る力が発生しているということです。
それと同じで、部屋の中の空気が少なくなっていると、内側に引っ張る力がかかるので開けにくくなるのです。
この場合修理などは必要なく、窓を開けて空気を部屋に取り入れたり、吸気口が閉まっている場合は開けておきましょう。
それでも改善されなければ、レンジフードを「弱」で回して様子を見てください。
ドアを開閉してみて、閉まりづらさを感じなければ、気圧は正常に戻ったということになるでしょう。
マンションのドアは自分でも修理できる
マンションのドアの調子が悪いと感じたら、ラッチや蝶番が正しく動いているか確認してください。
それらに不具合が起こっていたら、ドライバーを使って自分で修理を行いましょう。
また、それ以外の理由でドアが壊れている場合は、業者に修理を依頼することとなります。
経年劣化や自然による故障の場合は、原則として貸主が修理費用を負担することとなります。
そのため、勝手に業者を呼ぶことはせずに、まずは貸主に連絡を入れて指示を仰ぎましょう。