マンションにオートロックが備わっていると、守られている安心感が得られるものです。
しかし、いくらオートロックであっても安全が絶対的に保障されているわけではありません。
オートロック付きのマンションで安全に暮らすには、どのような点に注意したら良いのでしょうか。
種類と開け方、困ったときの対処法などについてお話しします。
オートロック付きのマンションは安全?メリット・デメリット
オートロック付きのマンションは、建物内に施錠された共有の玄関ドアがあるため、居住者以外の方は容易に侵入することはできません。
そのため、安全面でのメリットが挙げられます。
●居住者以外を侵入させない
玄関ドアから内側の居住エリアに入れるのは、原則そこに住む住人だけです。
●訪問営業を断りやすい
断りづらい訪問営業など、玄関越しではなく、インターホン越しに対応することができます。
●安心感
自室の鍵と共有玄関の鍵の2重でロックされている状態であるため、守られている安心感を得られます。
一方のデメリットについても把握しておきましょう。
▲絶対とは言い切れない
居住者以外を侵入させなメリットがあるものの、あらゆる方法を使って侵入してしまう場合もあり、絶対とは言い切れない部分もあります。
このことに関しては、安全を守る対策ということで最後に詳しくお話しします。
▲家賃が割高になる
オートロックがない物件に比べると、家賃が割高になる傾向があります。
次項では、オートロックの種類と開け方についてお話しします。
マンションのオートロックの種類と開け方
さて、ここではマンションのオートロックにはどんな種類のものがあるのか、またその開け方についても見ていきましょう。
主に4つの種類がありますので、順にご説明していきます。
【集合キー式】
各居室の開錠で使われる鍵と同じ鍵で、共有玄関ドアを開錠するものです。
オートロックの種類の中でも、多く取り入れられています。
【暗証番号式】
暗証番号を入力して開錠するものです。
鍵やカードを必要としないため手軽ではありますが、暗証番号を数回間違えると一定時間入れなくなったりすることもあります。
また、暗証番号の流出には注意を払う必要があります。
【カードキー式】
ICチップを搭載したカードキーを使用してロックを解除するものです。
ICチップはスマホに搭載できるためとても便利で、セキュリティレベルも高いです。
【指紋認証式】
指の指紋をセンサーにかざし本人であることを認証し、開錠するものです。
こちらもセキュリティレベルが高いですが、認証機器の導入費用も高額になるため、備わっている物件自体が少ないです。
賃貸マンションのオートロック「集合キー式」の鍵は扱いに注意!
オートロックの種類には主に4つあり、開け方もさまざまであることが分かりましたね。
この中でも「集合キー式」が採用されている賃貸マンションでは、少し注意が必要です。
集合キー式は自室の鍵と玄関の鍵が同じで、その鍵のみでどちらも開錠できるものです。
多くのマンションで取り入れられているタイプではありますが、賃貸物件の場合「合鍵」は安易に作ることができません。
マンションに入居する際、貸与される鍵が1つだけである場合には少々不便であり、「紛失した場合に備えたい」または「家族の分の鍵も欲しい」ということもあるかもしれません。
しかし、マンションの賃貸借契約によって、「合鍵の作製を不可」としているケースがあるのです。
それもそのはず、合鍵を何本も複製することは、管理や防犯上良いこととは言えません。
ましてや自室だけではなく、マンションの共有玄関も開錠できる集合キー式であればなおさらです。
もし、合鍵の複製を許可している物件であっても、必ず管理会社への報告はしなくてはいけませんので覚えておきましょう。
入居者は複製した合鍵の本数を申請し、退去時にはすべての鍵を返却する義務があります。
さまざまなトラブルを防ぐためにも、特に集合キー式の鍵の取り扱いには注意を払いましょう。
鍵を持たずにマンションを出てしまった場合のオートロックの開け方!
では次に、オートロック付きマンションで困ったときの対処法についてお話しします。
オートロック付きのマンションにもかかわらず、「鍵を持たずに出てしまった!」または「暗証番号を忘れてしまって開け方が分からない!」といったこともあるかもしれません。
そのような場合、どうしたら良いのでしょうか。
もし、普段から付き合いのある居住者がいる場合には、インターホンを鳴らし「〇号室に住んでいる〇〇です」と名乗り、状況を説明して開錠してもらいましょう。
また、同じマンションに住む居住者が共有玄関を出入りするタイミングに一緒に入るのもひとつの方法ですが、顔なじみの住人でない限り、部外者や不審者と怪しまれることもあるのであまりおすすめできません。
そのため、付き合いのある居住者がいない場合には、管理会社に連絡をして今の状況を説明して対応してもらいましょう。
管理会社の連絡先が手元にない場合には、マンションの建物などに管理会社の看板があるはずなのでチェックしてみてください。
こんなときどうする?オートロックの開錠を頼まれた!開け方を聞かれた!
前項とは逆に、マンションに在宅時「ピンポーン」と鳴り、インターホン越しにオートロックの開錠を頼まれたり、開け方を聞かれることもあるかもしれません。
その相手が顔も名前も知った入居者の方であれば問題ありませんが、知らない方からの要求にすぐに答えるのは危険です。
そのような場合には、「安全のために管理会社に連絡してください」と伝え、安全面を考慮し断りを入れるようにしましょう。
また、万が一の緊急事態で救急隊員が駆け付けた場合にも、救急隊が管理会社に連絡してオートロックを開けてもらうのが通常です。
余談にはなりますが、消防や救急隊員が緊急時に使用する「非常用開錠ボタン」というものも自動ドア付近に設置されています。
一分一秒を争う緊急事態には、このボタンが使われることもあります。
オートロック付きマンションでも用心を!侵入パターンと対策
これまで、マンションのオートロックの開け方に関してお話をしてきました。
オートロック付きのマンションは、「安心感」があるものですが、過信は禁物です。
最後に、オートロック付きマンションでも部外者が侵入できてしまうパターンと、安全を守るための対策をお伝えします。
◆居住者の後に付いて入る
居住者が玄関を開錠して入る際に、後に続けば部外者でも入ることができてしまいます。
マンションの居住者であるかどうかも判断つかない場合があったり、忠告するのも勇気がいることです。
不審に思ったらいったん玄関の外側に出て様子をうかがい、玄関を入るタイミングをずらすようにしましょう。
◆暗証番号を見抜かれる
ご自身でオートロック開錠の暗証番号を設定する場合、単純な番号に設定してしまうとリスクが大きいです。
単純な数字の羅列や誕生日、マンションの電話番号の下4桁などは避け、ご自身にしか分からない暗証番号に設定しましょう。
◆センサーの誤作動
過去には、玄関ドアの外側からチラシなどを差し込み、センサーを反応させて侵入する悪質なケースもありました。
個人的な対策は難しくなるので、管理会社などへセンサーの誤作動はないか確認しておくことが大切です。
◆共有玄関以外の侵入経路
いくらオートロック付きのマンションであっても、非常階段の塀がよじ登れる高さであったり、勝手口が開けっ放しである場合には、部外者が容易に侵入できてしまいます。
このような場所があったら、管理会社などへ連絡をして対策をしてもらうようにしましょう。
過信は禁物!オートロック付きマンションで安全に暮らすには
オートロックの種類や開け方、困ったときの対処法、注意点などをご紹介しました。
オートロック付きのマンションは、確かに安心感のあるものです。
しかし、そのセキュリティレベルを保つためには、居住者の安全意識も大切です。
また、オートロックの扱いなどで迷った際には自己判断をせず、管理会社へ連絡して対応してもらいましょう。