マンションを購入しようとしたとき、新築と中古のどっちを選びますか?
そう聞かれると、日本人は欧米の人たちに比べると「新築好き」と言われているので、新築を選ぶ人が多いかもしれません。
しかし、中古には新築にはない良さもあります。
当記事では、特にマンションを選ぶ際の新築と中古の利点について比較していきます。
「新築」と「中古」どっちが良い?
マイホームを考えたとき、多くの場合、まず問題になるのが、「賃貸にするか、購入してしまうか」ということでしょう。
次に挙げられるのが、「マンションにするか、一戸建てにするか」という問題で、最後に「新築にするか、中古にするか」ということに行きつくケースが多いようです。
以前から、これらの問題は度々議論されてきました。
結論から言えば、ケースバイケースということになってしまいますが、それでは話が終わってしまいますので、今回は、マンションを購入する場合、「新築と中古どっちが良いか」についてご紹介していきます。
新築マンションの最大の特長は、当たり前ですが「すべてが新しいこと」です。
マンション全体では最新の防災防犯設備が施されているでしょうし、所有している部屋のお風呂やトイレをはじめとした設備にも最新のものが採用されているはずです。
一方、中古マンションの最大の特長は、「購入価格が安い」ということです。
新築と同じ価格であれば、立地や広さなど、かなり良い条件の物件が手に入るでしょう。
新築と中古どっちが「住み心地」が良い?
まずは、「住み心地」からどっちが良いのか見てみましょう。
建物構造や設備は、当然ですが新築の方が充実しています。
新しく建築されているマンションは、「アウトフレーム工法」といって、リビングの柱や梁を外に出す工法が多く採用されています。
この工法は、室内に柱や梁の出っ張りがなくなるため、すっきりとした印象になり、部屋の四隅まで有効に使うことができます。
また、天井も高く、窓の高さや幅も大きく取れるので開放的で、バルコニーの奥行きもゆったりした造りになっています。
中古マンションの場合、築20年以内なら同じような物件を探すこともできますが、それ以前の物件で探すのは難しいでしょう。
さらに新築マンションは、家事を効率良くする工夫もされていて、特に水まわりは、タンクがないので掃除がしやすい「タンクレストイレ」、スイッチひとつでお湯張りできる「オートバス」、「浴室乾燥機」などが標準装備されていることが多いです。
中古マンションでも、リフォームをすれば設置可能なものもあります。
しかし、なかには、新築マンションで多く設置されている、キッチンの生ごみを排水口で粉砕する「ディスポーザー」のように、後からだと付けることができないオプションもあります。
新築と中古はどっちが「安全性」が高い?
次に「安全性」の高さから、どっちが良いのか見てみましょう。
マンションは一戸建てに比べ、比較的セキュリティ面は充実しています。
しかし、安全性に関しても中古マンションより、最新の防犯防災設備を採用している新築マンションの方が有利と言えるでしょう。
エントランスやエレベーターにオートロックシステムを導入していたり、宅配ボックス、TVモニター付きインターホン、防犯カメラなど、最新の防犯設備で「多重セキュリティ」対策を行っています。
また、耐震についても、地震の揺れを抑える「免震構造」を採用している物件も多く、最近では居住者用の「防災倉庫」を用意している新築マンションも増えてきています。
中古マンションでも、オートロックシステムや防犯カメラ、TVモニター付きインターホンなど充実している物件はあります。
しかし、耐震については、1981年6月から建築基準法の耐震基準が変更されているので、それ以前の物件は、耐震性能についてチェックする必要があります。
新築と中古で「お得」なのはどっち?
今度は、お金の面から、新築と中古のどっちが「お得」なのか見ていきましょう。
先程、中古マンションの最大の特長は、「購入価格の安さ」と述べました。
新築マンションの場合、建物や設備が新しいので、その分価格が高くなるのは当然ですが、それだけではありません。
新築マンションは売主が不動産会社なので、不動産会社の利益、マンション販売に掛かる広告宣伝や人件費などの費用が価格に上乗せされます。
一方、中古マンションは、新築のように未使用でない分、物件そのものの価格が低くなります。
そして、前述したような販売経費が上乗せされていないので、さらに価格が抑えられているのです。
しかし、中古の中でも売主が不動産会社で「買取再販」場合は、注意が必要です。
買取再販とは、個人が持っていた物件や住宅を不動産会社が買い取り、リフォームして販売する方法です。
こういった物件は利益に販売経費などが上乗せされているので、通常の中古マンションよりも価格が高い傾向があります。
新築と中古のお金についてさらに詳しく
物件そのものの価格は、新築マンションよりも中古マンションの方が安いですが、購入するために掛かる費用や、住みはじめてから掛かる費用についてはどっちが良いのか、見てみましょう。
マンションを購入するときには、諸費用が掛かります。
新築マンションの場合、掛かる諸費用の目安は物件価格の2.5%~5%と言われています。
一方、中古マンションの諸費用は物件価格の5%~8%と割高で、古くなるほど諸経費の額は高くなる傾向があります。
例えば、同じ4000万円の物件の場合、新築マンションは100万円~200万円、中古マンションは200万円~320万円掛かり、中古の方が支払う額は多くなります。
しかし、実際には同じ価格であれば、中古マンションの方が広さや立地など、新築マンションよりも条件が選びやすいので、お得かどうかは条件次第になるでしょう。
他には、住宅ローンの他に毎月の「管理費」と「修繕積立金」、「固定資産税」などが掛かってきます。
管理費と修繕積立金は、マンションごとに決まりがあるので、一概には言えません。
「固定資産税」に関しては、3年ごとに見直しが行われ、築年数が古くなるほど安くなるので、中古マンションの方が有利に思えます。
しかし、新築マンションの場合、最初に課税された年から5年までは固定資産税額の軽減が受けられので、新築の方が安くなる場合もあります。
また、新築マンションを購入すると、「修繕積立基金」が掛かる場合がほとんどです。
これは、「修繕積立準備金」「修繕積立一時金」とも言われていて、大規模修繕に備えるために、毎月の修繕積立金とは別に集めるもので、数十万円ほど掛かります。
中古マンションの「お得な築年数」とは?
マンションを購入する場合、「新築と中古どっちが良いか」について見てきましたが、これまでご紹介してきた中で、お話ししていないことがあります。
それは、中古マンションの「お得な築年数」についてです。
たとえばマンションに何か重大な欠陥などがあった場合、10年以内に発覚にすると言われています。
そのため、築11年以上で、特に問題が発生していない物件は、その後も安心して住んでいけると考えて良いでしょう。
さらに、築10年前後は大規模修繕の時期なので、修繕されたばかりであれば状態も良好です。
そのうえ、築11年以上になると価格は新築時の7割程度と言われているため、かなりお得な築年数と言えます。
また、中古マンションは新築マンションと違い、物件を確認してから購入できるのもメリットです。
新築に比べると、立地が良いものも多いので、選びやすいと言えるでしょう。
「新築」も「中古」どっちもメリットあり
新築マンションにも中古マンションにもそれぞれメリットがあり、どっちにするか迷ってしまいますね。
「未使用が好き」「長期保証を得たい」「最新の設備で暮らしたい」という方は、新築向きと言えるでしょう。
また、「実際の物件が見たい」「予算を抑えたい」「住みたいエリアが決まっている」という方は中古向きです。
ぜひマンション選びの参考にしてください。