マンションは、階数が上がるほど「夏の暑さが過酷」とも言われます。
特に最上階の角部屋ともなると、まわりに遮るものがないため、夏場はとても暑いと感じる方が多いようです。
そこで今回は、マンション最上階の角部屋に住んでいる方へ向けて、暑さの原因と対策について、くわしくお話ししていきましょう。
マンション最上階の角部屋の魅力
マンション最上階の角部屋は、夏暑いと言われていますが、一方でたくさんのメリットが存在します。
まずは、最上階ならではの魅力をお伝えしていきましょう。
●景色が良い
最上階に住む1番のメリットは、景色が良いという点でしょう。
昼間は見晴らしが良く、開放感あふれる空間となり、夜は美しい夜景をゆっくりと眺めることができます。
まわりに建物がなければ、外からの視線を気にすることもありません。
最上階の部屋は、景色が良いという理由だけで入居を決める方も多いようです。
●採光
最上階ともなると、採光・風通しを妨げる問題は何もないでしょう。
日照時間が長く、冬でも暖かい日差しが降り注ぎ、部屋を暖めてくれます。
南向きの場合はかなり暖かく、北向きの場合でも程良く暖かさを感じるでしょう。
●騒音がない
最上階の角部屋だと、隣の部屋は1つになるため、騒音を感じることはほとんどありません。
また、マンションはコンクリート造になっているため、音漏れを起こす心配もあまりないでしょう。
静かな部屋でゆっくりと過ごすことができるため、ストレスの少ない環境と言えます。
デメリットもある?マンション最上階の角部屋
マンション最上階の角部屋は、メリットばかりでなくデメリットも存在します。
景色が良いとつい目をそらしがちですが、以下でデメリットについてお話ししていきましょう。
●部屋が暑い
冒頭でもお話ししましたが、マンションの最上階の部屋は、夏場とても暑いです。
エアコンやサーキュレーターを駆使しても、なかなか部屋が冷えないことも多いでしょう。
●エレベーターの待ち時間が長い
最上階に住むと、基本的にエレベーターを使ってマンションの1階まで下りることになります。
他の住人と通勤時間がかぶると、エレベーターの待ち時間が長くなります。
これは意外とストレスの種になるため、余裕を持って家を出るように心掛けましょう。
●防犯
「マンションの最上階=富裕層」というイメージから、空き巣に狙われやすい傾向があります。
空き巣はマンション内に侵入して、わずかな隙を狙って犯行に及ぶこともあるため、用事で少し部屋を出る際も、しっかり施錠するようにしましょう。
●家賃が高い
最上階でさらに角部屋ともなると、そのマンションの中で最も家賃が高いと予想されます。
年単位で考えると、他の部屋と比べてかなり家賃に開きが出てしまうことになるでしょう。
最上階の角部屋が暑いのはコンクリートが原因?
前項のデメリットでご紹介しましたが、マンション最上階の角部屋は、夏とても暑いという特徴があります。
ここでは、マンション最上階の角部屋が暑くなる理由を探っていきましょう。
まずは、マンションの造りを見ていきます。
マンションの構造は、ほとんどの場合「コンクリート造」となっており、コンクリートの中に断熱材が敷き詰められている状態になっています。
コンクリートには「蓄熱する」という特徴があり、外気の影響を受けやすく、夏場は日中にたくさんの熱がコンクリートや断熱材に蓄熱されることとなります。
蓄熱された熱は夜になって放出されるため、夜に外の気温が下がったとしても、部屋の中は温度がなかなか下がりにくい傾向があるのです。
さらに、最上階で角部屋ともなると、3面、または4面が外気に触れていることになります。
直射日光を防ぐものがまわりにないため、結果としてマンションの中で最も暑い部屋となってしまうのです。
最上階の角部屋は1つ下の階よりも「2℃」も暑い!
マンション最上階の角部屋が暑い理由は、「コンクリート造」であることと、「外気に触れている面が多い」ことなどが理由であると分かりました。
では、最上階の角部屋は、他の部屋と比べてどのくらい室温に差があるのでしょうか。
10階建てのマンションで、同じ方角を向いている部屋で3日間、同じ時間で計測すると「1日目は34.5℃と31.3℃」「2日目は32.0℃と30.1℃」「3日目は33.3℃と30.5℃」を示したという結果があるようです。
これによると、最上階の方が、1つ下の階よりも「2℃」も温度が高いと言えます。
確かに、2階建ての戸建て住宅でも、2階より1階の方が涼しいと感じることが多いですよね。
エアコンの効きも、下の階の方が効きやすい傾向があるでしょう。
冬場であれば暖かいに越したことはありませんが、夏場は部屋に何らかの暑さ対策を施した方が良いと考えられます。
次項からは、暑さ対策について考えていきましょう。
最上階の暑さ対策!窓からの暑い日差しを防ぐ
最上階の角部屋が暑いのは建物としての性質ですので、これ自体は仕方がありません。
そのため、何かしら暑さ対策をとることが重要です。
また、建物の構造を変えることはできないため、部屋に暑さ対策を施しましょう。
最上階では採光のため、窓が大きく造られていることが多いですが、熱が室内に伝わる原因は、約30%が窓からと考えられています。
直射日光が部屋の中に入りこむのも、大きく設計された窓が原因となります。
そこで、窓からの日射を防ぐため、日陰を作れるようなものを設置しましょう。
すだれやサンシェード、またはプランターを置いてヘチマやゴーヤを緑のカーテンにしても良いでしょう。
ただし、最上階ということもあるため、風で落下してしまうようなものは避けるようにしてください。
窓に日陰を作ることで、熱の室内への侵入を防ぐことができるでしょう。
本格的な暑さ対策はリフォームも検討しよう
分譲マンションにお住まいであれば、長くそのマンションに住むことになるでしょう。
最上階の角部屋は暑いため、毎年夏がやってくる前に、本格的な暑さ対策を行うことをおすすめします。
もしリフォームが可能であれば、窓を2重窓にしましょう。
2重窓にすることで、外と室内の間に空気の層が生まれるため、熱が部屋に届きにくくなります。
また、窓サッシがアルミ製であれば、樹脂サッシに入れ替えを行いましょう。
樹脂はアルミよりも断熱性能が高いため、部屋に熱が伝わりにくくなるのです。
このように、窓の断熱性を上げるだけで、夏の暑さも和らげることができるでしょう。
また、もう少し大掛かりなリフォームになると、外のコンクリート壁に断熱を施すことも可能です。
これはかなり断熱性が高まりますが、業者が工事をすることとなるため、マンションを購入した不動産会社に相談をしてから行うようにしましょう。
長く住むマンションですから、快適に過ごすことができるように、できる限りの対策を施すようにしたいですね。
マンション最上階の角部屋はメリットとデメリットがある
マンション最上階の角部屋は、確かに暑いと言えます。
しかし、逆に考えれば冬は日差しがたくさん入り、暖かいとも言えます。
また、最上階は景色が良く、騒音もないため、快適な生活を送ることができるでしょう。
しかし、エレベーターの問題や、家賃が高いというデメリットも忘れてはいけません。
メリットとデメリットをしっかりと見極めて、対策をとりながら素敵な最上階ライフを送ってください。