映画に出てくるような窓からの景色に惹かれて、タワーマンションの最上階角部屋に住居を構えた方たちは、どのような暮らしをしているのでしょうか。
住み心地、メリットやデメリットなどをご紹介します。
生活するにはかなり重要な空調環境について、冬は寒いのか、また夏の暑さについても見ていきましょう。
タワーマンション最上階は人気
タワーマンションの定義は、高さが60メートル以上あり、20階建て以上の建物を指します。
高さがあるだけに、耐震などついても厳しい審査をクリアしてきており、高いコストをかけて建築されていることがわかります。
また、タワーマンションの最上階は、大きな窓から太陽の光が燦燦と差しこんで、日当たりと風通しの良いイメージではないでしょうか。
しかし、一部の住居者からは「暑くて寒い」というデメリットの声もあがっています。
それでも、近年流行りのタワーマンションは、デザイナーズマンションとも呼ばれ、モダンでスタイリッシュなデザインが多く、入居希望者が後を絶ちません。
そして、夜になると美しい夜景を眺めることができ、多少のデメリットは感じても、それ以上に最上階ならではの優雅さを味わうことのできる生活に潤いを感じられるでしょう。
また、上からの生活音に悩まされることもないため、静かに暮らしたい方には憧れの暮らしとなるでしょう。
さらに、マンションは一戸建ての物件に比べて、価値が下がりにくいため、いざ売りに出そうとなった時に、比較的、高価格で売却することが望めます。
特に、最上階の場合は人気があるため、場合によっては、価格が購入時とほぼ変わらないこともあるようです。
それでは、同じ最上階でも、角部屋となるとどのような特徴があるのかみていきましょう。
タワーマンション最上階の角部屋のメリット・デメリット
角部屋は、隣の部屋がひとつなので、騒音に悩まされる可能性は低いです。
また、ベランダ以外にも窓があるのは、角部屋の特権と言えます。
そのため通気性がよく、湿気もこもりにくいので、快適な環境が望めるでしょう。
しかし、中部屋に比べると外壁が外気にさらされているため、冷気や熱気が部屋の中に伝わりやすいというデメリットもあります。
寒い空気や、暑い空気の中で過ごすのはとても不快ですよね。
そして、外壁側に窓があることは角部屋の特権でもりますが、大きな家具を置く場所が限定されていまいます。
家具で窓をふさいでしまうと、湿気がこもってしまうので、家具の大きさや配置にも考慮する必要があります。
そして、家賃ですが、中部屋に比べて高めに設定されていることがほとんどです。
メリット・デメリットの両方を比較して、最上階でも中部屋を選ぶか、角部屋を選ぶかよく検討する必要があります。
最上階でも角部屋は方角によって暑い?寒い?どっち?!
最上階でも人気があるのは、東南の角部屋です。
これは、日当たりの良さが関係しています。
日中は照明がいらないため光熱費の削減にもなり、洗濯物はよく乾きます。
しかし、東から登る朝日を直に受けてしまうことから、夏は暑さに悩まされるといった点が難点として挙げられます。
次に人気があるのが、南西の角部屋です。
南西の角部屋は、西日の暑さに苦労するという意見を多く聞きますが、南東の朝日の暑さよりは耐えられるという意見もあり、好みが分かれます。
南向きにベランダがあれば、洗濯物の乾きも悪くはないでしょう。
そして、最上階の北向きの角部屋ですが、どうしても採光の面で支障を感じてしまう方が多いです。
北向きリビングの場合、晴れの日以外は日中でも部屋全体が暗いことが多く、冬場は特に寒いという意見が多く見受けられます。
そのため、北に面した最上階の部屋は、価格も他と比べて考慮されているため、購入しやすいというメリットがあります。
日中は仕事で家にいないという生活スタイルの方であれば、特に日照の問題は気にならないかもしれません。
しかし、冬場の寒さのことを考えると、慎重に決めたほうが良いでしょう。
角部屋に限らず最上階の部屋は寒い?
先にもご説明したように、最上階は「暑くて寒い」といった声を聞くことがありますが、それは部屋の方角や位置にもよるところがあります。
リビングが南に面していれば、窓から差し込む太陽の光で部屋中が温まるので、冬場は日中温かく過ごすことができます。
一方、北向きに窓がある場合は、寒い空気がたちこめてしまうため対策が必要となります。
これらは角部屋に限った話ではありません。
基本的に、部屋が冷える原因としては、窓から室内の熱が流出していくことが高い割合を占めるため、窓に断熱シートを貼るというのも一つの方法です。
また、窓際の冷気を遮断してくれる窓下専用ヒーターというのもあります。
「ウインドーラジエーター」といって、本体は60度近くまで上がり、窓の下に設置することで冷たい空気を遮断してくれます。
このような防寒対策を行うことも、快適に暮らせるポイントになります。
最上階の角部屋は寒いだけでなく暑さにも注意!
夏のタワーマンションの最上階は、一戸建て住宅よりも温度が2度ほど高くなるようです。
また、角部屋となると、特に外気の影響を受けやすいため、寒い冬だけじゃなく夏の暑さも厳しいといわれています。
対策としては、部屋の窓には遮光カーテンを使用するようにしましょう。
角部屋に限ったことではありませんが、高層マンションの最上階の室温が上昇してしまう原因の一つとして、屋根の問題があります。
これは、屋根が昼間の熱を吸収してしまうため、夜中でも熱が残ってしまうのです。
この屋根に一番近いのが最上階の部屋になるため、暑さの問題はどうしても避けられないということです。
そして、特に角部屋は外壁も外気にさらされているということで、熱が部屋に伝わりやすいという事態が発生してしまうのです。
エアコンやサーキュレーターを駆使して、部屋の空気を循環させることで、部屋の暑さは少しは改善させることができるでしょう。
タワーマンションの最上階!苦労も多いが喜びも多い!
タワーマンションの最上階で暮らすということが、実際にどのような感じであるのか、なかなか想像がつかないかもしれません。
住む上での問題は、寒い時期の過ごし方や、暑さの乗り越え方だけでしょうか。
それだけではなく、タワーマンションに住む上での注意点があります。
それは、気圧が低くなるので気圧の影響を受けやすい方にはおすすめできないという点です。
また、高所恐怖症の方もやめておいた方がいいでしょう。
上層階となると、バルコニーに洗濯物を干すことを禁止されていることが多いため、洗濯物はどうしても外に干したいという方も考える必要があります。
そして、朝の通勤・通学に関してですが、エレベーターが混雑すると各階にとまる可能性もあるため、時間に余裕をもって家を出る必要があります。
このように、大変な面が目立つように思えますが、それでもタワーマンションの最上階の物件の人気が絶えないのは、大変さを上回るだけの充実感や潤いがあるからでしょう。
また、最上階の物件となると、資産価値としてもとても高く評価されるため、子どもへのプレゼントとして購入する方も多いようです。
特に、角部屋は少し広く設計されていることも多く、購入価格自体が中部屋に比べると500万弱程変わってくるため、売却する時の資産価値も中部屋より高くなります。
最上階の物件を選ぶ際には慎重に!よく検討して決めよう
憧れのタワーマンションですが、最上階の物件を選ぶのであれば、中部屋にするか角部屋にするか、じっくりと考えましょう。
角部屋は、騒音の問題のリスクは少ないですが、外気に近いことから、室内の温度環境の問題が発生することがあります。
また、方角によっても、日照条件が変わってくるので、ご家庭の生活リズムや経済状況と兼ね合わせて、納得のいく物件を見つけてくださいね。