投資用の不動産を購入した場合、家賃収入のために賃貸に出すことが多いです。
そうなると自分は物件のオーナー、つまり「大家さん」という立場になります。
もし購入した物件の近くに住んでいるのなら、入居者が挨拶にくることもあるでしょう。
入居者がいて初めて成り立つ家賃収入ですから、大家として入居者と良い関係を保っておきたいものです。
大家としての心構えや入居者との適切な関係の築き方、かけるべき言葉を紹介します。
入居者から必ず大家に挨拶の言葉があるとは限らない?
一昔前は、「大家さん」と言えばそのアパートやマンションに住んでいる、または近所に住んでいることが多かったため、入居者は挨拶の言葉を「大家さん」に伝えに行くのが常識とされていました。
しかし最近では、大家はあくまでも物件の所有者というだけで、入居者の募集や契約業務は仲介業者が行っていることがほとんどです。
そのため、入居者側は大家が誰か知らず、挨拶ができないというケースもあります。
また最近はセキュリティの観点から、大家側も入居者側も相手に不必要な個人情報は与えたくないと考えていることがあります。
入居者は家賃を払い住居を借り、大家はその家賃で収入を得ます。
ビジネスで言えばWin-Winの関係とも言えますから必要以上に相手を上に見たり、下に見たりすることはありません。
大家側も、入居者が挨拶にこないからと言って無礼な入居者だと考えるのはやめた方が良いでしょう。
良い大家さんは挨拶の言葉を欠かさない
賃貸運営はビジネスのようなものですが、せっかく縁があって「大家さん」と「入居者さん」という関係になれたのですから、関係は大切にしたいものです。
もし入居者が誰なのか分かっているのなら、日頃からコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。
特別なことは必要ありません。
挨拶の言葉をかけるだけでも立派なコミュニケーションです。
入居者は実際にその物件に住んでいるわけですから、大家では気付けない細かい問題にも気付いてくれるかもしれません。
日頃から挨拶などでコミュニケーションを取っておくことで、入居者も気軽に相談をしてくれます。
中には面倒だと思われる指摘もあるかもしれませんが、問題点を改善させることは物件の価値を上げることにも繋がります。
また入居者と良い関係を築いておくことで、入居者が長く居住してくれる可能性も出てきます。
賃貸運営で一番困るのは、入居者が引っ越してしまい家賃収入が途絶えることです。
長く居住してもらうことは、収入の安定にも繋がります。
大家さんとして入居者にかけるべき言葉
もし「大家さん」である自分と入居者が近所に住んでいる、または同じマンションに住んでいるというのなら、顔を合わせた時の挨拶はもちろんですが、時々声をかけることも大切です。
かけるべき言葉に決まりはありませんが、大家として入居者が安心して居住できるような言葉をかけると良いでしょう。
例えば顔を合わせて挨拶を交わしたついでに「何か困っていることはないですか?」と声をかけてみます。
もし困りごとがあれば既に直接か管理会社を経由して相談を受けているはずですから、この時返ってくる言葉はほとんどの場合「大丈夫です」というものでしょう。
「返ってくる言葉が分かっているのに言葉をかける意味があるのか」と疑問に思うかもしれません。
しかし言葉をかける意味は、きちんとあります。
困りごとがないかと言葉をかけることで、「気軽に相談して欲しい」という意思表示にもなりますから、大家と入居者の関係が良くなります。
「感じの良い大家さんだ」と入居者を安心させることができれば、入居者も気持ちよく住んでくれますし、部屋を大事に扱ってくれるでしょう。
ただ入居者に言葉をかけるのは大切ですが、家を訪ねてまで聞くのはあまり印象が良くありません。
また相手が明らかに急いでいる時に言葉をかけるのも、印象を悪くしてしまいます。
適切なタイミングで言葉をかけましょう。
入居者が挨拶に来た時の対応
お伝えした通り今は以前のように、大家さんへの入居の挨拶やお礼は必須ではなくなりました。
それでも近所に住んでいるのなら、入居者が挨拶に来る場合があるでしょう。
その時、大家としてどのような言葉をかけるべきか迷ってしまう人もいるかもしれません。
結論から言うと、特別な言葉をかける必要はありません。
入居者は「これからよろしくお願いします」という意味を込めて挨拶にきますから、こちらもただ「こちらこそよろしくお願いします」と返すだけで大丈夫です。
また入居者によっては、手土産を用意してくれている場合もあります。
これは相手の気持ちですから、感謝して受け取りましょう。
何かを受け取るとお返しをしなくてはと焦ってしまう人もいますが、引っ越しの挨拶にお返しは必要ありません。
お近づきの印、ということで受け取っておきましょう。
良い大家さんは入居者視点で考えることができる
せっかく縁あって「大家さん」と「入居者さん」という関係になれたのですから、入居者にとって良き大家でありたいものです。
では良い大家とはどんな人を言うのでしょうか。
物件の管理は仲介業者に任せっきりで、入居者の顔も名前も知らない、挨拶の言葉も交わしたことがないというケースもあります。
しかしそれでも、最終的に物件に対して責任を持つのは大家です。
もしトイレや水道、エアコンなど備え付けの設備に不具合が出た場合、大家の責任で修繕をすることになります。
大家としては余計な出費は避けたいところですが、設備が故障してしまっては入居者は生活ができません。
その時に入居者の生活を第一に考えてあげられるかどうかで、良い大家かどうかが決まります。
修繕費用は最終的に大家が払うことになるので、大家の了承がないと修繕は進められません。
修繕業者からの見積もりになかなかゴーサインを出さないでいると、その分入居者は不便な生活を続けなくてはいけません。
トイレ、水道、エアコンなどの生活必需品は、1日でも使えないと生活に支障が出ます。
例えば、予め仲介業者に「◯◯円以内なら了承なしに修繕を進めても良い」と伝えておいたり、修繕業者ともコミュニケーションを取り修繕費用の相場を聞いたりしておきます。
そうすることで、入居者の困りごとをスピーディに解決できる仕組みを作っておきましょう。
大家として仲介会社選びも大切
賃貸用の物件を購入した場合、昔ながらの「大家さん」なら直接入居者を募集するのでしょうが、今は多くの場合賃貸仲介業者に委託をします。
その際、どのような仲介業者を選ぶべきか迷ってしまうかもしれません。
迷った時は自分で仲介業者まで足を運び、その会社の雰囲気を見ることが大切です。
仲介を依頼した場合の具体的な業務内容や入居者募集から入居、退居までの流れを丁寧に説明してもらうことはもちろんですが、担当者の言葉遣いがしっかりしているかも見極めるポイントです。
入店時に気持ちよく挨拶をしてくれたかどうかを判断基準にしても良いでしょう。
不動産投資は安いものではありません。
信頼できる仲介業者を見つけ、安心して物件を任せられるようにしましょう。
大家さんと入居者さんの信頼関係は挨拶と言葉で決まる
最近は賃貸物件の管理を仲介業者に委託することが主流のため、以前のような「大家さん」と「入居者さん」のような関係は少なくなりました。
しかし物件の近所に住んでいる場合は入居者が挨拶に来る場合もあります。
コミュニケーションは取っておくに越したことはありませんから、入居者と顔を合わせる機会があるのなら時々声をかけるなど、良い関係を築いておきましょう。
そして、大家として信頼できる仲介業者の見極めも大切です。