近年は、木造アパートでありながらも「ペット可」という賃貸物件が増えています。
ペットを飼っている人にとっては、住まいの選択肢が増えて嬉しいことのようにも感じますが、ペットの声などによる騒音トラブルも多発しています。
そもそも、なぜ、騒音トラブルの起こりやすい木造アパートが「ペット可」になっているのでしょうか。
今回は、その背景と、ペットが原因の騒音トラブルを回避する方法について見ていきます。
「木造だけどペット可」の物件は増えている?
ひと昔前までは、アパートでペットを飼うことはできませんでした。
しかし、近年は、木造のアパートにも「ペット可」の物件が増えています。
それはなぜでしょうか。
実は、それには、様々な背景があります。
考えられる要因としては、ペットを家族として飼う独身者が増えたことが挙げられます。
また、夫婦2人の家庭にもペットがいることは多いですし、子供が成人して家を出た後にペットと暮らすご夫婦もいます。
家族の一員としてペットが存在しているため、ペットと一緒に住める物件のニーズが高まっているのは自然な流れですよね。
そのため、賃貸物件を管理する大家さんや不動産会社はそれに対応しています。
新築でペット可の木造アパートも増えていますが、今まではペット不可だった物件がペット可になることもあります。
なぜなら、賃貸アパートも、入居希望者のニーズに合わせていかなければ借り手が付かないからです。
それでは困るので、ペットがいることによる騒音トラブルの懸念はありつつも、「ペット可」としている木造アパートが増えているのです。
ペット可の物件での最大のトラブルは騒音!
ペット可の木造アパートの場合、やはりペットが発生させる騒音が住人同士のトラブルに発展しがちです。
ただでさえ、木造アパートでは、上の階に住む住人と下の階に住む住人の間で騒音を巡ってトラブルになることが多いので、そこにペットがいれば尚更、トラブルの種になるでしょう。
ペットが関係する騒音としては、
・ペットの鳴き声や吠える声
・ペットが走り回る音
などが挙げられます。
これらは、ペットと暮らす人にとっては可愛いものですが、そうではない人にとっては騒音です。
ペット可の木造アパートに住んでいるからと言って、全ての入居者がペットと暮らしているわけではありません。
先ほどのように、ペット不可だった物件が、途中からペット可になった場合などには、「動物は好きではない」という入居者がいる可能性もあるのです。
また、自分のペットの鳴き声は騒音に感じなくても、「他人のペットの鳴き声はうるさく感じる」という人もいます。
ペットの声に対する感じ方の違いもあって、騒音トラブルになるのですね。
ペット可の木造アパートでは騒音トラブルが大ごとになりがち
では、ペット可の木造アパート起こる、ペットの騒音トラブルについてさらに踏み込んで見てみましょう。
ペットが原因の具体的な苦情には、以下のようなものがあります。
・夜、犬や猫が鳴いてうるさい
・犬がガム(骨型の大きめのもの)を床に落とす音が響く
・犬がソファに飛び乗ったり、ソファから床に飛び降りたりする音もうるさい
ペットを飼っている人がどんなに誠意を持って対応しても、神経質な人が相手だと、「ペットを飼わないでほしい」と言われてしまうこともあります。
また、大家さんが、それまでのルール(ぺット不可)を他の入居者の承諾を得ずに変更してペット可とした物件では、他の入居者とのトラブルが大きくなりやすい傾向にあります。
しかし、入居者によって、ペットと住むことに対する認識が違う状態では、トラブルになって当然ですよね。
こうした場合は、ルールを変更した大家さんが、解決に向けて対応しなければなりませんが、実際には入居者同士の問題にされてしまうことが多く、解決までの道のりが遠くなります。
このように、騒音で苦情を言われたりトラブルになることは、木造アパートではよくあることですが、では、木造アパートでペットを飼う人は、どのような対策を取れば良いのでしょうか。
次の章では、ペット可の木造アパートで、騒音トラブルを回避する方法についてお伝えします。
ペット可の木造アパートで騒音トラブルを防ぐには?
では、ペット可の木造アパートで騒音トラブルを防ぐ方法はないのでしょうか。
繰り返しますが、ペット可の木造アパートには、大きく分けて3つの種類があります。
①新築時からペット可で、騒音対策がされている物件
②新築時からペット可だが、騒音対策はされていない物件
③空室対策のため、やむを得ず途中からペット可にした物件
そのため、①の場合以外は、騒音トラブルが起こらない方が不思議だと考えておく必要があります。
そのため、入居後に騒音トラブルが起こるのを避けたいのであれば、入居する前に、その物件がどれにあたるのかをきちんと確認しておきましょう。
②や③に該当する場合には、できる限りの防音対策をしておく必要があります。
例えば、
・ペットが動き回る範囲に、防音マットを敷く
・夜は吠えないように、よくしつける
などですね。
そして、以前からの入居者には、
・ペットがいるのでうるさくするかもしれないこと
・それについて申し訳ないと思っている
ということを、ペットを飼っている人がきちんと伝えるのも重要です。
また、ペットがいる以上、①を選んでも騒音トラブルになることはあります。
トラブルになった場合にどう対処すれば良いのかを、事前に管理会社などに確認しておくと、トラブルになった際も、少しは安心できるでしょう。
「木造・ペット可」の物件でのトラブルは騒音以外にも!
ペット可の木造アパートの場合、ペットを巡るトラブルは騒音以外にもあります。
それが、「ペットのにおい」です。
これには、ペットの体臭もあれば、ペットの排泄物のにおいもあります。
ペットを飼っていない入居者は、ペットの出す音や声と同様、そのにおいにも敏感です。
できるだけ、消臭効果のあるスプレーや消臭効果の高いトイレグッズを使いましょう。
特に、やむを得ずペット可になった木造アパートでは、騒音対策と同じくペットのにおいの対策もなされていません。
そのため、ペットを飼っている入居者が気を付ける以外、ペットのにおいが原因のトラブルを防ぐ方法がないのです。
例えば、散歩などで他の入居者の部屋の前を歩く際には、遠回り気味に歩くなどの配慮が必要でしょう。
また、ブラッシングした時に抜けたペットの毛が衣類に付き、洗濯しても、完全には取れていないことがあります。
それをよく確認しないまま干してしまうと、風で飛ばされたペットの毛が他の入居者の洗濯物に付いて、苦情が出ます。
ペット可の木造アパートでペットと暮らすには、騒音以外にも、気を付けるべきことがあるのですね。
「ペット可のアパートだから大丈夫」と思わずに、ペットのにおいや毛についても、騒音対策と同様にできる限りの対策をすることをおすすめします。
ペット可の木造アパートで起こるトラブルを解決するには
先ほどは、ペット可の木造アパートで考えられるトラブル(騒音など)について、どのようにすれば防げるのかをお伝えしました。
ですが、それでも騒音やにおいが原因でトラブルになってしまうこともあります。
では、もし、自分の飼っているペットが原因で他の入居者とトラブルになったら、どうすれば良いのでしょうか。
大抵の場合、大家さんやアパートの管理会社を通して、苦情が届きます。
誰でも苦情を受けるのは嫌ですし、「ペットの音や鳴き声には、これ以上対策しようがない」と思うこともあるでしょう。
しかし、ペットのトラブルで裁判にまで持ち込むのは、現実的ではありません。
裁判するには、準備が大変ですし、時間もお金もかかります。
そのため、ペット可の木造アパートで、ペットが原因のトラブルを解決するには、
・「できる限りの対策はしている」と伝え、理解してもらう
・防音対策、におい対策を今まで以上に徹底する
という方法を取るのが一般的です。
それでもダメならば、「自分が、他のペット可のアパートを見つけて引っ越す」か「相手に引っ越してもらう」ことになるでしょう。
ペット可の木造アパートでは、細かいところにも気を配ろう!
今回は、ペット可の木造アパートで起こる騒音トラブルをメインに、その予防法や解決法をお伝えしました。
「ペット可」のアパートは増えていますが、住んでみなければ、ペットの騒音やにおい対策がどのくらいなされているかは分かりません。
木造アパートである以上、どうしても音は響きます。
自分にとっては可愛いペットの音も、他人には騒音になります。
できる限りの対策をして、トラブルを未然に防ぐことが重要です。