アパートの駐車場では、トラブルがよく起こります。
しかし、そのトラブルは、車上荒らしや、車をこすった・こすられたといったものだけではありません。
2台目の車の駐車を巡って大家さんとトラブルになることもあるのです。
今回は、アパートの駐車場で起こる、2台目の車にまつわるトラブルとその回避・解決方法を、入居者の立場に立ってお伝えします。
アパートの駐車場では2台目トラブルが起こりやすい?
アパートの駐車場で多いトラブルと言えば、盗難や車の傷をめぐるトラブルが思い浮かぶかもしれません。
確かにそういったものもありますが、意外なことに、2台目の車が原因で起こるトラブルも多いのがアパートの駐車場です。
その具体的な例としては、
・2台目の駐車スペースがない
・駐車スペースが空いたのに2台目を置かせてもらえない
・2台目の駐車料金が事前の話と違う
などがあります。
これらは、大家さんや管理会社との関係によっても解決方法が変わってきます。
ですが、2台目の駐車スペースがないというのは、物件探しの段階である程度防ぐことができます。
車を2台置きたい場合には、それを条件に入れて物件検索すれば良いのです。
また、念のため、内見(内覧)した際にも駐車スペースがあるかどうかを不動産屋さんに確認しておくと安心です。
そして、もし満車の場合には、空いた場合には停められるのかや、2台目の駐車料金についても必ず確認しておきましょう。
駐車スペースや料金は、後になって「話が違う」ということが出てきやすいので、日付や発言者、発言内容をメモしておくことも重要です。
車が必需品の地域ならアパートにも2台目の駐車場が完備?
日本には、車がなくても問題なく生活できる場所がある一方、交通の便があまりよくないため、車がないと通常の生活ができないような場所も数多くあります。
例えば、同じ都道府県内でも、地域によって車がいらなかったり、逆に生活の必需品だったりしますよね。
アパートの駐車場においては、そういったことも関係しています。
1人1台、車を持つことが当たり前の地域では、夫婦や家族で住むアパートの駐車場にあらかじめ2台目の分が用意されています。
車がない生活は難しく、駐車場も1人に1つ必要ですので当たり前といえば当たり前ですね。
しかし、必ず2台分の駐車場が確保できるとは限りませんので、注意が必要です。
物件によって、2台置けるかどうかが異なるからです。
例えば、2階は家族向けの部屋、1階は一人暮らしの人向けの部屋となっているようなアパートの場合は、2台目の車を置くスペースは2階に住む人にだけ用意されています。
中には、都合により「一人暮らし向けの部屋に2人で住みたい」という人もいるかもしれませんが、その場合は、2人目(2台目)の車を置くスペースはありません。
ときたま、1台は指定の駐車場に停め、2台目の車をその前などに停める強者がいますが、他の入居者が通るスペースが狭くなるなど、迷惑になることが多いのでやめましょう。
他の入居者用の駐車スペースに停めるなどは、もってのほかです。
アパートの駐車場に2台目の車が停められないときは
先ほどお伝えしたように、アパートの駐車場では、2台目の車を停めたくても必ずしもそれが叶うわけではありません。
先ほどの例はもちろん、アパートによっては、アパートの部屋数よりも駐車場の数が少ない物件もあるからです。
例えば、部屋数は10なのに駐車場は部屋の半分の5しかないという場合、そのうちの4つが先に埋まっていれば、2台目を止めることはできませんよね。
その場合、1台目の車は指定の駐車場に止め、2台目の車は近くの月極駐車場を借りることになります。
それは仕方ないことですね。
ただ、そのうちにアパートの住人が1人(あるいは1世帯)引っ越していき、駐車場も1台分空いたとなると、状況は変わってきます。
その際には、「空いたスペースに2台目の車を停められる!」と思う人がほとんどでしょう。
しかし、大家さんによっては「駐車場は、1世帯につき1台のみ」などと言って停めることを許可してくれない場合があります。
大家さんとしては、駐車場の空きがないことを理由に、入居希望者に断られることを恐れている可能性があります。
ですが、空きがない状況でなくなったにも関わらず、空いたスペースに駐車できないのでは、入居者としては納得できませんよね。
そのようなときには、どうすればよいのでしょうか。
次の章で、詳しくお伝えします。
駐車場に2台目が置けない状況を解決するには
では、アパートの駐車場が空いたのに、そこに自分の車(2台目)が停められない場合の対処法をお伝えします。
まずは、アパートの契約書や駐車場の契約書を、もう一度よく読んでみましょう。
駐車場の注意事項に、何か記載があるかもしれません。
そこに何らかの記載(「駐車場は、1世帯につき1台のみ」「1人1台停められるように、入居者が増えたら2台目は即解約」などの条件)があれば、残念ながらそれに従うしかないでしょう。
しかし、そのような記載は一切ないのに、大家さんに「2台目は停められない」と言われたのであれば、それを解決する方法が知りたいですよね。
その場合には、住んでいる物件を管理している管理会社に相談しましょう。
大家さんとは話が進まないでしょうし、物件を仲介した不動産会社はその後のトラブルには対応しないことが多いからです。
そして、管理会社に相談する際には、ある程度強気で伝えることをおすすめします。
例えば、「部屋を決める際、空いたら停められるという話だったのだから貸してほしい」などです。
こうした対処をしても解決しない場合には、アパートからの退去(引っ越し)を考えましょう。
空いている場所に停めてしまいたくなりますが、それは違法行為になるので、間違ってもしてはいけません。
2台目の車の駐車場使用料を巡るトラブルも!
アパートの駐車場で起こる2台目の車を巡るトラブルには、お金が関係するものもあります。
その原因の多くは「事前の話と違う」ことです。
例えば、大家さんの「2台目は駐車場を安くする」という話(口約束)で、アパートを決めたとしましょう。
一般的には、2台目も1台目と同額が多いですが、アパートによっては、2台目の駐車場利用料を割引くことを売りにしている物件もあります。
ただしこれは、入居者に対して駐車場が余っている場合に多く、特殊なケースです。
大家さんとしてはスペースを空けておくよりは安くても貸した方が良いので、料金を下げているのです。
そして、2台目を停める時になって、(あるいは、ようやくアパートの駐車場に空きが出て「これで駐車場代が少し安く抑えられる!」と喜んでいた矢先に)思わぬ事態になるのです。
それが、
・実際には割引かれなかった(1台目と同額)
・2台目は1台目より高い駐車場利用料を求められた
といったケースです。
この場合も、まずは契約書などを確認する必要があります。
そして、アパートの契約書や駐車場利用に関する契約書類に、きちんと2台目の金額について記載されていれば、そちらが有効なので、やはりそれに従うことになります。
「言った、言わない」で悔しい思いをするのは嫌ですが、書面に記載があるならば受け入れた方が賢明でしょう。
2台目の駐車場使用料を交渉する方法は?
では、アパートの契約書などの書面を確認したところ、2台目の駐車場使用料について、特に記載がなかった場合はどうでしょう。
この場合、交渉すれば、2台目の駐車場代を下げてもらえるのでしょうか?
結論から言うと、交渉して2台目の駐車場代を下げてもらえるかどうかは、大家さんの考え方や管理会社の対応次第です。
大家さんとしては、安くするメリットがなければ応じないことが多いでしょう。
また、管理会社にも、「同じアパートで1世帯だけ2台目を安くすることはできない」と断られる場合が多いです。
ですが、家計が苦しく、どうしても下げてもらいたい場合などは、スペースの問題と同じく、アパートの管理会社に一度相談してみましょう。
また、その際、大家さんに「2台目は安くする」と言われたことを記録したメモなどがあるなら、それも「値下げを交渉する根拠」として管理会社に示しましょう。
そうすることで、もしかしたら、値下げしてもらえるかもしれません。
しかし、駐車スペースのトラブルに比べて、駐車場代のトラブルでは入居者側が不利になりがちです。
交渉後、駐車場代を下げてもらえなかったことに納得できない場合は、退去(引っ越し)も考えましょう。
そして、新しい引っ越し先を選ぶ際には同じトラブルを防ぐためにも、条件をしっかり慎重に確認しましょう。
アパートの2台目トラブルは上手に回避・解決しよう!
今回は、アパートの駐車場で起こる、2台目の車のトラブルについてお伝えしました。
入居前には、駐車スペースや2台目を停める際の料金を確認しておくのがおすすめです。
それでもトラブルになることはありますが、メモがあれば交渉の際の重要な根拠になるはずです。
また、トラブルの解決法もお伝えしたので、困ったときには参考にしてみて下さい。
アパートで安心して生活できると良いですね。