新築物件が完成したら、すぐに移り住みたいところですが、その前に「内覧会」があります。
内覧会をしっかり行わないと、購入後に後悔したり余計な出費がかかってしまったりする恐れもあります。
そこで今回は、内覧会について、大まかな流れと当日・事前準備の注意点について解説します。
新築物件の内覧会の目的
新築物件の内覧会は、物件の完成、いわゆる竣工から引き渡しまでの間に建物をチェックする目的で行います。
一般的には内覧会と呼ばれますが、不動産業界や建築業界では「顧客検査」や「建物検査」と呼ばれることもあります。
内覧会では、実際にその新築を購入する契約者が完成した物件を見て、不具合が無いか、契約通りに建てられているかなどをチェックしていきます。
携帯電話などを購入する時、一度手にとって傷や不具合が無いかチェックするように促されますよね。
それと同様のことが内覧会で行われているのです。
この内覧会によって「不具合は無い」と契約者が了解すると、正式に引き渡しとなります。
そのため、もし内覧会で不具合を見過ごしてしまうと、引っ越してからトラブルが起こっても自分負担で補修を行わなければならない恐れもあります。
内覧会の時には、今回の記事で解説する注意点を参考に、細部までくまなく物件をチェックしてください。
そして、少しでも疑問点が合った時にはすぐに不動産会社や建築会社のスタッフに申し出るようにしましょう。
新築の内覧会の大まかな流れ
新築の内覧会に参加するにあたっては、事前に自分たちがどんな流れで内覧会に参加するのかをあらかじめ知っておきましょう。
そうすることで不動産会社の担当者との会話もスムーズに進み、当日慌ててしまうといった心配がなくなります。
内覧会は、基本的に建物が完成した後に行われます。
そのため、売買契約を締結してからしばらくすると、建築業者や不動産会社から「内覧会の日程」について連絡が入ります。
内覧会当日は、決めた時間に物件の前に集まりましょう。
もし、物件がある場所があやふやな場合は事前に相手に伝えておけば、最寄り駅での待ち合わせなど柔軟な対応をしてくれるはずです。
担当者や契約者、建築業者が集合したら、まず内覧会の進め方や住宅設備の取り扱い方法などの説明があります。
自分たちが暮らす物件の話なので、よく聞いて分からないところは積極的に質問しましょう。
次に、施工ミスや契約と違うところがないかをチェックしていきます。
基本的にこのチェックは契約者が主導で行えるので、自分が気になるところをよく見て違和感や不具合が無いかを確認してください。
この時の注意点を後述したので、ぜひ参考にしてください。
最後に、指摘事項をまとめて建築業者に伝えます。
その指摘事項が不具合であると認められた場合には、補修工事が行われるでしょう。
その後、補修した物件を再度チェックする日程が決められます。
もちろん、契約する不動産会社や建築業者によって流れは異なりますが、大まかな動きは上記のようになります。
内覧会に行く前の注意点
新築の内覧会では、当日だけではなく事前準備時にも注意点がいくつかあります。
これらを押さえておくことで、当日はより落ち着いて建物のチェックができるようになるので、内覧会に向けて準備していきましょう。
まず、内覧会前には図面や物件についての資料によく目を通しておきましょう。
内覧会は数時間で行われ、その間に建築業者からの説明や実際のチェックなどが行われます。
事前に図面・資料を見ていないと何を聞いたらいいのかが分からず、漠然と室内を見学したままで終了してしまうかもしれません。
図面には「ここは聞いておきたい」「よくチェックしておきたい」といったポイントを書きこんで、限られた内覧会の時間を有効に活用してください。
また、内覧会に行く時はだれか同行者を探しておくことも大切です。
もちろん、夫婦や家族で暮らす場合にはなるべく予定を合わせて、そこで暮らす人全員で内覧会に参加できるようにしましょう。
人によって、意識する場所というのは違います。
全員が目で見て納得しなければ、実際に暮らし始めた時に問題が起こってしまうかもしれません。
一人で暮らす場合でも、友人や恋人などに同行を依頼することをオススメします。
内覧会では複数人のスタッフや業者と行動を共にするので、一人きりで対応していると、落ち着いてやりとりができなかったり、プレッシャーを感じて言いたいことをいえなかったりするかもしれません。
信頼できる相手に付いてきてもらえば、チェックに専念できるでしょう。
あると便利!新築の内覧会で必要な持ち物
次に、内覧会に持っていくと便利な持ち物について解説します。
まず、新居で使う家電やインテリアを買いそろえる時に備えて、メジャーは必須アイテムです。
図面に室内のサイズは記載されていますが、実際に自分で測ってみると家具の配置イメージがつきやすく、引っ越しの時に手間取らずに済みます。
次に、懐中電灯・水平器も忘れずに用意しておきましょう。
新築物件は内覧会の時点ではまだ電気が通っていないこともあります。
薄暗い場所でチェックしていると、思わぬ不具合を見過ごしてしまう恐れもあります。
天井裏、デッドスペースなどをチェックする時にも役立つので、明るく広範囲を照らす懐中電灯はマストアイテムです。
水平機とは、物に当てたり壁に当てたりして水平や垂直を測れる建築工具のことです。
これを持っていくと床が斜めになっていないかなど建築ミスを確認しやすくなります。
水平器はホームセンターなどに1,000円前後で売られています。
その他にも、メモ用の筆記具、注意点をまとめたノートや記録用のビデオカメラ、指摘箇所の目印になる付箋等も持っていくと役立つので「内覧会グッズバッグ」を作ってみてはいかがでしょうか。
新築の内覧会でチェックすべき注意点
内覧会当日は、事前準備以上に細かなことを注意して、自分の購入した物件が理想通りのものなのかを見ていかなくてはなりません。
新築の内覧会時にチェックすべき注意点は大きく分けて3種類になります。
まず1つ目は、物件全体が図面と相違ないかという点です。
間取りや窓・ドアの位置が違いっていないか、窓・ドアの開き方が図面と相違ないかなどをざっとチェックしていきましょう。
2つ目は、建物そのもののチェックです。
床が傾斜していないか、歩いた時に軋んだ音を立てないか、壁と床が垂直になっているか、などを細かく見ていきましょう。
これらの施工ミスは、時間がたてばたつほど物件に悪影響を及ぼします。
水漏れ個所が無いか、水周りの排水が正常に行われているか等も要チェックです。
最後に3つ目は汚れや傷のチェックです。
クロスや床の汚れ・傷、ひび割れや色あせなどをよく確認してください。
少しでも汚れや傷が合った場合には「これくらいはいいか」と諦めるのではなく、全て建築業者に指摘しましょう。
室外にも確認必須な注意点がある!
新築の内覧会で注意するポイントは、室内だけではありません。
家の周囲でもチェックしておきたいポイントが沢山あるので、以下を参考に外回りも見ていきましょう。
まず、後々のご近所トラブルを避けるために、境界標がきっちり打たれているかをチェックしてください。
境界標とは、十字や矢印が刻まれた杭のことで地面に打ち付けられています。
この杭がその後の「自分とその隣の人の土地の境界線」を決める標識となります。
隣人と共有しているスペースがあるかも重要です。
共有スペースがある場合、掃除や管理の問題が発生するので、不動産会社のスタッフによく聞いておきましょう。
また、外壁を確認する際も注意点があります。
外壁に不具合があると水漏れや内部浸食のリスクが高まり、家が早く傷んでしまいます。
少しでも傷や欠損を見つけたら、しっかり対応してもらいましょう。
内覧会を成功させて理想の新築を手に入れよう
新築物件の購入は人生の一大イベントとも言える大きな買い物でしょう。
内覧会はその大きな買い物に問題が無いか、気持ちよく移り住めるかを決める最後の砦といえるものです。
不具合を見逃してしまったら、そこを目にするたびに嫌な気持ちになるかもしれません。
一世一代の買い物にケチをつけられるのは避けたいですよね。
何に注意してどこをチェックすればいいか、事前によく頭に入れて後悔しない内覧会を行いましょう。