不動産投資は、収益性の高い資産運用手法です。
投資対象の物件は、1棟マンションや区分マンション、一戸建てなどさまざまあります。
その新築物件にはいくらか諸費用が発生するものです。
その内訳を注意して見てみると、諸費用を節約できるケースもあります。
そこで、新築の物件を購入するにあたって必要な諸費用について学んでいきましょう。
新築にかかる諸費用の内訳を知らないと困ること
新築の物件を取得する際に、物件と土地の価格に注目する人がほとんどでしょう。
チラシ広告などでも、目立つ数字はたいてい物件価格であることが多いのです。
その数字だけをみて、住宅会社または不動産会社に出向くという人も少なくありません。
しかし、住宅を購入する場合、それにともなう諸費用がかかります。
この諸費用が、地味に資金計画を圧迫するのです。
この諸費用の内訳を把握しておかないと、投資の収益率も正しく計算できません。
思わぬ諸費用がかさむことで、資金計画がショートして結局物件を手放すこともあるのです。
また、諸費用の内訳を確認しないと、業者のペースで話が進んでしまう可能性もあります。
気づかないうちに業者にとって都合のいい契約になってしまうこともあるかもしれません。
自分の判断基準で納得して資金計画を立てるためにも、新築にかかる諸費用の内訳をしっかり把握しておく必要があるのです。
新築の諸費用を考慮しないと資金繰りの悪化につながる?
新築の諸費用と聞いても、住宅事情に明るくない人にとっては、それがどのくらいの負担になるのかはわからないかもしれません。
ましてや、それらの内訳を完全に把握しているという人は少ないでしょう。
しかし、不動産投資で継続的な利益を狙うためには、収支の内訳を徹底的に管理する必要があるのです。
一般的に、新築物件の購入にかかる諸費用の割合は、物件価格の2割くらいといわれています。
これは、マンションでも一戸建てでも大きく変わりない割合でしょう。
諸費用は物件価格によって大きく変動するため、具体的な金額は明言できません。
大きく分類すると、購入時にかかる費用と継続的にかかる費用とに分けることができるでしょう。
たとえば、不動産の仲介手数料などは一時的にかかる費用です。
固定資産税やマンションの修繕積立金などは購入以降も継続的に発生する費用になります。
固定資産税については、物件の売主から買主に引き渡された日を境に、日割りできっちり計算されて請求されるのです。
このような費用を考慮しないことが、資金繰りを悪化させるもとになるのでしっかり把握しておきましょう。
諸費用の内訳の中でも高いのは「手数料」
一戸建にしろマンションにしろ、新築物件を取得する際の諸費用の内訳をみると、とりわけ手数料はコストが高いです。
この高いコストは、必ずしも払う必要がないものと、払わなければならないものとに分けられます。
まず、確実に払う必要があるのが、土地・建物の登記費用です。
この登記を行うことで、公的に住所が国から付与され、その土地・物件の持ち主であることが証明されます。
建物と土地の存在と、その持ち主を証明する書類が登記書類であり、その書類を代行してくれるのが司法書士です。
自分でも可能ではありますが、個人で済まそうとすればかなりの労力を強いられるため、多くのケースでは司法書士に登記事務を代行してもらいます。
この代行費用には、約10万円程度かかる場合もありますが、事業者によっていくらか違いがあるので確認が必要です。
この登記費用については必ず出す必要があり、時期が遅れることで延滞金が追加されることもあるので注意しましょう。
また、ローンの保証料を金融機関に出すこともあります。
ローンを使わず一括で住宅を購入するのであればこの費用は発生しません。
それに加えて、不動産会社への仲介手数料もあります。
これらは、物件価格に依存しますが、諸費用の中でもコストの高いものです。
これらは支払う義務のある費用ですが、必ずしも払う必要のないローンの代行手数料などもあります。
これは、ローンの手続きを不動産会社などで代行してくれるというものです。
この代金として、数万円から数十万円という高額な値段をかける業者もあります。
しかし、この手数料については必ずしも払う必要はありません。
自分で金融機関とローンの手続きを済ませてしまえばかかることはありませんし、そもそもこのような請求をしないという業者もあります。
ローンの手続きをする際に、手数料がかからないかどうかを確認しておくことが懸命でしょう。
適正な諸費用の内訳を把握するためには
住宅に関して明確な基準を持てていないうちは、ひとつだけの業者に絞ってしまうと損をしかねません。
特に、不動産投資では業者と対等に付き合う必要があり、あまりに不勉強だと不利益な契約を結んでしまう可能性もあります。
基本的に業者も営利活動であり、利益につながることがあれば少しでも増やしたいと考えるものです。
中には、住宅会社、不動産仲介会社、銀行という主要な業者すべてがつながっていて、相互の利益になるように消費者が扱われることもあります。
よくよく明細の内訳をみると、仲介業者への手数料が不自然に高いことなども少なくありません。
特に、新築物件を扱う場合はさまざまな業者が関係するので、お金の流れが複雑になりがちです。
複雑ゆえに、業者同士のつながりが諸費用に影響していることがわかりにくくなっています。
基本的に業者が熱心に勧めてくる関連業者は、何らかのコネクションがあるとも考えられます。
どのような業者でもいくらかはつながりがあるものですが、手数料などの相場については、やはり数を経験する必要があるでしょう。
複数の住宅会社で諸費用込みの資金シミュレーションをしてもらうことで、いくらか相場観をもって諸費用の内訳を比べることができます。
わざわざ業者とコンタクトをとる時間がないのであれば、ネットで事例を調べるのもひとつの方法です。
住宅会社も不動産会社も、それぞれの視点からセミナーを開催していることが多く、定期的に参加するものよいでしょう。
諸費用からみた新築のメリット・デメリット
諸費用はなるべくなら節約したいものでしょう。
不動産投資で少しでも利益率を上げるためにも、最大限コストカットしていく必要があります。
諸費用を軽くするために中古物件を購入しようと考える人もいるかもしれませんが、諸費用をかけてでも新築を購入するメリットがあるのです。
たとえば、新築マンションであれば諸費用の内訳でも大部分を占める修繕積立金が、中古物件に比べて割安になります。
マンションなどの物件であれば、定期的に外壁やフローリングなどの改修工事をすることがありますが、新築の場合その諸費用が安くすむのです。
これが、築年数20年越えの古い物件であれば、高い修繕積立金を支払うことになります。
購入時には一括でマンションの保全費用を払うこともありますが、長い目でみると築古物件より費用がかからないかもしれません。
そして、新築であれば諸費用分をリターンしうる需要の高さもあります。
中古物件となると、どうしても人気が少なくなりがちです。
安定した居住者確保のため、諸費用をかけてでも新築を購入することもあります。
それでも、新築物件を建てる際は水道や電気などの生活インフラ整備などから始めなければいけません。
初期コストはかかるものの、継続的な利益が見込める可能性が高いのが新築物件の特徴です。
新築の住居用物件を投資用物件として扱うには
通常、新築物件の住宅ローンは住居用として扱う場合のみ利用可能とされています。
そのため、住宅ローンを利用している場合は、その物件を投資用として扱うのは難しいでしょう。
しかし、会社の転勤などにより住居に住めないなどの理由があれば、住宅ローンを利用しながらでも賃貸物件として活用することが可能です。
これについては、賃貸への転用期間などを金融機関に話を通しておく必要があります。
もし無断で住宅ローン返済中に物件を賃貸利用していることが金融機関に発覚した場合、全額を一括返済しなければなりません。
自分が住まないという前提で新築を建てるのであれば、事業用のローンを組むことになります。
事業用ローンであれば、金利部分を経費に充てることで節税につながります。
返済金額の内訳から考えても、元利均等返済でローンを組むとよいでしょう。
諸費用も資産部分を除くほとんどの金額を経費にすることが可能ということもポイントです。
新築の諸費用内訳を把握して計画的な住宅購入を
新築物件の購入となると、登記費用や住宅ローン保証料、不動産仲介料などさまざまな諸費用がかかります。
これらの内訳を考慮して資金計画を立てることが、失敗しない住宅購入につながるのです。
買ってすぐに投資用として活用できなくても、将来的に投資に回すというやり方もあります。
収支についてしっかり把握し、賢く住宅を扱いましょう。