「一生に1度の大きな買い物!」とマンションを購入しても、さまざまな事情からマンションを売ることになる方も多くいます。
せっかく売るのならできるだけ高く売りたいものですね。
しかし、マンションは築年数をはじめとする色々な条件により、その資産価値は下がっていきます。
資産価値はいつ下がるのか、また資産価値の下落率が少ない物件の条件とはどのようなものなのでしょうか。
ここでは、マンションの資産価値の下落率について見ていきます。
マンションを売却することになる理由とは?
マンションや一軒家など、マイホームの購入は一生に1度という方も多いはずです。
ずっとそこに住み続け、売却する予定がないのであれば、購入したマンションの資産価値の下落率は気にする必要がないですよね。
しかし、人生はどんな転機が訪れるか分かりません。
売却しないつもりでいても、やむを得ずマンションを売却する場合や、売却した方がお得な場合などがあるようです。
では、どんな理由からマンション売却することが多いのでしょうか。
◯より良い住環境へ住み替えるため
子どもが生まれた、子どもが大きくなったなど家族構成の変化や子どもの成長によって、住んでいるマンションが手狭になることがマンション売却の大きな理由のひとつです。
また、親との同居することになっても、家族構成が変化し手狭になってしまいますね。
その場合、より広い物件に住み替えるため住んでいるマンションを手放す方が多いようです。
反対に、子どもが独立し、ファミリータイプの広さが必要なくなり、コンパクトなマンションに移るという場合もあります。
◯通勤・通学のため
子どもが通学を始めたり、家族の転勤があった場合など、通勤・通学の都合によりやむを得ずマンションの売却に踏み切る場合があります。
交通費が高くなってしまったり、別に物件を借りる必要があったりすると、マンションを売却した方が良いかもしれません。
◯まとまった資金が必要になったため
事業を始める方などは、開業資金を工面するためにマンションを売るという方もいます。
金融機関から融資を受けるために、住宅ローンをなくしておくという目的もあります。
マンションの資産価値の下落率が大きいのは新築購入直後
マンションを売りたいと考えたとき、できるだけ高く買ってもらいたいというのが本音ですよね。
マンションの資産価値は築年数によってどんどん下落していきますから、できるだけ早く売りたいと考えるかもしれません。
しかし、その下落率は一定ではなく、不均等にマンションの資産価値は下がっていきます。
マンションの資産価値の下落率が最も大きいのは、「新築購入直後」です。
新築のマンションには「新築プレミアム」といわれる費用が上乗せされています。
例えば、営業に関する人件費・モデルルームの設置費用・広告宣伝費などが新築プレミアムの内訳となっています。
また、日本人は特に新築が好きだと言われていますので、このような新築プレミアムが上乗せされていると分かっていても新築を購入したい人が多いのです。
極端な話をすれば、購入した直後からそのマンションは中古物件になります。
新築でないというだけで、資産価値が1~2割程度も下落してしまうということもあります。
マンションにおける築年数と資産価値の下落率の関係①築5~15年程度
マンションの資産価値の下落率が最も大きいのは、新築購入直後です。
これは少々極論な部分もありますので、築1~2年程度であれば購入時と同じくらいか、それ以上で売却できる場合もあります。
また、築年数に限らず、立地や市場の動きなどによっても物件の資産価値は変動しますので、そこは前提として頭に入れておきましょう。
では、マンションの築年数と資産価値の下落率についてみてきましょう。
マンションの資産価値は、築年数によって下落していきますが、その下落率は均等ではありません。
まず、一つの目安となるのが「築5~15年程度」です。
特に築5年程度までのマンションは、価格面で有利に売却しやすいです。
築5年未満ほどの築浅物件が売りに出されることが少ないので、需要が高くなります。
つまり、5年を過ぎるあたりから、マンションの価値がぐっと下がり始めます。
築5~15年程度のマンションは、市場に多く出回っています。
築5~15年程度のマンションはライバルが多いので、より高く売却したい場合には、腕の良い不動産仲介業者を見つけることも大切になります。
ただ、市場に多く出回っているとは言え、築15年程度までのマンションであれば需要も高いので、買い手が決まりやすいことが多いです。
マンションにおける築年数と資産価値の下落率の関係②築20年程度
マンションの資産価値の下落率が大きいのは、まず「新築購入直後」、次に目安になるのが「築5~15年程度」です。
その後マンションの資産価値がぐっと下がる目安が「築20年程度」です。
築年数が20年近くになってくると需要が少なくなり、マンションの買い手は一気に減ります。
マンションは、築15年を過ぎるあたりから売却価格が下落し切ってしまうことが多いです。
そのため、マンションの売り出し方にも工夫が必要になってくるでしょう。
例えば、
◯リフォームをしたい人向けにする
◯同じマンションに住む人に売る
など、低価格に加えて、一工夫した売り出し方をしましょう。
考え方を変えると、築20年以上経過すると、その後築年数によってマンションの資産価値が大きく下落することはありません。
築20年以上のマンションの売却を考えている方は、焦らず信頼できる不動産業者を選定したり、マンションの売り出し方を考えたりするのが良いかもしれません。
資産価値の下落率が大きいことが予想される物件とは?
マンションの資産価値の下落率は、築年数に比例しているのではなく、ある程度の節目で大きく下落していることがお分かりいただけたと思います。
しかし、マンションの資産価値の下落は築年数の経過だけで起こることではありません。
物件の条件や市場の動きによってもマンションの資産価値は下がります。
では、どんな条件があるとマンションの価値は下がりやすくなるのか見ていきましょう。
◯人口が減る可能性がある地域
現在の日本では、大都市部への人口の集中が止まりません。
人口が減る可能性のある地域のマンションを売りに出しても、買い手が少なければ売却は難しくなってしまいます。
◯マンションの近くに駐車場がない
マンションの近くに駐車場を借りることすらできないような場合は、マンションの買い手が決まらないこともあります。
独身だと車はいらなくても、子どもがいる世帯では大都市部であっても車が必須の場合が多いからです。
◯世帯数が多い
世帯数が多いマンションの場合は、売り出すときに他の世帯も売り出している可能性が高いです。
その場合には価格競争が起こってしまうことも考えられます。
築10年を超え始めると売り出し始める世帯が多くなりますので、売り出しのタイミングを考えなければなりません。
資産価値の下落率が小さいマンションの選び方
「マンションは一生に1度の買い物!」と購入しても、将来の家族構成や仕事の状況によっては、売りに出す可能性も考えられます。
マンションの購入を考えている場合、将来的に資産価値の下落率が小さい条件を選ぶことも、マンション選びの重要なポイントの一つです。
資産価値が下がりにくいマンションの条件には以下のようなことが挙げられます。
◯好立地
言わずもがな、人気のエリアのマンションは価値が下がりにくいです。
また、駅から近いなどの交通の利便性は外せない条件です。
◯住環境が整っている
日当たり・方角・角部屋・間取り・騒音などは住み心地を大きく左右します。
良いデザインや魅力的な価格であることよりも、住み良い環境が整っていることが大切です。
◯しっかりした管理体制
信頼できる管理会社がマンションを管理していることや、マンションの修繕計画がきちんと立てられているかもチェックしましょう。
マンションの資産価値は0にはならない
マンションの築年数を中心に、その資産価値が下落していく条件や下落率について見てきました。
万が一に備えて資産価値の下がりにくい条件のマンションを購入することで、リスクヘッジになるかもしれませんね。
また、マンションの資産価値は築年数に左右される部分も大きいですので、売却を考えている方は査定をするなど早めの準備をおすすめします。
しかし、どんな物件でも資産価値が0ということはありません。
納得のいく形でマンションが売却できるよう準備をしていきましょう。