「町家」と「町屋」どっちも読み方は「まちや」その違いは?

「町家」と「町屋」は、どっちも「まちや」と読みますが、その違いは何なのでしょうか。

「京町家」はよく耳にしますし、東京都荒川区には「町屋」と言う地名があります。

単純に関西と関東で書き方が違っているだけで、元は同じなのでしょうか。

それとも似て非なるものなのでしょうか。

今回は、「町家」と「町屋」の違いを探っていきましょう。

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違いがある?どっちも「まちや」

どっちも同じ読み方をする「町家」と「町屋」ですが、実は同じものを意味しています。

「まちや」とは民家のひとつで、町人が住む都市型住宅のことを指します。

時代劇などを見ていると、都市である城下町には道路に面して家が立ち並んでいますが、この通りに面して均等に立ち並んだ民家が「町家」や「町屋」です。

確かに、東京都荒川区の町屋は、住宅が密集し、下町の街並みがそのまま残った町です。

他にも「町屋」と付く地名は、埼玉の鶴ヶ島市や羽生市、新潟県五泉市など6か所、扇町屋、上町屋、下町屋などを含めると「町屋」の付く地名は全国にたくさんあります。

しかし、「町家」と付く地名はありません。

あるとしても、「~町家山」、「~町家中」など、町名とくっついたもので、「町家」としての地名ではないのです。

この辺りに「町家」と「町屋」の違いがありそうですね。

どっちも城下町にある民家を指す「町家」と「町屋」

先程もお話ししたように、「町家」と「町屋」は、どっちも城下町にある短冊形の民家のことですが、そのなかでも特に商家や職人の住まいを指します。

商いをするための商家は、旅籠や料理屋、湯屋、遊郭などがあり、現在ではなくなっているものも多く、また、職人も減っているため、本来の「町家」や「町屋」の町並みを見ることは今ではほとんどできません。

「町家」と「町屋」についてもう少し詳しく見ていきます。

まずは、地名によくある「町屋」から見てみましょう。

町屋の代表格と言えば、東京都荒川区町屋ですね。

地名の由来は、「町」に集まったという意味があり、「屋」は家のことを言うので、家が集まった場所=町屋だという説があります。

また、別の説では、耕作に適した良質の土地のことを「真土=まつち」と言いますが、その昔、町屋では「真土」がたくさん取れたことから、「真土谷=まつちや」と呼ばれ、それが「町屋」になったというものもあります。

さらに、真土が取れた野から「真土野=まつちの」になり、転じて「町屋」になったとも言われています。

町屋の由来がすべて荒川区の町屋と同じではないでしょうが、土地そのものに関する意味合いが強いようです。

もともとどっちも建物を指していた

次に「町家」を見てみましょう。

町家の原型は、10~11世紀初めに出てくる、眺望を楽しむために作った「桟敷屋=さじきや」と言われています。

役人の宿舎や僧房などに使われていた、棟割長屋形式住居にさまざまな要素を加えたもので、11~12世紀に町ができてくるにしたがって定着したようです。

この頃の町家は敷地にゆとりがあり、菜園などがあるものもありましたが、次第に現在に伝わるような、奥行の長い「うなぎの寝床」と呼ばれる形になりました。

今では、京都や岐阜の飛騨高山などに残っている真壁造の町家や、埼玉の川越にある土蔵造、瀬戸内海沿岸に広くあるなまこ壁の町家などを見ることができます。

残っている建物の形で「町家」あるいは「町屋」が確認できるのは、平安時代の末期に「年中行事絵巻」の中に描かれた、「洛中洛外図」です。

ここで描かれているのは、繁華街に間口3~5間の短冊形の商家がひしめき合っているものです。

この時点では、「町家」と「町屋」どっちも建物を表したものとして扱われていたようですが、その後、土地の意味合いも加わり、「町家」と「町屋」のふたつが使われるようになったようです。

実際、歴史家は、建物のみを指す言葉として「町家=ちょうか」と呼び、土地も含んだものを「町屋=まちや」と呼ぶそうです。

「町家」と「京町家」は何が違う?

「町家」と「町屋」は、もともとはどっちも同じものだったことがおわかりいただけたと思います。

では、よく耳にする「京町家=きょうまちや」は、ただの「町家」と何が違うのでしょうか?

京町家は、京都市内に建てられた町屋を含む木造家屋のことで、昭和25年(1950年)以前に建てられたものを限定してこう呼んでいます。

これは、昭和40年代の民家ブームのときに作られた造語で、それまではこのような言葉はありませんでした。

このときのイメージが「町家」は関西、京都限定のイメージに繋がるようですね。

第二次世界大戦の戦火から、焼失せずに残った京都の町家ですが、昭和40年代に高度成長期の建て替えの波に押され、減少してゆくことになります。

そこで、残された町屋遺構を観光や不動産資源とするために、現在施行されている建築基準法が適用される前、昭和25年以前に建てられた古い木造住宅をひとくくりにして、「京町家」と呼ぶようにしたのです。

したがって、厳密には「町家」あるいは「町屋」の構造をしていないものでも、古い木造住宅であれば「京町家」と呼ばれている、ということになります。

現在、町家住人の高齢化や町家の老朽化など、「京町家」を維持するためにはたくさんの課題があります。

しかし、「京町家」に住みたい若者や外国人、店を開きたいなどの需要もあり、店舗や宿泊施設への改修も積極的に行われています。

「町家」と「町屋」の特徴①

「町家」と「町屋」、どっちも同じものですが、建物の造りはどうなっているのでしょうか。

その特徴を見ていきましょう。

【間取り】

間口は3~5間と狭く、奥行きは10~20間くらいの短冊形です。

1間は、約1.8mですから、間口は5.4~9.0m、奥行きは18.0~36.0mとなります。

このことから、「うなぎの寝床」と呼ばれていました。

一説には、3間の間口を「1軒役=いちのきやく」として課税した、豊臣秀吉の税制に反発したことが原因だと言われています。

しかし、日本だけでなく、海外でも繁華な通りには、間口を狭くしてたくさんの店舗が並ぶように建つ例が多く見られるので、効率よくみんなで商売をするための知恵だったのかもしれませんね。

手前に店舗や仕事場、奥が住居になっていて、入り口は一方に寄せて造り、入り口から裏まで通り抜けられるように土間になっています。

【犬矢来=いぬやらい】

道路に面している外壁に置かれた、アーチ状の垣根のことです。

竹や木など作られていて、馬のはねる泥や、軒下を通る犬や猫の放尿などから壁を守ります。

【ばったり床几=しょうぎ】

外壁に取り付けられた、折りたたみ式のベンチで「ばったん床几」とも言われます。

「町家」と「町屋」の特徴②

さらに「町家」と「町屋」の特徴を見ていきましょう。

建物としては、2階建てのものが多いようですが、平屋や3階建てのものもありました。

【虫籠窓=むしこまど】

2階部分の標準的な塗り壁の窓のことで、その形が「むしかご」のようだから、「虫籠窓」と呼ばれたと言われています。

2階の通風や採光のために作られたもので、古いものほど小さいようですが、種類が多く、デザインもさまざまです。

【走り庭】

表の入り口から、裏まで続く土間のことを言います。

表側の「店庭」と、流しなどがあるプライベートな空間の「走り庭」とに分かれています。

「走り庭」は、家族だけの空間なので吹き抜けで梁が見えるような造りです。

【箱階段=はこかいだん】

家の狭さを補うために、階段の下の部分を収納スペースにしたものです。

多くの場合、収納スペースの高さを確保するために、階段の傾斜が急になっています。

このように、表記の仕方は「町家」と「町屋」で違いますが、どっちも同じ目的で、同じように建てられた建物なのです。

「町家」と「町屋」こだわる必要はない

前述したように、京都では町家遺構を積極的に守ることで「京町家」という言葉が定着しました。

一方、東京では戦火の被害も大きく、京都のような動きがなかったため、今ではその町並みを見ることはできません。

しかし、元はどちらも同じ建築物です。

学術的には分けられていますが、一般的にはどっちも同じ「まちや」なのです。