マンションの大規模修繕の進め方!その工程と注意点とは

大規模修繕は、マンションの管理組合にとって避けては通れない大きなイベントです。

しかし、大規模修繕はとにかく決める事柄が多いうえに、専門的知識も求められるため、特に初めて大規模修繕に立ち会う方は不安でいっぱいなことでしょう。

そこでこの記事では、マンションの大規模修繕の進め方について、その工程や注意点をお話ししていきます。

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マンションの大規模修繕とは?

一般的に、マンションの寿命は50年などと言われていますが、どんなマンションでも、メンテナンスをしないことには何十年も快適に住むことはできません。

マンションは日々雨風や紫外線に晒されているため、蓄積されていく経年劣化は決して無視できないからです。

また、マンションの劣化は生活環境の低下やトラブルに繋がるだけでなく、建物の資産価値にも関わります。

そこで、このようなマンションの老朽化を防止する目的で行われるのが、「大規模修繕」です。

大規模修繕は、12~15年に一度の目安で行うことが推奨され、具体的には外壁の塗装や屋上の防水、給排水管工事など、多額の費用がかかります。

そのため、大規模修繕は、慎重な審議と綿密な計画のもとに行われる必要があります。

初めて工事に立ち会う方にとっては憂鬱かもしれませんが、自分たちの住まいを住み良いマンションにするために、ここで大規模修繕の進め方のポイントを押さえておきましょう。

工事の進め方をよりスムーズにするために!大規模修繕には修繕委員会の設立を

マンションの大規模修繕を進めていくうえでは、綿密な計画を審議するための「修繕委員会」の設立が求められます。

もともと、マンションの住民から組織される管理組合には、その執行機関となる「理事会」があり、マンションの維持管理、運営に努めています。

しかし、大規模修繕の場合、事前計画から工事完了まで3~5年の長期的な期間が見込まれ、理事会役員がその仕事を兼任するには困難です。

そのため、理事会とは別に「修繕委員会」という新たな組織を設立することで、大規模修繕をより効率的に進めていきます。

修繕委員会では、大規模修繕の進め方として主に以下の事項を決めていきます。

・予算と見積もりの調整
・修繕工事業者の選定
・防水性を考慮した塗装の種類
・工事完了の確認、検査

上記のような事項を審議し、進めていく修繕委員会では、特に修繕委員経験者や建築士などの専門的知識を有した人を積極的に選定することがポイントです。

ただし、大規模修繕はマンション全体で行う大仕事ですから、他の組合員も決して人任せにせず、積極的にサポートをするようにしましょう。

マンションの状況で見極める!進め方も左右する大規模修繕のタイミング

マンションの大規模修繕の進め方として、まず押さえておきたいのは工事のタイミングです。

前述したように、周期の目安は12~15年とされていますが、マンションの仕様や施工、立地、形状などによって工事のタイミングは前後します。

マンションの劣化状況をチェックしながら、そのタイミングを見極めることも大切です。

具体的な劣化状況としては、建物の耐久性に関わる防水性能が著しく落ちたときです。

外壁の塗装や屋上の防水性が失われると、水が下地に侵入することで、建物内部の劣化を急速に進めてしまいます。

塗装、防水の耐用年数は、工法によって差はあるものの、およそ10~15年とされているので、それも踏まえたうえで適切な判断をしていくのが良いでしょう。

マンションの大規模修繕ではどのようなことが行われる?

では次に、前項の工事のタイミングを踏まえ、大規模修繕の進め方として、具体的な工事内容を見ていきましょう。

・下地補修工事

天井や壁、床を始め、建物の各部位に生じたひび割れ、欠損などの劣化状況を確認し、補修をしていきます。

・塗装工事(外壁塗装、鉄部塗装)

外壁塗装の場合、最初の大規模修繕周期で行うにはやや時期が早いことが多く、ほとんどは2回目以降の修繕工事で行われますが、劣化状況を見ながら判断します。

また、鉄部塗装の場合、玄関扉や枠、エレベーターや手すりなどの鉄製部分を塗り直していきます。

・シーリング工事

シーリング材を使って外壁の目地を埋めていくので、足場が仮設される大規模修繕の際に行われます。

防水性を備えるだけでなく、建物の伸縮性を補うことで、耐震性の向上を図ります。

・防水工事

屋上や勾配屋根、バルコニー、外階段などに対して防水工事が行われます。

具体的な改修方法には、古い防水層の上に新たな防水層を施工する方法、もしくは古い防水層の撤去後に新たな防水層を施工する方法が採用されています。

また、屋上の防水にはアスファルト防水、改質アスファルトシート防水、シート防水、塗膜防水などがありますが、これまでの防水仕様をよく分析したうえで選んでいくことが大切です。

・マンションの玄関扉

共用部分である玄関扉の改修では、主に塗装の塗り替えが行われますが、劣化次第では扉やサッシ自体を交換する必要もあります。

・設備工事

給排水設備の主流システムの見直しや、電気、防災設備などの交換・修理を行います。

述べた通りマンションの大規模修繕は12~15年の目安になっていますが、上記の各工事はその場所ごとの劣化状況を入念にチェックし、それに合わせて適切な作業を行うことが望まれます。

大規模修繕の進め方とは?工事までの基本的な流れ

マンションの大規模修繕のタイミングや工事項目が分かったところで、改めて進め方の参考となる工事までの流れについて見ていきましょう。

管理組合によっては工事までの進め方が異なる場合があるので、あくまでも参考として流れを把握してください。

①管理組合の発意、修繕委員会の設立

長期修繕計画や管理会社の提案、住民の意見をもとに、大規模修繕の実施を確認し、修繕委員会の設立をします。

②建物の経年劣化をチェック・診断

管理会社や専門のコンサルタントに依頼し、建物の状態を診断します。

診断結果から作成された参考見積書から、大規模修繕にかかるおおよその予算を算出していきます。

③修繕設計、資金計画の審議

参考見積書と予算を照らし合わせ、資金が不足している場合は修繕設計の調整をしていきます。

その際、次回の大規模修繕にかかる積立金への考慮も忘れないようにしましょう。

④工事業者の選定

複数の業者から見積もりをとり、それを比較して選定していきます。

事前に管理会社、あるいは専門コンサルタントからの助言を参考にすると良いでしょう。

⑤着工における工事内容の説明

着工前後は、住民が安心して生活できるように工事内容の説明会を開催します。

また、防犯対策やプライバシー保護のために細心の注意を払うなど、住民の理解・協力を仰ぐ必要があります。

以上が着工までの進め方です。

工事中は特に工事業者と住民の橋渡しを意識し、情報共有に努めてください。

大規模修繕をよりスムーズに進めていくポイントは?

前項では、マンションの大規模修繕の進め方について大まかにご説明してきました。

では最後に、大規模修繕をよりスムーズに進めていくためのポイントや注意点についてお話ししていきます。

まず、工事中に避けられない住民への影響としては、工事の騒音と臭いです。

修繕工事の期間中は、マンションが足場で囲まれ、視界もメッシュシートで遮られるうえに、作業の騒音と溶剤などの臭いが続きます。

特に、住民にとって初めての大規模修繕の場合、落ち着かない環境にクレームが出るケースも少なくありません。

そのため、着工前後の説明会では、住民に対してできるだけ細かく積極的なアプローチをとる必要があるでしょう。

また、工事期間中には毎月の施工状況をしっかり確認し、常に現場の動きを把握しておくと良いでしょう。

工事が完了するまで気を抜かず、最後まで委員会として気を払っていきましょう。

大規模修繕は住民全体で行おう

マンションの大規模修繕は、管理組合、つまり住民全体で進めていく一大イベントです。

確かに、修繕委員会というプロジェクトチームも設立されますが、だからと言って他の住民にとって他人事になるわけではありません。

マンションは自分たちの資産ですから、委員会や役員でなくても、協力的な姿勢で大規模修繕に臨んでくださいね。