住宅の火災保険の正しい選び方!失敗しないためのポイント

新築すると、万が一に備えて火災保険に入る方がほとんどです。

不動産会社や融資を受けた銀行にすすめられた火災保険に「何となく加入している」といった方も多いでしょう。

しかし、現在加入している火災保険は、きちんと自分の住宅に合ったものなのでしょうか。

今回は住宅の火災保険の正しい選び方として、抑えておいた方が良いポイントをご紹介していきます。

ぜひ、火災保険選びの参考にしてください。

住宅の火災保険の選び方!まずは「補償範囲」を決める

住宅の火災保険の選び方として、まずは「補償範囲」を決めることをおすすめします。

保証範囲とは、補償される対象がどこまでなのかを決定するものです。

火災保険では、一般的に「建物のみ」「家財のみ」「建物+家財」の3種類から補償範囲を選びます。

「建物のみ」は住宅や、それに付随する塀、門、車庫などが含まれ、基本的に「建物まわりの動かせないもの」と考えて良いでしょう。

「家財のみ」は、住宅内の家具や家電、衣類やカーテンなどの「建物内の動かせないもの」になります。

また、「建物+家財」は上記の2つが合わさった内容の保険なので、保険料が最も高くなります。

ちなみに、この3種類の中から補償範囲を決められるのは「一戸建て住宅のみ」となり、賃貸アパートなどはここに含まれません。

賃貸の場合は、大家が建物の火災保険に加入しているはずなので、もし借主が火災保険に加入するとなったら、「家財のみ」の1種類しか選ぶことはできないでしょう。

しかし、住宅で実際に火災が起こることを想定して、どの部分の補償を重要視するかは人それぞれです。

補償範囲は、自分に合った内容のものを検討して選ぶようにしましょう。

「補償範囲」はオプションも追加できる

前項では、住宅の火災保険の選び方として、3種類から補償範囲が選べるとお伝えしました。

ここでは補償範囲について、もう少しくわしくお話ししていきましょう。

火災保険では、メインとなる補償の対象は「火災」だけではありません。

「落雷」「破裂」「爆発」「風災」「震災」なども、火災保険に入るとついてくる基礎的な補償です。

これとは別に、オプションで追加できる補償が存在します。

以下で、追加することができるオプションの一部をご紹介しましょう。

・水災
・盗難による被害
・汚染
・損傷
・水漏れ
・建物外からの落下物
・集団行動に伴う暴力行為
・飛来
・衝突などの補償

以上が、メインとは別に追加できるオプションになります。

オプションは任意なので、住宅で危険度が高いと感じるものがあれば、追加すると良いでしょう。

例をあげると、住宅前が大通りで車の往来が激しいのであれば「衝突などの補償」、近所に大きな川が流れている場合は「水災」などがおすすめです。

オプションは追加した分保険料が高くなるため、建物を取り巻く環境を見極めて選ぶようにしましょう。

住宅構造の選び方により火災保険料も変わる

火災保険の保証範囲を決めたら、次に住宅の構造を見ていきましょう。

火災保険の選び方として、なるべく保険料の安いものを選びたいと考えるのが普通ですが、保険料は住宅の構造によって大きな開きがあります。

火災保険では、「M構造」「T構造」「H構造」の3種類の構造級別に分けることができます。

「M構造」は、主にマンションなどの、しっかりとしたコンクリート造などの構造物のことを言います。

「T構造」は、耐火性のある鉄骨造住宅などを指します。

「H構造」は、木造住宅などの非耐火構造の住宅を指します。

火災保険は基本的に、火災リスクの低い構造に対しての保険料が安くなっています。

そのため、「M構造」<「T構造」<「H構造」の順で保険料がだんだん割高になっていくのです。

一般的な火災保険で見ると、「M構造」と「H構造」では、4倍近くも保険料に差があることが分かります。

しかし、近年建築された木造住宅の中には「2×4(ツーバイフォー)方式」のものが多くあり、燃えにくい木材を使用して建築されています。

2×4方式の建物は耐火建築物の認定を受けているため、木造住宅でも「T構造」となり、火災保険を抑えられます。

住宅の火災保険金額に関わる「新価」と「時価」の選び方

住宅の火災保険で重要な「保険金額」について見ていきましょう。

保険金額は、保険の対象となる「建物」や「家財」の価値を、数値化して算出した金額をもとに決定します。

正しい「保険金額」を算出するには、「新価」と「時価」について知識を深める必要があります。

以下でご説明しましょう。

●新価

新価とは、同等のものを建築したり買ったりする時に必要となる金額のことを言い、「再取得価格」とも呼ばれます。

●時価

時価とは、「新価から時間が経過したもの」「使用による消耗」を引いた、現在の価値を表すものです。

そのため、新価よりも低い金額になります。

このように、上記の「新価」と「時価」どちらをベースするかによって、火災保険の金額が変わってきます。

火災で住宅や家具を失ったとしても、「新価」を選んでいれば、新築と同等の住宅や家具を手に入れることができるでしょう。

しかし保険料は割高になりますです。

よく検討して、自分に合った選び方をしましょう。

火災保険の契約期間は長いほどお得?支払い方法の選び方も重要

ここまで、住宅の火災保険の選び方をご説明してきました。

最後に「契約期間」を決めていきましょう。

基本的に、火災保険は契約期間を設けており、1年~10年(最長)の間で設定することがほとんどです。

火災保険は、契約年数が長いほど保険料が割引きになるプランが多いため、保険会社を変える予定がなければ、長く契約することをおすすめします。

また、長期契約を選んだ場合におすすめなのが、保険料のまとめ払いです。

保険料の支払い方法は、「毎月支払い」「1年ごとの支払い」「長期一括払い」の3種類になります。

ここで長期一括払いを選べば、さらに割引を行う保険会社も多いのです。

合理的に節約することができますので、契約期間や支払い方法は「長期契約の一括払い」にすることをおすすめします。

住宅の「地震保険」の加入も検討しよう

住宅で火災保険と同じくらい重要なのが地震保険です。

保険の選び方は人それぞれのため、「火災保険は加入済だが地震保険は未加入」という声をよく耳にします。

ここでは、地震保険についてくわしくご紹介していきましょう。

地震保険は、「地震」「噴火」、またはこれによる「火災」「損壊」「埋没」「流出」による住宅の損壊を保証してくれるものです。

よく、地震の二次災害で住宅での火災が起こりますが、これは火災保険の対象外になるのです。

地震により起こった火災は「地震保険の対象」となることをよく覚えておきましょう。

また、地震保険はそれ単体で加入できる保険ではありません。

あくまで、火災保険に付帯するかたちで加入する保険となるのです。

地震保険の金額は火災保険がベースとなり、火災保険の金額の30~50%であると、あらかじめ決められています。

こうすることで、火災保険と地震保険を2つつけても高額な保険料にならないように工夫されているのです。

また、地震保険では金額の上限が設定されており、「建物5,000万円」「家財1,000万円」までとなっています

しかし、実際に支払われる金額は、住宅の損害の程度によって変わりますので、上記の金額は上限の目安として頭に入れておきましょう。

住宅の火災保険選びは慎重に行おう

多くの場合、新築したら火災保険に加入しますが、決めるべきことを順に追って決めていけば、混乱することはないでしょう。

まず「保証範囲とオプション」を決め、「建物の構造」を確認し、「新価か時価」を決め、最後に「契約期間」を決定します。

同時に、地震保険の加入を行うかも検討しましょう。

より費用を抑えるために、見積もりは複数社から取り、保険料をよく比べることをおすすめします。