境界のブロック塀には注意!塀の高さとそのルールとは?

2018年6月に発生した大阪北部地震で、高槻市内にある小学校のブロック塀が倒壊したことは、大きな波紋を呼びました。

新築を建てる際、あるいは中古住宅を購入する際、ブロック塀を敷地の境界塀として検討している方は、ブロック塀に対する基礎知識は万端ですか?

この記事では、地震によるブロック塀倒壊被害の教訓を踏まえ、ブロック塀のメリット・デメリットを始め、塀の高さや建築基準のルールについてお話していきます。

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ブロック塀倒壊はなぜ起きた?大地震による倒壊被害

大阪北部地震のブロック塀倒壊では、尊い命が犠牲になるという悲劇を招きました。

しかし、地震によるブロック塀倒壊の被害は、1978年の宮城県沖地震でも発生しており、これを受けてブロック塀の建築基準法における安全基準が1981年に見直されています。

それにも関わらず、大阪北部地震ではなぜこのような事故を招いたのでしょうか?

その背景には、倒壊したブロック塀の施工不良が大きく関係しています。

高槻市内で倒壊したブロック塀は、その高さが建築基準の2.2m以下を大きく上回る、3.5mもの高さがありました。

これはブロック塀の建設時期が、建築基準法改正以前であったことが背景とされており、いわゆる「既存不適格」のブロック塀であったことが分かっています。

「既存不適格」とは、建築基準法改正以前に建てられた、現在の基準に満たない建築物です。

しかしそれ以前に、倒壊したブロック塀には補助壁である「控え壁」が設置されておらず、さらにはブロック内の鉄筋さえも溶接されていなかったことも分かっています。

現在の新築における外構建設で、施工不良のブロック塀が建てられることはほとんど考えられませんが、ブロック塀がある中古住宅を購入する場合は、チェックポイントの一つとして考えた方が良いでしょう。

では、これらのことを踏まえ、境界としてブロック塀を設置する場合のメリット・デメリットについて、次項から見ていきましょう。

ブロック塀のメリットは?

境界として、敷地内にブロック塀の設置を検討している方もいることでしょう。

ただし、ブロック塀には前項で取り上げた倒壊リスクも考えられるため、そのデメリットもしっかりと理解しておく必要があります。

ではまず、境界としてのブロック塀について、メリットから見ていきましょう。

・防犯性が高い

ブロック塀をある程度の高さで設置することで、不審者の侵入率を大幅に下げることができます。

フェンスの場合、比較的簡単によじ登ることができますが、ブロック塀の場合は手足がかけられない上、ある程度の高さもあるため困難になります。

・目隠し効果

外からの視線が気になる方は、ブロック塀を設置することでその視線を遮断することができます。

プライバシーである家庭の暮らしを守ることにも繋がるため、安心して生活を送れます。

・定期的なメンテナンスが不要

信頼できる外構業者に依頼することができれば、定期的なメンテナンスを必要としない耐久性のあるブロック塀を作ることができます。

災害や倒壊などが起こらない限り、ブロック塀の耐用年数はおよそ30年と言われています。

ただし、ブロック塀の点検は定期的に行い、劣化のチェックはするようにしましょう。

境界として高さのあるブロック塀を設置したい!そのデメリット

では次に、境界として設置するブロック塀について、デメリットを見ていきましょう。

・倒壊しやすい

建築基準を満たしたブロック塀であっても、大地震の多い日本では倒壊リスクが高いと言え、倒壊への懸念は拭えません。

倒壊した際、隣家側に崩れて大きな被害が生じることも否定はできず、人的被害の恐れも出てきます。

また、特に中古住宅の場合、境界のブロック塀は劣化が進んでいるものも多いため、購入時はよく確認することが必要です。

・隣家への風通しや日当たりに対する影響

ある程度の高さがあるブロック塀の場合、隣接する家への風通しや日当たりを遮る可能性があります。

・防犯上の逆効果

ブロック塀の高さから、不審者の侵入を妨げることが期待できますが、それが裏目に出ることで、空き巣行為の手助けになることがあります。

外からの視線の遮断は、空き巣被害の拡大にも繋がる恐れがあります。

上記のブロック塀のデメリットは、メリット以上にしっかり把握しておくことが大切です。

特に、倒壊リスクについては言うまでもありません。

境界のブロック塀の高さはどのくらい?建売購入には建築基準の確認を

これまでに、境界としてのブロック塀について、メリット・デメリットをそれぞれご説明してきました。

では続いて、ブロック塀における建築基準法を見ていきましょう。

前述したように、特に建売である中古住宅を購入する場合、境界のブロック塀が古いまま設置されていることがあるため、外観から必ず建築基準のポイントを確認しておくことが大切です。

①高さ

組積造:1.2m以下

補強コンクリートブロック造:2.2m以下

②厚さ

組積造:壁頂上までの距離の1/10以上

補強コンクリートブロック造:15cm以上(2m以下は10cmでも可)

③控え壁

組積造:4m以下ごとに壁の厚さの1.5倍以上突き出したもの

補強コンクリートブロック造:3.4m以下ごとに塀の高さの1/5以上突き出したもの

④基礎の有無

以上の4つのポイントは、ブロック塀の外観からチェックできる項目になります。

上記の通り、ブロック塀の高さは、補強コンクリートブロック造であれば2.2mまで許容されますが、安全性を重視するのであれば1.2m以下が妥当と言えます。

また、上記以外の確認項目としては、鉄筋が使用されているか否かも重要なポイントです。

これは目視で確認できるものでなく、実際に建築士によって調べてもらう必要がありますが、塀内部に鉄筋がないブロック塀は非常に脆弱なものになり、倒壊しやすくなります。

中古住宅の購入を検討している場合、境界がブロック塀であれば、以上のポイントを確認するようにしましょう。

境界のブロック塀は大丈夫?劣化具合のチェックも忘れずに

前項に続いて、ブロック塀の外観からチェックできる規定以外のポイントとしては、塀の亀裂や剥がれといった劣化具合も見ておく必要があります。

前述したように、境界としてのブロック塀は、およそ30年の耐用年数があると言われていますが、建築基準に満たなかったり、補修を怠ってしまうと、10~15年の寿命になります。

ブロック塀をチェックするにあたり、劣化具合については以下の症状を確認してください。

・亀裂

塀にひび割れがある場合、その隙間から雨水が侵入することで亀裂の進行が速くなります。

また、1年を通した気温の変化により、凍結融解を受けることでブロック塀に亀裂が生じ、劣化が進んでしまいます。

亀裂を確認し次第、できるだけ早めの補修を行うようにしましょう。

・傾き

ブロック塀に傾きが見られる場合、特に高さのあるブロック塀は、早めの対処が必要です。

例えば、基礎部分から傾いている場合は、大規模な補修工事が必要になります。

・ぐらつき

ブロック塀のぐらつきは、塀内部の劣化が激しい場合に起こりえます。

早急な建て直しが必要になります。

購入前に以上の症状に気付いた場合、売り主に補修の依頼をするか、購入を断念することも一つの方法です。

新居でブロック塀の設置を検討している場合でも、このチェック項目は将来的な管理ポイントとして覚えておきましょう。

高さのあるブロック塀は倒壊が心配!それに代わるおすすめフェンス

中古住宅を購入するにあたり、ブロック塀のチェックポイントについてご説明してきました。

やはりブロック塀の一番の心配は、倒壊リスクです。

特に、高さのあるブロック塀は倒壊被害が大きくなるため、不動産屋にとっても好んでおすすめすることは少ないと言えます。

その代わりに、近年境界として多く見られるのは、ブロック塀とフェンスが組み合わさった外構です。

これは、2~3段積んだブロックの上にフェンスを設置するもので、倒壊被害を大幅に小さくすることができます。

また、ブロック塀のような圧迫感もなく、見通しが良いことも人気の理由です。

さらに、ブロック塀の倒壊リスクを考慮し、フェンスの設置を検討している場合、フェンスだけでは質素に感じてしまう塀も、ブロックを組み合わせることで見栄えも良くなります。

新築でブロック塀の設置を検討している方は、このようなブロック塀とフェンスの組み合わせも考えてみてはいかがでしょうか。

ブロック塀の基礎知識を踏まえよう

境界のブロック塀は、ひと昔前までは最も主流な塀でしたが、近年では大地震の影響が考慮され、代わりに軽量なフェンスが台頭してきています。

しかし、ブロック塀にはブロック塀の良さがあるため、新築時や購入時にはブロック塀の採用をする方も少なくありません。

ブロック塀を検討している方は、必ずそのデメリットと基礎知識を踏まえ、安心安全な境界にしていきましょう。