建物の図面に書かれている「〇〇窓×××××」というのは、窓の種類と窓のサイズを表記しています。
「〇〇窓」という部分は、窓の種類です。
そして、「×××××」という部分が窓のサイズの表記で数字が書かれています。
では、「××××」という数字はどのように解釈すれば良いのでしょう。
今回は、窓のサイズ表記についてお話しします。
窓の種類やサイズは図面に表記されている
図面などに書かれている窓の表記は、大きく2つの構成に分けられます。
「〇〇窓×××××」と表記され、前半の〇〇には、窓の種類である引き違い窓や装飾窓などの具体的な名称が入ります。
後半の×××××には、サイズが表記されます。
図面から窓の種類やサイズを読み解けると、部屋の雰囲気をつかみやすいかもしれませんね。
例えば、引き違い窓の部屋とオーニング窓の部屋では雰囲気がかなり違います。
また、〇〇窓という部分に注目してみると、部屋の雰囲気だけではなく、空気の入れ替えができるか、デザイン重視の窓なのかが分かるので、窓の数を考える参考にもなります。
次項では「〇〇窓×××××」という表示前半、窓の種類についてご紹介します。
図面に表記されている窓の種類①「引き違い窓」
窓の種類やサイズは、一般的に「〇〇窓×××××」と表記されています。
この表記の最初の「〇〇窓」の部分が、窓の種類です。
実は、窓にはいろいろな種類があり、一般的には大きく「引き違い窓」と「装飾窓」という2つの種類に分けられます。
まず、一つ目の引き違い窓というのは、複数のガラスをそれぞれ違うレールにはめて、スライドさせて開閉する窓のことです。
一般的な住宅で使用されることが最も多いので、流通量が多く割安感もあります。
例えば、片引き窓、両袖片引き窓、面格子付き引き違い窓やシャッター付き引き違い窓、雨戸付き引き違い窓などがあります。
他にも、掃き出し窓といって床まである大きな窓で、床から立ち上がる引き戸タイプの窓もあります。
掃き出し窓は、よくリビングなどに使われている大きな窓をイメージすると、分かりやすいかもしれませんね。
このような、レールに乗ったガラスをスライドさせて開閉する窓は、どこのお宅にもあると思います。
どの窓にも特徴がありますので、それぞれのメリットを活かせる使い方ができると良いですね。
図面に表記されている窓の種類②「装飾窓」
先ほど、「窓の種類やサイズは図面に表記されている」とお話ししました。
ここでは、先ほどの引き違い窓に続き、2つ目の装飾窓というのがどのようなものなのかについてお話しします。
装飾窓は、引き違い窓と比べてデザイン性が高く、実にさまざまな種類があります。
オリジナル性の高い窓が多いので、デザインにもこだわりたい人にお勧めです。
ただし、引き違い窓ほどは流通量が多くないので、価格もそれなりにかかります。
この装飾窓は、建物の全体に使うのではなく、何か所かにポイントとして使うことが多い窓です。
装飾窓がスリット窓(縦・横)の場合には、開閉できるタイプと開閉させないタイプ(フィックスタイプ)があります。
他にも、滑り出し窓といって窓の片側を軸にスライドして回転させることで開閉するタイプもあり、こちらも縦・横があります。
また、オーニング窓という何枚かのガラスをハンドルで同時に操作して開閉するタイプの窓や、ルーバー窓という何枚かのガラスの細長い羽根板をもち、ハンドルで開閉させるタイプの窓もありますね。
流通量は多くないのですが、種類は豊富ですので各メーカーのカタログで見比べると面白いですよ。
図面に表記されている窓のサイズの見方
前述のとおり、図面などに書かれている窓の表記の後半には、窓のサイズが表記されています。
「〇〇窓×××××」という表記の後半、「×××××」の部分です。
ここでは、分かりやすくするために「×××××」をもう少し細かく分けます。
「×××××」の部分には、5つの数字が入ります。
この5つの数字を、前の3つ(×××)と、後ろの2つ(××)に分けます。
前の3つ(×××)の部分は、窓の横幅を指します。
近年では、メーカーに関係なく同じ順番で窓のサイズが表記されているので分かりやすくなりましたね。
後ろの2つ(××)の部分は、窓の高さを指します。
つまり、「〇〇窓×××××」の×××××の部分は窓のサイズ表記なのですが、注意しなければならないことがあります。
前の3つの部分(窓の横幅)は1センチ単位になっているのですが、後ろの2つの部分(高さ)は10センチ単位になっているということです。
例えば、前3つの数字が123なら横幅が123センチ、後ろ2つの数字が04なら高さが40センチの窓を意味しています。
窓には規格がありますから、規格のサイズなのか、特注品でオリジナルのサイズなのかを確認しておきましょう。
また、ガラスのサイズと窓枠のサイズでは当然違いますので、図面を見て分かりにくい点があれば、設計担当者に確認してください。
窓には、規格サイズ表と呼ばれるものがあり、基本的にこの数字を基に下地となる開口のサイズが決まります。
窓選びの参考に!窓の標準サイズを知っておこう
図面などに書かれている窓の表記の後半部分にサイズが入るというのは先ほどお話しした通りですが、窓には標準的なサイズというものがあります。
窓の種類によって違いますが、どの窓にも標準的なサイズがあることを覚えておきましょう。
具体的な数字まで覚えておく必要はないのですが、市販されているカーテンなどは標準的な窓に合わせられていることが多くあります。
これから新築やリフォームなどで窓を作ったりする場合には、参考にされると良いですね。
窓の選び方は、デザイン重視、機能性重視、価格重視など、人によって違います。
どのような窓を選ぶか、どのくらいのサイズにするかによっても、部屋の雰囲気は違うものになります。
また、実は、窓の性能は住み心地にも大きく関係してきます。
「窓選びに失敗した」という声もよく聞きますから、これから窓を選ぶ場合には、窓のサイズ表などをよく見て、まずは窓の種類から考えてみてください。
用途に合わせて窓を選ぼう
図面などに書かれている窓の表記からは、窓のサイズや種類がわかるということをご説明しました。
また、先ほど新築やリフォームなどで窓を作ったりする場合には、窓の標準サイズを参考にとお伝えしましたが、サイズだけで決めるのではなく、使用用途も考えて決めるのが良いですね。
窓に後から断熱シートや遮熱シート、あるいは目隠し用のシートやフィルムを貼る人もいますが、最初から窓の性能を高いものにしておくという選択肢もあります。
窓の性能で特化しているものとしては、採光や防音性、断熱や遮熱性などです。
窓の形状の種類と併せて、サイズを決める際には窓の性能も考えてみましょう。
例えば、幹線道路が多い地域では、採光性と防音性に優れた窓が良いでしょう。
人通りの少ない地域では、防犯性の高い窓の方が安心できたりと、窓に関して注意しなければいけない点も違います。
このように建物周辺の環境から窓を選択するという方法もあります。
窓は種類やサイズ、性能で検討しよう
新築する時でも、リフォームする時でも、窓は長く使っていくものです。
窓を決める時には、サイズだけでなく、性能や価格にも注意しましょう。
それから、ロールスクリーンなどを使うのかカーテンを使うのかということも含めて、窓をどのように使いたいのかも考えておくと安心です。
窓ガラス自体は後から変更することもできますが、開口部などは簡単に変更できませんから、よく検討してから決められると良いですね。