住んでいるアパートが古かったり、きちんと管理されていない場合、部屋番号が明確に表記されていないこともあるでしょう。
そんな状態では、郵便や宅配を届けに来た方が困ってしまいますし、誤送の心配もあります。
友人などが来る際も、どの部屋なのかわからずに迷ってしまいますね。
そういったことを回避するために、「アパートの表札を自分で作ろう」と考えている方に、作る前に知っておいた方が良いことやおすすめの作り方をご紹介します。
「表札」が普及し始めたのはいつ?その理由と歴史
現代では、表札のある家というのは珍しくありませんが、江戸時代の庶民は苗字を持っていなかったので、武家屋敷で見かける程度で、一般的なものではありませんでした。
しかし、明治4年に戸籍法が制定され、庶民が苗字を持つようになってから、変わってきました。
明治4年に、郵便制度も施工されて、住所と名前をもとに郵便物を届けることができるようになったのです。
そのため、誰がどの家に住んでいるのかという目印として、「表札」が使用され始めました。
その表札の使用が一気に広がるきっかけとなったのが、大正12年に起こった関東大震災です。
たくさんの家屋が倒壊し、それまでと同じ場所に再建できるとも限らなかったために、誰がどこに移転したのかがわかるように表札を使用し始めたのです。
当初は、表札の材質には木が使われるのが主流でしたが、昭和の高度経済成長期になると、家の造りも変わってきて、表札にもお金をかける余裕が生まれました。
大理石や御影石などの石製や、陶板などの材質、デザインにこったものなど、様々な作り方のものが生まれました。
現在では、戸建てのほとんどの家には表札を見かけますが、アパートなどの賃貸物件の場合はどうなのでしょうか。
次章からは、アパートの表札についてのお話をしていきます。
アパートの表札をつけるメリットとデメリット
賃貸物件に住んでいる約5割の方は、表札を出していないというのが現状となっています。
そこで、アパートのドアに表札を掲げることによるメリットとデメリットについて挙げてみましょう。
【表札をつけることによるメリット】
・友人を部屋に呼んだ際に、迷わずに来ることができる
・郵便や宅配の誤送の減少
・賃貸でもオリジナルの表札で見栄えが良くなる
【表札をつけることによるデメリット】
・セールスが多くなる
・家族全員の名前を載せた表札の場合はライフスタイルや性別まで知られてしまう
・ストーカー被害に遭いやすくなる
表札をつけることによるデメリットを起こさないようにするためには、表札には、「名字のみ」を掲示することをおすすめします。
それでは、表札を自分で作ろうとしている方のために、様々な表札の作り方をご紹介していきましょう。
アパートの表札を自分で作ろう!シンプルタイプの作り方
築年数が30年以上の古いアパートの場合、紙に部屋番号が書いてあるだけのものや、汚れや錆がついてしまっているもの、プレート自体がついていないということもあるでしょう。
そういった場合、表札を手作りしてみてはいかがですか。
シンプルな表札の作り方をご紹介します。
【準備するもの】
・パソコン(Word等が使用できる)
・プリンター
・ステッカー(エーワン:手作りステッカー 強粘着)
・ドアプレート(光:プレート DLケース1人用)
・はさみ
・カッターナイフ
・定規
・両面テープ
※こちらでご紹介するステッカー用紙には、「こちらが裏面です」と書かれている用紙(以下A)と文字の記載がない用紙(以下B)の2種類の用紙があります。
【部屋番号又は名字のプリント準備の手順】
①パソコンを起動し、「Word」で部屋番号や名字を入力する
②左上にある「ファイル又は印刷」をクリックする
③印刷ページの「ページ設定」をクリックする
④用紙タブの中から1ページ目の用紙トレイを「後トレイ」に変更してOKボタンをクリックする
【ステッカーへの印刷手順】
①印刷用のAのラベルシールの方をプリンターの後トレイにセットする(表面に文字が印刷されるように)
②セットできたら、印刷ボタンを押す
【ラベルシールを貼り合わせる】
①Bの用紙上部の中央部分の台紙をはがす
②Aの用紙の印刷面にBの用紙を重ねて貼り合わせる
③Bの用紙の残った台紙もはがして、空気が入らないようにぴったりと貼り合わせる
④Bの用紙をまくり上げてゆっくりとBの用紙をはがしていく
⑤Bの用紙をはがし終わったら、貼り合わせたラベルシールを上から押しつけるように圧着させる
【プレートと貼り合わせる】
①プレートをラベルシールの上にのせて、カッターでプレートの大きさに合わせてラベルシールを切る
②ラベルシールの台紙をはがして、プレートに貼りつける
③プレートの出口部分に両面テープを貼り、プレート部分を固定する
アパートの表札をオシャレに!~オリジナル表札の作り方~①
前章で作り方をご説明した表札は、とてもシンプルなプレートになりますが、「アパートだけど、もっとオシャレに個性的な表札をつけたい」という方のために、タイルを使用した表札の作り方をご紹介します。
【準備するもの】
・25角文字タイル
・25角角丸ガラスモザイク
・タイル用の接着剤
・目地材(100g)
・目地用ゴムベラ
・目地練り用具 (デザートの空き容器やスプーンなども可)
・下地板
・目地仕上げ用布(不要なシーツやハンカチなど綿素材のもの)
【タイルを使用した表札の作り方】
①ガラスモザイクは、裏ネットでつながっているものをバラバラにする
②下地板を適当な大きさにカットする(文字タイルの文字分プラス両脇分)
③カラータイルと文字タイルの配置がわかりやすいように、板の上下両脇に並べておく
④板に一気に接着剤を塗る(ヘラがあると作業しやすい)
⑤板の上にタイルを置いていき、タイルの間隔やバランスを整えながら圧着させる
⑥接着剤が固まってきたら、練り目地材を直接上から塗っていく
⑦目地詰めが終わり、タイルの表面がかさついてきたら、スポンジでタイルの表面を拭く
⑧乾拭きをしたら完成
*アパートのドアがスチール製の場合は、裏面に強力マグネットを貼れば簡単に取りつけられます。
アパートの表札をオシャレに!~オリジナル表札の作り方~②
アパートのドアにオシャレな表札をつけたいけれど、「できればあまりお金をかけたくない」という方におすすめなのが、100円ショップの材料を使用した作り方のものです。
【準備するもの】
・表札になりそうな下げる紐つきの木製プレート
・部屋ナンバーの数字(ネジ式)
・アンティークなモチーフの飾り(ネジ式)
・接着剤
・ドライバー(電動の方が便利な上にラクなのでおすすめ)
【100円ショップの材料を使用した表札の作り方】
①木製プレートに部屋ナンバーの数字や飾りをネジで打ちつけていく
②とめた数字に安定感がないので、接着剤で固定する
*プレートにスペースがある場合は、ステンシルなどで名字をアルファベットで入れるとさらにオシャレになるのでおすすめです。
電動ドライバーがあれば簡単にできてしまいますので、ぜひ、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
アパートで手作りの表札をつける場合に気をつけること
アパートでも表札をつけるメリットとしては、前述したように、友人が自分の部屋を訪れる際に、迷わずに来ることができる点や、郵便物や宅配の誤送も防ぐことができることが挙げられます。
しかし、デメリットとされているように、家族全員の名前を載せることは避けた方が良いでしょう。
その部屋の住人の家族構成や性別も知られることになってしまい、何らかのトラブルに巻き込まれる可能性も出てくるので、名字のみを表記することが推奨されています。
単身者向けのアパートの場合は、女性が住んでいることをイメージさせるようなものも避けた方が良いでしょう。
また、名前を特定できないように、名字を漢字ではなく、ひらがなやアルファベット表記にすることをおすすめします。
その他にも、あまりに個性的なものやポスター、手書きの絵などは、アパートのイメージダウンにつながる恐れもあり、大家さんや管理会社の方から注意を受ける場合も考えられますので、気をつけましょう。
これらのことを頭に入れながら、今回ご紹介した表札の作り方を参考にして、ぜひ試してみてください。
アパートの表札をオシャレにする場合はさりげなく
アパートに表札をつける目的は、部屋番号の明記と自分の居住を示すことです。
あまりに目立つ表札にしてしまうと、何らかのトラブルに巻き込まれる危険性も出てきます。
また、アパートの景観を損ねることも、好ましくありません。
オシャレな表札にしたい場合も、マナーを守りつつ、隣人の邪魔などにもならないように、さりげないものを作ってつけることをおすすめします。