土地や建物といった不動産を取得すると、登記をすることは多くの方がご存知のことと思います。
登記には種類があり、各登記によって必要な書類が異なります。
例えば売買による所有権移転登記をする場合には、住民票も必要書類のひとつとされています。
この記事では不動産購入後に必要な、所有権移転登記の必要書類を中心にお話をしていきます。
提出する書類に期限の定めがあるのかについても触れていきますので、参考にしてください。
所有権移転登記とは?登記期限はあるの?
土地や土地に定着している建物などは、不動産と呼ばれています。
それ以外は動産と呼ばれていますが、動産と比較すると不動産は所有権などの権利関係がさまざまであるといわれています。
そのため不動産取引をする際は、民法などの法律に則り、慎重かつ厳正に行わなければなりません。
そんな不動産取引の代表例としては売買取引が挙げられ、中には実際に売買取引により不動産を購入した方もいるかと思います。
その場合、その不動産の所有権は売主から買主に移転することになりますね。
このときに行う登記を「所有権移転登記」といいます。
不動産の所有者が変わった際に行わなくてはならない登記ですが、法律上この登記を行う期限はないようです。
そのため「いつまでに行わなくてはならない」という定めはないようですが、手続きを怠ったがゆえに、不動産の権利を失ってしまったというケースは驚くほどたくさんあります。
ですから不動産を購入した際は、すぐに所有権移転登記を行うことがとても重要といえます。
可能であれば、売買契約を締結した日のうちに申請するのが望ましいといえるでしょう。
また所有権移転登記を行わない限り、その不動産の所有権は売主のままですから、自分に所有権があることを第三者にも証明するためにもすみやかに行うことをおすすめします。
この登記を行うには住民票などの書類を用意してから手続きを行うことになります。
必要書類については、後ほどご紹介しましょう。
所有権移転登記の手続きをするには
では実際に売買取引により不動産を購入したとき、どのように所有権移転登記を行えば良いのでしょうか。
ここで、この登記の手続きの流れをご説明していきます。
手続き方法はいたってシンプルで、必要書類を用意して提出するだけです。
手続きを行う場所は法務局ですが、ご自宅から一番近い法務局とは限りません。
対象の不動産の所在地を管轄する法務局ですので、どこの法務局でも良いというわけではないのです。
そのため、事前に管轄の法務局がどこなのかを、法務局のHP等で調べてから行くようにしましょう。
このとき必要書類を持参するわけですが、そのひとつとして挙げられるのが住民票です。
ここで気になってくるのが「提出する住民票に期限の定めはあるのか」ということではないでしょうか。
次の項でお話ししますので、参考にしてください。
提出する住民票には期限の定めはあるの?
購入する不動産の所有権移転登記を行う際は、必要書類を用意することが必須です。
必要書類のひとつに住民票があるとお伝えしましたが、厳密にいうと住民票の写しです。
では、所有権移転登記時に提出する住民票の写しに、期限の定めはあるのでしょうか。
ほかの登記でもありますが、よく「発行日から3か月以内のもの」と期限が定められていることがありますよね。
住民票の写しも3か月以内のものでないとだめなのでは、と思う方もいるかもしれません。
しかし、所有権移転登記で買主が提出する住民票の写しに、期限の定めはありません。
いつ発行したものでも大丈夫ですので、3か月より前に発行したものでも支障はないそうです。
ただし法人の場合は注意が必要です。
買主の方が法人の場合は、住民票ではなく、会社の登記事項証明書(全部事項証明書もしくは代表者事項証明書)が必要です。
この書類の場合は、3か月以内のものと定められていますのでご注意ください。
住民票ではなく別の書類でもOKな場合も!
所有権移転登記時に、買主が住民票の写しを提出する理由としては、買主の住所を証明するためといわれています。
そのため住民票の写しではなく、別の書類でも良い場合もあります。
例えば以下のようなものです。
●戸籍の附票
市区町村の役所で発行することができますが、本籍地でのみ取得が可能なようです。
●印鑑証明書
こちらも市区町村の役所で発行が可能で、住所を証する書類として利用されています。
印鑑証明書の場合は、発行から3か月以内のものと期限が定められていることがあります。
以上の書類があれば、住民票の写しがなくても住所を証明することが可能となり、所有権移転登記を行うことができるでしょう。
これらのほかにも所有権移転登記時に必要な書類がありますので、次の項でご紹介していきましょう。
住民票以外にはどんな書類が必要?期限はどうなの?
不動産を購入すると必要になる所有権移転登記ですが、住民票以外にはどんな書類が必要となるのでしょうか。
住民票以外の必要書類は、まず身分証明証です。
運転免許証やパスポートなどを用意し、有効期限が切れていないかを確認しておきましょう。
万が一有効期限が切れていると、それらで身分を証明することができません。
もし所有権移転登記を司法書士に依頼している場合は、委任状(認印)も必須です。
委任状の有効期限も法的な規定はないので、期限の定めがないことが多いです。
しかし「委任状の作成日から3か月以内」を有効期限としていることもありますので、ご注意ください。
また一般的な売買契約の場合、連帯保証人をつけることもありますので、そのときは連帯保証人の印鑑証明書に加えて実印も必要となるでしょう。
これらを用意すれば、あとは申請の手続きをすれば完了といえます。
では所有権移転登記をする際に、費用はかかるのでしょうか。
次の項でご説明します。
住民票取得など…所有権移転登記にかかる費用は?
この記事の最後に、所有権移転登記にかかる費用についてお話をしていきましょう。
まず、ご紹介した必要書類を集めるための費用が挙げられます。
各自治体などでもしかしたら金額に差があるかもしれませんが、住民票であれば1通300円ほどで発行することが可能です。
もし印鑑証明書が必要な場合は、450円ほどで取得することができるでしょう。
ほかには、登録免許税という税金がかかります。
原則として売買の場合には、「不動産の固定資産税評価額×2%」の計算式から算出された税額を支払うことになるでしょう。
評価額が2,000万円の不動産であれば、「2,000万円×2%=40万円」を支払うことになります。
さらに、この登記を司法書士に依頼する場合は、その報酬も支払わなければなりません。
報酬の目安は、どこまでの内容を依頼するかや、司法書士事務所によって異なるのではっきりとはいえませんが、おおよそ3万円~5万円ほどが目安とされているようです(登録免許税は別途)。
そして、登記を行う法務局までの交通費も自費となります。
以上のような費用がかかるようですので、書類の期限ともども頭に入れておくと良いかもしれません。
書類の期限を確認し所有権移転登記を行おう!
不動産を購入すると、所有権移転登記が必須となります。
そのときは必要書類を用意しなくてはならなく、そのひとつである住民票の写しに期限の定めはありませんので、少し前に発行したものでも支障はないようです。
一緒に提出する身分証明書の期限が切れていれば、身分を証明することはできませんので、運転免許証やパスポートの期限は確認しておくようにしましょう。
ほかの書類の期限も確認しそろい次第、管轄の法務局で所有権移転登記を行いましょう。