所有の土地と隣接する土地で境界線ははっきりしていますか。
ブロックなどがなく境界線があいまいだと、後々トラブルに発展するケースも少なくありません。
境界線をはっきりとさせておくことで、思わぬトラブルに見舞われることもなく、ご近所と良好な関係を続けていけるでしょう。
では、その境界線はどのようにしたらいいのでしょうか。
土地の境界線はブロックやフェンスなどではっきりさせておこう
地積測量図に記載されている所有の土地と、実際の土地の状況が相違すると、思わぬトラブルに発展しかねません。
例えば、「所有する敷地内に隣の垣根がつくられていた」というようなことです。
所有する土地と隣接する土地の境がはっきりしないとそのようなトラブルに見舞われる可能性もありますから、境界標に基づき、はっきりせておくことが大切です。
境界標とは、所有する土地と隣接する土地や道路との境を示す目印です。
所有する土地と隣接する土地との境界線は「隣地境界線」と呼ばれます。
所有する土地と道路との境界線は「道路境界線」と呼ばれます。
土地の隅などに打ち込まれている四角い杭をみかけたことはありませんか。
四角い杭には赤い矢印などの目印がかかれていて、境界がわかるようになっています。
では、その境界標に基づき、土地の境をはっきりさるためにはどうしたらいいのでしょうか。
簡単な方法ですと、境界標と境界標をつないだ境界線上にブロックやフェンスなどを設置することです。
しかし、ブロックやフェンスなどで境界線をはっきりさせたいのに、境界標が見当たらない場合も考えられます。
次項にてご説明します。
ブロックやフェンスなどで境界をはっきりさせたいのに境界標が見当たらない?!
境界標は境界線を示す大切な役割があるにもかかわらず、ときに見当たらないという事態がおきることがあります。
なぜ境界標が見つからないのでしょうか。
それは、地震や洪水、土砂崩れなどの自然災害によって境界標がずれてしまったり、なくなってしまったりする場合と、はじめから誤った位置に設置されている場合などが考えられます。
その他にも、電柱やマンホールなどの修繕作業などで境界標がずれてしまうこともあるようです。
このように、境界標がはっきりしない場合は、土地家屋調査士に依頼し、正確な境界線を確定してもらいましょう。
新たな境界標により正確な境界線がわかるようになります。
この境界標を設置する費用負担については折半することが原則となっていますので、話し合いが必要になり、共同で設置することが望ましいとされています。
話し合いのもと、境界標に基づきブロックやフェンスなどで隣地境界線をはっきりさせておくことで、先々トラブルに見舞われることもないでしょう。
所有の土地と隣接する土地の境界線にブロックやフェンスを設置するなら?
隣接する土地との境界線上にブロックやフェンスを設置する場合、お互いの話し合いが必要になります。
隣地境界線上は距離のある施工となってきますので、やはり費用面から考えてもコストのかからない方法を選ぶ方が多いようです。
なかには境界線上にブロック2~3段だけの設置という場合もありますが、境界線こそはっきりしているものの跨げば軽く超えられてしまう高さより、フェンスで高さを出すほうがおすすめです。
また、コスト重視となるとデザイン性は求められないでしょう。
そのようなことを踏まえ、隣地境界線上では多くの場合でブロック数段にメッシュフェンスという設置方法が選ばれているようです。
メッシュフェンスは
・目立たない
・安い
・施工が簡単
などの特徴から、隣地境界線への設置に向いているようです。
なお、お互いの同意があってから設置するなら問題はありませんが、万が一、設置に向けて話し合いの糸口がみつからないといった場合は、境界問題の専門機関に相談してみるのもいいでしょう。
境界線上ではなく所有する土地に境界を設置するなら?
隣接する土地の相手との話し合いで同意が得られなかったり、どちらかがデザインに強いこだわりをもっていたりする場合もあるでしょう。
その場合、隣地境界線上ではなく敷地内、つまり所有する土地で隣地境界線より内側に設置するのがおすすめです。
とはいえ、施工の前にはしっかりそのことを隣接する土地の方にも話しておきましょう。
デザインにこだわるならブロックとフェンスといった低コスト重視ではなく、費用はかかるもののデザイン性に富んだフェンスを選ぶこともできます。
ブロックもコンクリートブロックではなく、化粧ブロックやレンガといったこだわりを出せます。
しかし、注意しなければならない点もあります。
例えば、高い塀を設置することで隣接する土地の建物に対し、
・日当たりが悪くなってしまう点
・災害時に塀が倒れた場合、建物へ損害を与える可能性がある点
このようなことが起きないように高さを考えて設置をしなければなりません。
他にも、建築基準法や地方自治体によって法令等がありますので、施工する業者に確認しながら決めましょう。
道路境界線はデザイン重視!こだわりを出そう!
境界線には、隣地境界線のほか、道路境界線があります。
道路境界線は、玄関付近のエントランス、つまりメインとなる場所が多いでしょう。
そのことから、ご紹介したような隣地境界線上のようなブロックやフェンスではなく、好みのデザインでこだわりを出す方が多く見受けられます。
では、メインとなる場所において道路境界線と所有する敷地がわかるようにするためにはどのような方法があるのかご紹介します。
●レンガやインターロッキングブロック
道路境界線より内側にレンガやインターロッキングブロックなどを埋め込むことで敷地内とわかりやすくする方法です。
道路との見た目が違うだけで「所有する土地」であることをわかりやすくすることができます。
これであれば、フェンスなどの囲いがなくても敷地内ということが一目でわかりますね。
また、近年このようなオープン外構は特に人気があるようです。
●門扉やカーガレージを設置
道路境界線の距離があるなら、スライド式の門扉をつけてみてはいかがでしょうか。
所有する土地をしっかり囲うことができるので安心できるでしょう。
また、マイカーをお持ちであればカーガレージを設置するのもおすすめです。
シャッタータイプであれば防犯性に優れていますし、跳ね上げタイプであれば圧迫感なく、使い勝手がいいでしょう。
道路境界線は一ヵ所とは限らない?
道路境界線は一ヵ所とは限らない場合もあります。
例えば、角地であれば、メインの場所の他にも道路に面する境界があることになります。
メインではない場所は防犯面やプライバシーの観点からもブロックとフェンスのセットにして囲うことで安心できますね。
この場合、距離があるようなら、隣地境界線でご紹介したブロックとメッシュフェンスが低コストで設置できるのでおすすめです。
しかし、道路に面する場所ですから、やはりデザインにこだわりをもつ方も多くいます。
●目隠しフェンス
ブロックの上に目隠しフェンスを設置することで、視線を遮り安心して生活することができます。
●鋳物フェンス
化粧ブロックなどを数段積み、鋳物フェンスを設置します。
鋳物フェンスはさまざまなデザインから選ぶことができます。
●天然木風フェンス
化粧ブロックなどを数段積み、人工木材などでつくられたラティスを設置します。
木の見た目から、ぬくもりが感じられるでしょう。
●竹垣フェンス
和風の建物なら、竹垣フェンスがおすすめです。
樹脂製でつくられているので好みの色を選べるうえに、長持ちします。
このように、道路境界線の内側となる場所に目印やブロック、フェンスなどで囲うことで、所有する土地に侵入者が入ることを予防するといった効果を期待できるでしょう。
境界線はブロックやフェンスではっきりさせておくことでトラブルを回避しよう
隣地境界線はブロックやフェンスなどではっきりさせておくことで、ご近所との思わぬトラブルを防ぐことができるでしょう。
隣地境界線をはっきりさせるためにどのようにするのかをしっかり話し合ってから設置することが大切です。
また、道路境界線は、メインとなる場所ではデザイン性にこだわった外構にするのがおすすめです。
さらに角地などであれば、道路境界線より内側にブロックやフェンスなどで所有する土地を囲うことことにより、防犯性を高めることができるでしょう。