アパートやマンションに住んでいて、廊下や駐車場、階段などの共用部分が汚いと、とても嫌な気分になりますよね。
そもそも共用部分は、借主と貸主でどちらが管理しなければいけないか、ご存知でしょうか。
管理費を支払っていることから、疑問に思っている方もいるかもしれません。
このような共用部分の管理のことを踏まえて、どのように対処していけばいいのかをまとめます。
5つのアパートに住んだ経験がある筆者の体験談も織り交ぜてお伝えします。
管理費を払っているのにアパートが汚い!?共用部分の掃除は誰がするの?
アパートの共用部分は、管理会社や大家さんが管理することになります。
貸主には、入居者の安全で快適な暮らしを守るために、やらなければいけないことがたくさんあります。
共用部分は、住民がマナーを守って生活していても汚れてしまうものです。
コンクリートの継ぎ目から雑草が生えたり、枯れ葉が落ちて廊下に積もったり、ゴミが飛んできて駐車場に散乱していたりするかもしれません。
廊下で蜘蛛が発生したり、鳥や野良猫のフンが落ちていたりすることもあるでしょう。
住民の誰かが意図的に汚したのであれば、自分で掃除するのが社会人としてのマナーですが、こうした自然な汚れについては、貸主に掃除する義務があります。
管理費は、「貸主がそのアパートのために十分な管理ができる保障」と考えていいでしょう。
定期的に掃除することが必要になります。
共用部分の掃除については管理会社・大家さんに確認!管理費の支払い拒否はNG
アパートの共用部分は、汚れるだけでなく劣化していきます。
マンホールの蓋にヒビが入っていたり割れてしまったり、階段が滑りやすくなっていたり、駐車場のブロックが割れていたりすると危険です。
特にお子さんのいるご家庭では、ストレスに感じることもあるのではないでしょうか。
アパートで、共用部分の汚れや劣化がひどく、その場所での生活が嫌になるほどであれば、貸主に連絡することをおすすめします。
管理会社と大家さん、どちらが貸主なのかを確認して、貸主に連絡しましょう。
管理費を支払っていれば、貸主が掃除やメンテナンスを行ってくれるかと思われます。
ほとんどの場合は、連絡すればすぐに対応してくれると思いますが、数日かかる場合もあります。
数日間待っても対応してくれない場合には、念のためもう一度連絡してみましょう。
状況によりますが、共用部分の掃除や補修などについて住民からクレームが来ることは珍しいことではありません。
しかし、いくら待っても、何度か連絡しても対応してくれないこともあるようです。
そうした場合には、管理費の支払いを拒否したいと思われるかもしれませんが、まずは問題となる部分の写真を撮影し、貸主に相談してみるといいかもしれません。
アパートによって基準は違う!
アパートの中には、共用部分が不衛生で気になる状態となっている場合もあるでしょう。
このような場合、貸主に疑問を抱く方もいるかもしれません。
しかし、貸主が業者にすべてお願いしている場合があります。
また、掃除やメンテナンスは貸主の義務だということになっていても、高齢だったり忙しかったりして、すぐには対応できないケースもあります。
消費者センターや宅建協会でも相談できますが、まずは状況をくわしく知ることをおすすめします。
気になっているのが「汚れ」だけであれば、人それぞれで感じ方は異なります。
他の住民と話す機会があれば、どう思うか尋ねてみてもいいでしょう。
筆者は以前、陽気な住民ばかりが住んでいる、家賃の安いアパートで生活したことがあります。
共用部分で住民がバーベキューをしていて階段が焦げてしまいましたが、大きな問題にはなりませんでした。
管理費を支払っていても、アパートの衛生面、安全面の基準は一定とは言えず、アパートそれぞれで違うこともあります。
契約前の内覧の際に共用部分も確認して、後々に不満が残らないようにするのが、一つの対策と言えるでしょう。
また、住んだあとに意見を聞いてもらえるようにするためにも、自分がマナーを守り、家賃の延滞などをしないようにすることや、部屋の中やベランダなどを清潔に保つことが大切です。
アパートが草だらけ!雑草の処理は誰の仕事?
アパートの管理費を支払っているなら、共用部分の掃除やメンテナンスは貸主にお願いするのが一般的です。
目立つゴミや汚れは掃除してもらえても、雑草の処理が遅い場合があるかもしれません。
どの程度伸びたら抜きたくなるかということは人によって違い、少しでも生えたらすぐに抜きたいという方もいるでしょう。
膝くらいまで伸びても気にならないという方もいると思います。
アパートの敷地内で共用部分なら、雑草が伸び放題にならないように貸主がお手入れをするはずです。
しかし、こまめに来るのが無理な場合もあります。
除草剤を撒けば、一定の期間は雑草除去をする必要がありませんが、有害な薬を家の近くに撒かれるのが嫌だと思う住民もいるでしょう。
また、目立たない部分に小さな雑草が少しだけ生えているくらいであれば、連絡するほどではないかもしれません。
定期的に掃除、雑草抜きに来てくれているなら、それほど悪い管理状態ではないと考えられます。
どうしても気になるなら、自分でちょこっと抜いてしまうのもいいかもしれません。
その際には軍手やゴム手袋は必ずつけてください。
トゲトゲした雑草もありますし、気持ちの悪い虫がいる可能性もあります。
怪我はしないようにしてくださいね。
アパートのゴミ置き場の掃除について
アパートの管理費には、ゴミ置き場の掃除や管理費用も含まれているのでしょうか。
答えは、共用部分なら「イエス」です。
アパートから離れたところにあるゴミ置き場は、当然のことですが貸主に掃除の義務はありません。
アパートの敷地内のゴミ置き場なら、衛生管理は貸主の務めになります。
ゴミがいつも散乱していたり臭いがひどい場合には、貸主に連絡して相談してみてください。
しかし、「バレなければいい」とルールを破ってしまうマナーの悪い住民がいると、いつになっても事態が改善しないおそれもあります。
徹底した管理をしている場合には、ゴミの日前後には必ずチェックし、掃除が行われることもあるようです。
監視カメラを取り付けていたり、貼り紙をしていることもあります。
しかしながら、アパート経営にかけられるお金と労力が限られている場合、なかなかキレイな状態にならないこともあるでしょう。
状況を変えたいのであれば、貸主に敵対するような態度をとるよりは、協力している姿勢を見せることが役立つでしょう。
「いくら管理費を払っていても…」貸主の義務とは?
アパートの劣化や汚れ、そこで起こるトラブルを放っておくと、住民が一人、また一人と減っていくかもしれません。
共用部分の掃除や老朽化した部分のメンテナンス、設備交換は、管理費を払っている以上は貸主にお願いできることです。
また、駐車場などに不法投棄された粗大ゴミ、水回りのトラブルなども連絡して対応してもらうことができます。
そして貸主には、このような「建物」に対する管理義務だけではなく、「人」に対する管理義務もあります。
家賃の滞納があれば催促し、騒音などのクレーム対応を行いますし、住民同士のトラブルも見過ごせません。
とはいえ、住民のすべての希望をかなえてくれるわけではありません。
騒音対策として防音工事を要求したり、監視カメラの設置をお願いしたり、まだ使える設備の交換をお願いしたりしても、貸主に従う義務はないのです。
また、アパートに隣接している道路についても、管理義務はありません。
公道なら地方自治体、私道なら所有者に連絡し、対応してもらうことをおすすめします。
アパートの共用部分は貸主にお任せしよう
アパートの共用部分の管理・清掃は、貸主に管理義務があります。
管理費を支払っているのであれば、不衛生な場所を無理をして自分で掃除したり、勝手に除草剤を撒くようなことはしないほうがいいでしょう。
すぐには対応してもらえなくても、はじめのうちは、貸主に何度か連絡して様子を見てください。
「もう、こんなアパートに住みたくない!」と我慢の限界を迎える前に、適切な窓口、親身になってくれる人に相談しましょう。