アパートの賃貸借契約書をもらえないのはなぜ?契約書は重要

アパートを借りる時というのは、いろいろと忙しいものです。

忙しくて、やらなければいけないことを忘れてしまったり、手続きが遅れてしまうこともあるかもしれません。

契約書などの書類も、いつごろまでに渡されるのか確認しないまま時間が経ち、1ヶ月以上経ってももらえないということがあるようです。

契約書がすぐ手元に届かない理由として考えられることや、どう対処したらいいのか、ということについてご説明します。

後半では、契約書の項目でチェックしておくべきポイントについてもお伝えします。

アパートを契約したのに契約書がもらえない!?

アパートの契約書(賃貸借契約書)は、契約時にすぐにもらえることが多いため、なかなかもらえないと不安になることがあるかもしれません。

契約日から何日か過ぎ、家賃支払日になっても届かないことがあるようです。

めずらしいケースですが、「渡されていない」と不動産会社に連絡したのにもかかわらず、契約から2ヶ月近く経っても送られてこないこともあります。

賃貸にお住まいの経験がある方なら、「これはおかしい」と気が付きますが、はじめてアパートに住むような場合、契約書を渡されなくても、そのまま月日が過ぎてしまうかもしれません。

そんな時に、「貸主側に何か意図があって、渡さなかったのだろうか」と思ってしまうことがあるかもしれませんが、契約書を渡さないことで貸主が得をするようなことはありません。

もし、契約日から契約書を渡されるまでの間に時間がかかっている場合は、不動産会社に問い合わせをしてみましょう。

契約書がもらえないのはなぜ?不動産会社に確認してみよう

アパートやマンションの賃貸借契約書は、借主側の署名と捺印だけで完成するわけではなく、貸主側(大家さん)のものも必要です。

さらには、契約書の割り印も必要になります。

そのため、借主が署名・捺印をした書類を不動産会社が預かり、後で貸主の署名・捺印をお願いしに行き、すべて不備のない状態にしてから借主に契約書を届けるまでに、ある程度の時間がかかります。

大家さんが忙しくて、すぐには対応できないこともあるかもしれませんし、不動産業界の繁忙期などは処理するのが遅れることもあるようです。

「もう控えは渡した」と勘違いしている可能性もありますし、契約書を紛失してしまった可能性もあるでしょう。

しかしながら、賃貸借契約書は重要な書類です。

もらえないからといってあきらめてしまうのではなく、念のため手元に無いか確認したうえで、不動産会社に確認してみることをおすすめします。

アパートの契約書がもらえないとしても家賃は払うべき

アパートの契約書はもらえないのかと不動産会社の担当者に連絡しても、一向に送られてこないこともあるようです。

そんなときには、担当者以外の社員にも聞いてみましょう。

大家さんに聞くという手段を選ぶ方もいるようですが、契約時に不動産会社を介している場合は、直接大家さんに聞くのは少し待ったほうがいいかもしれません。

大家さんが近くに住んでいて頻繁に会う機会があるなら、さりげなく聞いてみてもいいと思いますが、そうでないなら不動産会社とやり取りするようにしましょう。

契約書が手元に届いていないという連絡をして、契約日から1ヶ月くらい待ってみても、なお渡されないようなら、大家さんや不動産協会に相談してみてください。

「もしかしたら契約内容を勝手に書き換えてしまうかもしれない」と不安になる方は、最初にご自分が署名・捺印した書類のコピーをもらい、正式な契約書が届くまで保管しておくこともできるでしょう。

賃貸借契約書が届くのが2ヶ月以上も遅れるというのは、通常は考えにくいことであり、その不動産会社に不信感を抱いても無理はありません。

しかし、契約した以上は家賃の支払いが発生します。

「契約書が届いていない」という理由で家賃を支払わないというのは、借主側にとって不利になりますので、注意してください。

アパートの賃貸借契約書と重要事項説明書の内容が違う!?優先されるのは

アパートの契約書をいつまで経ってももらえない場合、考えられる理由と対処法についてお伝えしてきました。

アパートの契約の際には賃貸借契約書だけではなく、重要事項説明書を読むことになります。

重要事項説明書とは、その名の通り契約する物件について重要なことを記載した書類のことです。

これがあることによって、賃貸借契約書で契約を結ぶ前に、物件の詳細についてくわしく確認できるのです。

IT重説という方法もあり、インターネットなどから重要事項について、事前に把握しておくことができる場合もあります。

対面での契約時の流れとしては、まずは不動産会社が重要事項説明書に書かれている内容を借主に説明します。

そして、借主は重要事項説明書に署名・捺印します。

その後に、賃貸借契約書に署名・捺印し、そこではじめて契約が成立します。

この2枚はどちらが重んじられるのかというと、契約書のほうです。

そのため、もし契約書と重要事項説明書の内容が違っていた場合、優先されるのは契約書です。

次項では、契約書の中で見ておくべきポイントをご説明します。

賃貸借契約書はここを確認!

アパートの賃貸借契約書の項目の中で、確認すべきポイントはどこなのか知っておきましょう。

物件の名前や住所、構造、間取りなど基本的な情報に目を通すことはもちろんのこと、契約期間や費用面についての項目もチェックすることをおすすめします。

契約期間は、必ずしもその期間限定で住まなくてはいけないというわけではないことが多いですが、更新がいつになるか確認しておきましょう。

更新料を忘れていると、更新直前になって慌ててしまうことがあるかもしれません。

そして、附属品や残置物についても書かれていると思いますが、この項目を見落とさないようにしましょう。

残置物は、前の住人が置いていったものであり、故障したとしても貸主に修理する義務はないとされています。

つまり残置物があり、壊れた際には、入居者が修理費を受け持たなければならないこともあるということです。

また、長い期間住んでいると、自分で購入したものを附属品だと勘違いしてしまうこともあるかもしれないので、この項目の確認をすることをおすすめします。

契約書や重要事項説明書がもらえない場合に、連絡をして届けてもらうことが必要なのは、後々こうした項目のチェックができる、という理由も挙げられるでしょう。

ここもチェック!お金にかかわる契約書の項目

上記の他にも、アパートの賃貸借契約書で見るべきポイントはあります。

●連絡先

貸主と管理業者(不動産会社)の連絡先が書かれているので、控えておくことをおすすめします。

不動産会社は、インターネットで検索すれば連絡先や住所は知ることができますが、大家さんの個人情報はそういうわけにもいきません。

また、契約・解約の際に対応するところとトラブル時に対応するところは別だということもあるので、よく確認しておきましょう。

●お金にかかわる項目

違約金が関係する禁止事項や解約通告期間など、お金にかかわる項目はよく確認しておきましょう。

解約通告期間とは、引っ越しをする前に事前に連絡することが求められている期間のことです。

解約日の1ヵ月前に連絡すると決められているのにそれを過ぎてしまうと、引っ越した後も家賃が発生してしまう可能性があります。

さらに、修繕費用についての項目も忘れずにチェックしてください。

住んでいて、修繕が必要になった時にどうすべきか把握しておけば、いざという時に役立つかもしれません。

契約書には、知っておかないと損をする可能性がある内容も書かれていますので、もらえないままあきらめてしまうのではなく、催促して渡してもらうようにしましょう。

アパートの契約書は大切!しっかり保管しておこう

賃貸借契約書は、貸主と借主、そして不動産会社の合意のもとに契約した証拠であり、貸主だけでなく借主も持っておくものです。

時間が経ってももらえない場合は、不動産会社に確認してみましょう。

遅くても、契約日から2ヶ月以内には渡されるのが一般的です。

契約時にしっかり目を通すこともおすすめですが、その時間がないこともあるかと思いますので、ここでご紹介したチェックポイントを参考にして確認してみてください。