【アパートの名義変更】離婚後に必要な手続きは抜かりなく

「夫が契約していたアパートに、離婚後も住み続けることができるのだろうか」と不安に思っている女性もいらっしゃるのではないでしょうか。

離婚するとなると、たくさんの手続きが必要になり、難しい話し合いも乗り越えなければいけませんよね。

アパートの名義変更や光熱費、車の名義変更など、離婚前に知っておきたいことをお伝えします。

離婚後はアパートの名義変更が必要?手数料がかかるケースも

夫婦でアパートを借りる場合は、夫が契約者になるケースが多いと思います。

紆余曲折を経て、離婚することが決まり、アパートから夫が出ていくことになった場合は、契約者の名義変更を行う必要があります。

管理会社や大家さんに連絡し、離婚する意志を伝え、必要な手続きについて聞いてみてください。

「名義変更だけでいい」という場合もありますし、「再契約が必要」だという場合もあります。

名義変更だけで引き続き住むことができる場合には、事務手数料がかかることがあります。

書類上の変更だけなのですが、1万円以上の金額を請求されることもあるかもしれません。

なぜお金がかかるのかというと、保証会社への申請、その他の審査などの事務手続きが必要になるからです。

というのも、離婚後に経済力や家庭環境などが変化するケースもめずらしくないようです。

家賃の延滞を防ぐ意味でも、再び信頼関係を築くという意味でも、貸主側は慎重に対応することが多いでしょう。

名義変更ではなく再契約になる?離婚を隠してアパートに住み続けると

さきほども少し触れましたが、離婚が原因のアパートの名義変更は、「再契約」という形をとって対応される場合があります。

再契約することになると、そのアパートを契約したときの初期費用がかかってくることもあり、敷金、礼金などのお金が必要になることもあるでしょう。

夫名義の契約で預けられていた敷金が返却される際には、夫が受け取ることになるかもしれません。

再契約が必ずしもできるわけではなく、「収入が不十分」と判断されれば審査に落ちることも考えられます。

連帯保証人の署名捺印と求められることもありますし、保証会社と契約することになり、契約料が別に発生することもあります。

しかし、こうした手続きやお金の支払が面倒で、離婚したことを貸主に隠しておくことには問題があります。

契約違反ということになりますので、貸主に知られたら厳重注意、または退去することになる可能性があります。

もし、そのアパートで火災や事故などを起こしたら、契約者に連絡が行きますので、トラブルに発展することも考えておかなくてはいけません。

準備が大切!離婚前に話し合えれば

アパートに住み続けることを決めようとすると、高いハードルが待ち受けているということを理解していただけたでしょうか。

ですから、離婚後ではなく、離婚前の準備の段階で確認しておきましょう。

名義変更するにせよ、再契約するにせよ、夫婦のどちらかだけで行うことは難しいです。

もし、夫が突然出て行ってしまったり、離婚前には話し合えずに離婚届にサインしてアパートに取り残されてしまったら、もう一度夫(元夫)と連絡をとり、話し合わなくてはならなくなるかもしれません。

話し合いに応じないようなら、法テラス(法律の無料相談)や、その他の法律相談窓口がありますので、相談してみてください。

市役所へ行けば、女性のための相談窓口を教えてもらえますので、一人で抱え込まないようにしましょう。

また、大家さんや管理会社にきちんと連絡することで、再契約の初期費用を全額請求されないケースもあるようです。

マナーを守って住んでいて、貸主と良好な関係性を築いていれば、相談しやすいかもしれませんね。

コミュニケーションをとっていなかった、という場合でも、いきなり追い出されるということはないでしょう。

アパートの名義変更だけじゃない、離婚後に必要な手続き一覧

離婚の際に考えることは、アパートの名義変更だけではありません。

分かっているつもりでも、精神的な疲れや忙しさで忘れてしまうこともあると思いますので、一覧でご紹介します。

●車や免許証の名義変更

●光熱費の名義変更

●国民健康保険・社会保険の扶養変更

●住民票の名義変更

●職場で社会保険の手続き、国民健康保険の加入

<子供がいる場合>

●入籍届の提出(母の戸籍へ子供の戸籍を移す)

●児童手当、こども医療費助成の名義変更

●学校、保育所、学童への連絡、手続き

●給食費や保育費の引き落とし口座の名義変更

●学資保険など保険関係の名義変更

免許証の名義変更などで、離婚後に名字や住所を変更しない場合には必要のない手続きもあります。

しかし、子供の学校や保育所には連絡しておいたほうがいいでしょう。

この他にも、医療費免除や手当など、経済的な負担を軽くする制度について調べ、絶対に損をしないようにしてください。

公共料金の名義変更も忘れずに

アパートの名義変更(再契約)とセットで意識しておきたいのが、公共料金の名義変更です。

引き落とし口座と名義が同じでないと引き落としされません。

妻が契約していて、離婚後に姓が変わったというだけでも、名義変更は必要になります。

事業者によっても方法は違うようですが、インターネットや電話、FAXなどで申し込むことができます。

NHK放送受信料、インターネット料金なども名義変更が必要になるでしょう。

アパートでは、光熱費の契約先が決められていることも多いですが、もし選べるのであれば、別の会社と比較してみることもできます。

特に、電気料金は選択肢が豊富になってきていて、会社を変えてプランや支払い方法を選ぶことにより、節約できるかもしれませんね。

次項では、離婚後の、車の名義変更について取り上げます。

離婚で車の名義変更!必要なものとは

離婚後、元夫が所有者の車を名義変更したい場合、アパートの契約と同じで簡単にはいきません。

●必要なもの(普通自動車)

・譲渡証明書
・新所有者の印鑑証明と実印
・旧所有者の印鑑証明
・車検証
・新しく使う人の車庫証明
・手数料
・手数料納付書
・自動車税・自動車税納付税申告書
・移転登録申請書

※新所有者・旧所有者、どちらか片方だけで手続きする場合は、行かない方の委任状が必要になります。

※軽自動車の名義変更は陸運局ではなく、軽自動車検査協会で、譲渡証明書は不要です。

●書類をどこで入手し、どこに出すか把握しておこう

譲渡証明書はインターネットから書式を見つけてダウンロードすることができますし、車検証は自宅か車で保管されていることと思います。

しかし、陸運局へ行かないと手に入らないようなもの(移転登録申請書・手数料納付書)があります。

また、税金の納付書などは保管場所を忘れがちで、いざという時に探し回ることになるかもしれません。

さまざまな手続きが必要になりますから、お子さんがいる場合は特に、離婚を衝動的にすることはおすすめできません。

準備に準備をかさねて行動に移さなければ、大変な思いをすることになります。

ご家族や友人、弁護士などに相談し、元気よく再スタートをきれるようにしてください。

離婚前の情報収集・準備はしっかりと

離婚後に、「離婚しなければよかった」と後悔する女性は少ないようですが、「大変だった」ということはよく耳にします。

事前によく調べ、必要なものや、やるべきことをリストアップしていれば、時間がなくてもスピーディに手続きを済ませることができるでしょう。

賃貸にお住まいの場合は、お金がいくらかかるかということはケースバイケースなので、事前に管理会社などに確認しておきましょう。