町家をリノベーションして、そこに住んだり店舗にしたりすることが、今、多くの人の人気を集めています。
ですが、この町家のリノベーションとは一体何なのでしょうか。
また、その費用は、どのくらいかかるのでしょうか。
今回は、町家のリノベーションにかかわる様々なことをご紹介していきます。
町家やそのリノベーションに興味がある人は、ぜひ読んでみて下さい。
「町家」「リノベーション」とは一体何?
今回は、町家のリノベーションにかかる費用をメインにお伝えしますが、その前に、「町家」や「リノベーション」が何なのかについてご紹介しましょう。
町家とは、「民家の一種」で、主に商家だった家などがそう呼ばれます。
そして、リノベーションとは、「物件の価値を高めるための改修」という意味です。
そのため、リフォームよりも大がかりな改修工事になります。
つまり、町家のリノベーションとは、「昔商家だった家を、価値を高めるために改修すること」です。
町家は、京都をはじめ、下町と呼ばれる地域に数多くありますが、持ち主の高齢化などで空き家も増えてきました。
しかし、昔の日本の面影が残る町家を気に入る若者は、意外と多いです。
古くても、人間本来のペースで生活できそうなところに、町家の魅力を感じるのでしょう。
実際に、「賃貸で住むなら町家が良い」という若者もいるくらいです。
しかし、そのままの町家に住むのには、耐震面などで不安が残りますし、やはり「古い建物の良さを残しながらも、オシャレな家に住みたい!」というのが、町家が好きな若者の正直な気持ちです。
そこで行なわれるのが、町家の長所を活かした改修=リノベーションなのです。
町家のリノベーションが人気な理由は他にもある!
先ほど、町家のリノベーションが人気な理由も併せてお伝えしましたが、今、町家のリノベーションが人気なのには、他にも理由があります。
家として住む以外に、町家に人気が出た背景には、
・外国人観光客の増加による、宿泊施設の需要の増加
・町家を活かした街づくりによる、街の活性化や若者定住の推進
などがあります。
実は、町家はその造りが原因で、夏は暑く冬は寒いのが難点です。
エアコンなどを設置しても暑さ・寒さがあまりしのげないとなれば、賃貸しようにもなかなか借り手が見つかりません。
そのため、今までは取り壊されることが多かったのですが、外国人観光客の増加に伴い、その環境が変わったのです。
外国人観光客が増えれば、その分、宿泊先が足りなくなります。
また、「せっかく日本に来たのであれば、より日本らしい宿に泊まりたい」と希望する外国人観光客も増えています。
とは言え、そのままではやはり宿泊先として選んでもらいにくいので、町家をリノベーションする必要があるのです。
さらに、街の活性化にも役立っています。
古い町家を若者向けのオシャレな店舗にすることで、若者が集まりやすくなります。
それが新しい価値をその地域にもたらすと、期待されているのです。
そうしたニーズの高まりを受けて、町家のリノベーションが今、様々な地域で人気となっているのです。
しかし、町家のリノベーションにはどのくらい費用がかかるのでしょうか。
次の章では、それについてお伝えします。
町家をリノベーションする費用の相場は?
では、町家のリノベーションにどのくらい費用がかかるのかを見ていきましょう。
まずは、その相場です。
町家のリノベーションでは、500万円~1,500万円くらいが相場であることが多いです。
とは言え、500万円~1,500万円ではかなり幅が広いので、不思議に思う人もいらっしゃるでしょう。
ですが、これにもやはり理由があります。
町家のリノベーションにおいて、相場が500万円~1,500万円と開いている理由は、
・町家の広さ
・リノベーションの範囲や程度
によって、費用が異なってくることが挙げられます。
もちろん、町家のリノベーションは、町家そのものの良さや質感を活かして行なわれることが多いです。
しかし、少しの範囲をリノベーションするのと、広い範囲をリノベーションするのとでは、それにかかる時間も労力も変わってくるので、それが費用にも反映されることになります。
そこで多くの人が気になるのが、「町家をどうリノベーションすると、いくらくらいかかるのか」という点ではないでしょうか。
それについては、次章でお伝えします。
町家の状態とリノベーションの仕方によって費用は変わる!
先ほどは、町家をリノベーションする際にかかる費用の相場についてお伝えしました。
ですが、実際のリノベーション費用は、その町家の状態やそこをどうリノベーションするのかによって大きく変わります。
例えば、きれいな状態で保存されていた町家をギャラリーや店舗として活用するためにリノベーションする場合です。
キッチンやトイレは店舗仕様にするものの、町家の雰囲気を変えないのであれば、300~500万円程度で済むこともあります。
一方、町家のリノベーションで「特に費用がかかる」と言われているのが、「京町家」です。
京町家とは、読んで字のごとく「京都にある町屋」のことです。
京都には、築100年を越える町家が数多くあり、それが外国人観光客にとっての「日本の宿」となり、大きな魅力の一つとなっています。
しかし、それだけ築年数が経っているということは、現在の建築基準に照らし合わせると、やはり耐震基準などを満たしていないことが多いです。
そのため、京町家を宿泊施設にするリノベーションでは、耐震のための基礎の改修工事(補強工事)をすることが多く、費用も上がります。
さらに、宿泊施設にするための全面的なリノベーションを行なうとなれば、やはりその費用は1,000万円以上かかることになるでしょう。
費用を抑えた町家のリノベーションは不可能?
では、費用を抑えた町家のリノベーションは不可能なのでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。
リノベーションの仕方によっては、その費用を抑えることは可能です。
もちろん、それには町家の状態も大きく関わってきますが、単に住まいとして利用する場合の町家のリノベーションであれば、それほど費用をかけずに行なうことができます。
例えば、町家のデメリットだけを解決するリノベーションです。
町家のデメリットには、
・設備が古い
・室内が寒い、暑い
・室内が暗いため、狭く感じる
という3点がよく挙げられます。
町家自体が古い住宅なので、トイレやお風呂、キッチンなどは新しくした方が住みやすいです。
また、断熱や採光に気を付けてリノベーションすれば、町家の寒さや暗さを解消することができます。
そして、室内の印象的な部分は、新しくするというより修復して残すのがおすすめです。
町家の持つもともとの価値や魅力を損なわない程度にリノベーションすれば、自然とそれにかかる費用も抑えられるはずです。
上手くいけば、300万円以下で行なうこともできるでしょう。
このように、費用を抑えつつも、町家の魅力あふれる快適な住まいを手に入れることは可能なので、上手にリノベーションして、町家の良さを後世に伝えていけたら良いですね。
町家のリノベーションで失敗しないために大切なこと
今回は、今、町家に人気が集まる理由や、リノベーションの必要性、そしてその費用などについてお伝えしてきました。
しかし、町家のリノベーションをしたい場合、どのようにすれば希望通りの結果になるのでしょうか。
そこで、最後に、町家のリノベーションで失敗しないために大切なことをお伝えしておきます。
町家のリノベーションで失敗しないためには、業者選びを慎重に行なうことが重要です。
さらに、
・リノベーションの内容
・リノベーションにかかる費用
などを明確にし、業者との打ち合わせや確認を入念に行なう必要もあります。
依頼主のイメージが業者に十分伝わらないと、「多額の費用をかけたのに、イメージと全く違ったものになってしまった」ということになりかねません。
また、町家のリノベーションでは、建築基準法や消防法などの関係で、増築ができないこともあります。
そのため、建築に関する法律も事前によく確認し、違反建築にならないよう注意しましょう。
自分が住むにしても、店舗などにして商売をするにしても、町家のリノベーション前は、情報収集と業者選びをしっかり行なって下さい。
町家のリノベーションは、やり方も費用も様々!
今回は、町家のリノベーションについてお伝えしました。
町家の状態やリノベーションの仕方によってかかる費用は異なりますが、生活のためのリノベーションであれば、工夫次第でその費用を抑えることは可能です。
また、リノベーションするにあたっては法律や業者選びなど、気を付けるべきこともありますが、事前の情報収集や打ち合わせなどをきちんと行えば、失敗は防げます。
町家に興味のある人は、情報を集めてみて下さい。