例えば、マイホームとして新築一戸建てを購入するときの費用は、土地と建築費だけだと思ってはいませんか?
また、マンションであれば、提示された販売価格だけ支払うと思っている方もいるでしょう。
しかしそんなことはなく、住宅の購入にはさまざまな諸費用がかかるのです。
この記事では、一戸建てやマンションなどの住宅購入時にかかる諸費用と、諸費用だけでどのくらいのお金がかかるのかをお話ししていきます。
住宅購入費は土地と建物代だけではない!
仮に、注文住宅の一戸建てを購入するとなったとき、住宅購入にかかる費用は、土地代と建築費だけだと考える方も多いでしょう。
建売住宅を例に挙げるとわかりやすいと思いますが、「2,500万円」と表記されている建売住宅の場合、「土地と建物のセットで2,500万円」ということになりますね。
このことからも、多くの方が、建売住宅以外の一戸建ての住宅を購入するときも、土地代と建築費だけがかかると思ってしまいがちなのです。
また、分譲マンションであれば、「3LDK2,980万円」と掲載されていることで、「3,000万円以内でマンションが買える!」と考える方もいることでしょう。
しかし、決してそのようなことはなく、住宅を購入するとなれば、土地代や建築費のほかにもさまざまな諸費用がかかります。
この記事では、一戸建てやマンションなどの住宅購入における諸費用についてお話ししていきますので、これからマイホームの購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
まずは諸費用には、どのような費用があるのかをみていきましょう。
次の項でお話ししていきます。
住宅購入における諸費用とは?
まず、住宅購入における諸費用がどのようなものかというと、簡単に言ってしまえば、税金や手数料などのことです。
この諸費用は住宅ローンとは別物扱いとなり、基本的には購入の際に現金で支払うことになります。
では具体的にどのような諸費用があるかを、ご紹介していきましょう。
住宅が一戸建てであろうと、マンションであろうと、住宅の種別に関わらず支払う諸費用は大きく4つあります。
一つ目は印紙税です。
印紙税とは、契約書に貼る印紙代を指します。
契約書に決められた額の印紙を貼り付け、割印を押すことで納税ができるのです。
住宅を購入する際には、さまざまな契約書があります。
「不動産の売買契約書」や「建設工事請負契約書」などの契約書があり、それぞれの契約書に印紙税がかかるのです。
二つ目は登録免許税です。
これは、登記の際にかかる税金のことを指します。
登記は、土地や建物の所有権などの権利関係を登記簿に記載することをいい、所有権を登記することで、第三者に「この土地と家は自分のものだ」ということを示すことができるのです。
この登記をするためには、登録免許税を納めなくてはなりませんから、この分のお金も用意しておきます。
三つ目は住宅ローンを組む際に支払う手数料です。
もちろん、住宅ローンを組まない場合は、この手数料はかかりません。
また、もしマンションや一戸建てなどの住宅を、仲介会社を通じて購入に至る場合には、仲介会社に手数料を支払うことになります。
この手数料を「仲介手数料」といい、仲介手数料の上限は「物件価格の3.24%+6万4,800円」です。
例えば、物件価格が3,500万円の場合は、
「3,500万円×3.24%+6万4,800円=119万8,800円」
を上限に、仲介手数料を支払うことになるのです。
上限とはいえ、仲介手数料だけでもかなり高額になることが予測できますね。
住宅によって変わる諸費用!注文住宅を購入する場合
購入する住宅によって、発生する諸費用も変わります。
特に注文住宅を購入する場合には、独特な費用が多いです。
例えば、地盤調査費が挙げられます。
これは名前のとおり、地盤を調査するための費用で、だいたい10万円程度かかります。
調査を依頼し、もし「地盤改良」と判断されれば、そのための工事費も別途で必要です。
また、土地に古い建物が建っている場合は、その解体費も支払うことになり、解体費は百万円単位であることもあり得ます。
さらに、住宅の設計を建築士に依頼する場合は「設計監理費」という諸費用もかかります。
この費用に関しては、建築工事費の10%前後かかることもあるでしょう。
ほかの諸費用としては、地鎮祭(10万円前後)や上棟式の費用(10万円前後)、水道管を設置する費用(数十万円)などが挙げられます。
マンションを購入する場合にかかる諸費用も!
先ほどは注文住宅を購入する際にかかる費用をご紹介しましたが、分譲マンションを購入する際にもかかる諸費用があります。
新築マンションの購入を申し込むときには、「申込証拠金」というものを不動産会社に支払います。
申込証拠金のおおよその目安は、2万~10万円ほどとされています。
無事に契約まで至った場合には、ここで支払った申込証拠金は手付金の一部となるのです。
万が一、マンション購入の申込みを撤回する場合には、申込証拠金として支払ったお金はきちんと返金されます。
中古物件などの仲介会社が入る物件であれば、申込証拠金は必要ないというケースが多いです。
ほかには、「修繕積立基金」というものを支払うことになります。
これは、マンションの共用部分の大規模な修繕工事に必要な費用をまかなうためのものです。
簡単に言ってしまえば、「将来必要となる修繕費の前払い」ということですね。
金額についてはマンションによって違いますが、数十万円かかるのが一般的といえます。
ここまで、注文住宅とマンションに必要な諸費用についてお伝えしてきましたが、では、住宅購入における諸費用の総額は、どのくらいかかるのでしょうか。
諸費用はどのくらいかかるの?
先ほどまで住宅購入における諸費用についてお伝えしてきましたが、これらの諸費用は総額にしてどのくらいかかるのでしょうか。
ここでは、3LDK~4LDKの住宅の場合でお伝えしましょう。
もし住宅の中でも、新築マンションを購入した場合の諸費用は、物件価格の3~5%ほどとされています。
ですから、物件価格が3,000万円だとすれば、90万円~150万円ほどの諸費用がかかることになります。
ではマンションではなく、新築一戸建ての場合の諸費用についてはどうなのでしょうか。
新築一戸建ての場合は、物件価格の6~13%ほどの金額がかかります。
そのため、物件価格が3,000万円だとすれば、180万円~390万円ほどかかることが想定できますね。
そして、これらの諸費用は基本現金で支払うことになりますから、住宅を購入するためには、多額のお金を用意しておかなくてはなりません。
住宅を購入する前には資金計画を十分に立てよう!
前項までに、住宅購入における諸費用は、基本的には現金で支払うことになるとお伝えしてきました。
諸費用だけでもかなりの金額でしたから、「こんなにお金を用意できない」という方もいるかもしれません。
しかし近年では、諸費用も住宅ローンを組むことが可能です。
あまりローンを組みたくないと思う方もいるでしょうが、手持ち金が足りない場合などは住宅ローンを利用することでまかなうことができます。
手持ち金がなくなってしまえば、念願のマイホームを購入しても苦しい生活を余儀なくされることもあり得ますから、住宅ローンを利用するのも手です。
しかし、諸費用も住宅ローンにするにせよ、住宅購入前には十分な資金計画を立てておくことが大切です。
特に住宅ローンを利用する場合は、毎月返済できる金額を算出しておくことが重要といえます。
念願のマイホームを購入したことで、持ち家貧乏になることのないよう、資金計画は十分に立てておきましょう。
住宅は多額!購入前の資金計画は綿密に立てよう!
住宅の購入は、提示された金額のほかにもさまざまな諸費用がかかります。
諸費用だけでも数百万円かかることも考えられますので、住宅の購入を検討している場合は多くのお金を用意しておかねばなりません。
マイホームを持てたとしても、生活が立ち行かなくならないよう購入前の資金計画は綿密にしてくださいね。