高さによって決まる!マンションのエレベーターの設置基準

賃貸物件を探している方のなかには、アパートではなくマンションを希望する方もいるかと思います。

マンションにはエレベーターが設置されていることが多いので、特に高層階に住む場合には便利ですよね。

そのマンションのエレベーターに設置基準があるのをご存知でしょうか。

この記事でご説明していきますので、一度目を通してみてくださいね。

マンションとアパートって何が違うの?

今、生活するための部屋を探している方もいることでしょう。

その中には、アパートではなくマンションを希望する方もいるかと思います。

まずここでは、アパートとマンションの違いについてご説明していきましょう。

アパートとマンションの違いは法的には明確な規定はされていません。

多くの場合、不動産会社や大家さんが決めていることが多いようです。

不動産会社がアパートかマンションかを判断する基準の例を挙げると、

●建物の構造

木造や軽量鉄骨造をアパート、RC造やSRC造、ALC造をマンションと区別しているようです。

構造によって建物の性能も違い、RC造などはコンクリートを使用するため高い防音性が期待できるといわれています。

●建物の階数

2~3階建てをアパート、それ以上をマンションとしている不動産会社もあります。

以上のようなことで、アパートかマンションかを決めていることもあるようです。

また、マンションにはエレベーターが設置されていることが多いです。

次の項ではエレベーターの設置基準についてご説明していきます。

マンションのエレベーターには設置基準がある

マンションに設置されていることが多いエレベーターには、設置基準が定められています。

どのように決められているかを、ここでご説明していきます。

エレベーターの設置基準は、建築基準法で下記のような内容の規定がされています。

・マンションを含めた建築物にエレベーターを設置する場合は、安全な構造であること

・エレベーター周辺の壁や入口付近は、防火性に問題のない構造でなくてはならないこと

・建物の高さが31メートルを超える場合には、非常用のエレベーターを設けること

非常用と書かれていますが、平常時は一般的なエレベーターと同様に使用することが可能です。

何階建てではなく、建物自体の高さによってエレベーターの設置が義務づけられています。

高さ31メートルは大体ではありますが、ビルやマンションの7~10階建てに相当するかと思います。

そのため、高さ30メートル以下の建物であれば、7階建てのマンションであってもエレベーターを設置しなくても問題はないことになります。

階段の上り下りするのが大変に感じる方は、エレベーターがマンションに設置されているかどうか、必ず確認しておきましょう。

エレベーターの設置基準には細かい規定が設けられている

高さ31メートル以上を超えるマンションには、非常用エレベーターを設置することが、建築基準法の設置基準として規定されています。

この非常用エレベーターとは、火災発生の際、消防隊が消火や救出活動のために使用するエレベーターをいいます。

あくまでも、マンションの高層階の消火や救出活動のために利用することを前提としているため、避難用ではないことを頭に入れておきましょう。

そして、消防隊が高層階に行くために必要なスペックが非常用エレベーターにないといけませんので、エレベーターの構造にも以下のような細かい規定が定められています。

・内部に専用の制御装置や通信設備を設置すること

・扉を開けたままでも昇降が可能であること

・昇降ロビーは消防隊の待機場所にできるほどの広さを確保してあること

・排煙できること

・停電時でも停止しないこと

非常用エレベーターは通常のエレベーターよりもコストがかかってしまいますし、万が一のときに不備があってはいけませんから、メンテナンスが頻繁に行われることもあるようです。

そのため、共益費・管理費が高く設定されていることもありますので、マンションを探す際は確認しておくべき点といえますね。

条例でエレベーターの設置基準を定めている場合もある

建築基準法とは別に、各地方公共団体によっては条例でエレベーターの設置基準を規定していることもあるようです。

例えば、「◯階以上の建物には、エレベーターを設置すること」と定められています。

ほかにも、「建築物の規模と用途によっては、2階建て以上の建物にエレベーターを設置すること」と定めている地方公共団体もあるようです。

そのため地域によっては、マンションの高さが31メートルより低い場合でもエレベーターを設置しなくてはいけない場合もあるようです。

エレベーターが設置されていれば日常生活を送るうえで便利といえますから、希望するマンションに設置されていれば嬉しいですよね。

しかし、エレベーターが設置されている場合は、注意していただきたい点がありますので、次の項でお伝えしていきます。

エレベーターが設置されているマンションの注意点

ここまでマンションのエレベーターの設置基準についてお伝えしてきました。

エレベーターがマンションに設置されていることで便利ではありますが、注意していただきたいことがありますので、ここでお話しします。

それは、先程も触れた「共益費や管理費」についてです。

これらは入居者が共同で利用する設備などの運営および維持・管理するために要する費用のことをいいます。

具体的な例をご紹介すると、共用部分の電気代・水道代、ゴミ置き場の清掃代などが挙げられます。

ほかにも、エレベーターの電気代や定期点検代なども含まれます。

そのため、エレベーターが設置されているマンションでは、その電気代をはじめとする維持・管理費用を、毎月の共益費や管理費の一部として入居者全員が支払うことになるのです。

ちなみに一般的な管理費は、家賃の5~10%程度で設定されているようです。

エレベーターが設置されていないマンションでも共益費などを支払うことがほとんどですが、エレベーターがあるかないかで、これらの金額も違ってくることが多いようです。

エレベーターが設置されているマンションのほうが、比較的共益費や管理費が高いことがほとんどです。

毎月の管理費などで苦しい思いをしないためにも、単にエレベーターの設置だけを見るだけでなく、どのくらいの管理費になるかも、物件探しの際は目を向けることを忘れずにしましょう。

特に高層階を希望する場合は要注意!

もうひとつ、マンションのエレベーターに関して注意していただきたいことがありますので、お話しします。

それは「エレベーターの待ち時間」です。

エレベーターの設置基準は、建物の高さが31メートルを超えたら設置することとお話の中でお伝えしましたね。

特に、高さが31メートルよりもはるかに高い、タワーマンションの高層階に住むことになった場合、1階からエレベーターが昇ってくるまで思いのほか時間がかかってしまうようなのです。

そのため、マンション自体は駅から徒歩3分以内にあっても、エレベーターの移動時間を含めたら5分以上かかってしまうこともあるようです。

なかには、「駅直結のマンションなのにもかかわらず、ホームに着くまで10分以上かかることがほとんど」という方もいるようです。

マンションとなれば、アパートよりも世帯が多いことがほとんどですから、通勤の時間帯が一緒の人も多くいることでしょう。

そうなれば、同じ時間帯にエレベーターを利用する人も多くなるわけですから、より1階に降りるまでの時間がかかってしまうことも考えられます。

せっかくのマンションでの生活も、こういった点で後悔してしまうのは嫌でしょうから、物件探しの際はこれらの点も意識して決めると良いかもしれません。

エレベーターのありなしだけでなく管理費なども忘れずにチェック!

マンションに設置されていることが多いエレベーターにも、法律で設置基準が定められています。

エレベーターが設置されていることで生活には便利ですが、エレベーターが設置されていることで、共益費や管理費が比較的高いことが多いようです。

またタワーマンションなどの高層階に住むとなれば、エレベーターの昇降時間も多くかかってしまうこともあるようですので、これらの点をよく確認してから入居するかどうか決めましょう。