アパートの立ち退きをはどうお願いする?老朽化で解体の場合

老朽化したアパートは入居者が減少するだけではなく、安全性上の観点から取り壊しを検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その場合、入居者がいれば立ち退きをお願いしなくてはなりません。

しかし、立ち退きは実際どうお願いしたらいいのでしょうか。

この記事では、所有しているアパートが老朽化していることが理由で解体する場合の、入居者への立ち退きのお願いの仕方についてまとめました。

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アパートの老朽化で立ち退きをお願いするにはどうすればいい?

所有しているアパートが老朽化すると、入居者は減少していくことが多いです。

また、安全性に心配があれば、取り壊しを考えることもあるかと思います。

しかし、そうなると入居者に立ち退きをお願いしなくてはなりません。

それでは、どのようにお願いするといいのでしょうか。

まず、日本の法律上、貸主の意向だけを酌んで借主を退去させることは不可となっています。

つまり、いくら老朽化が激しくて取り壊しが必要なアパートでも、入居者が同意しない限り、立ち退きさせることができないということです。

そのため、貸主側の都合で立ち退きをお願いする場合は、「立ち退き料」を支払うことが一般的となっています。

ちなみに、「立ち退きをお願いする場合は立ち退き料を支払わなくてはならない」という法律はありません。

あくまでも、立ち退きを入居者へお願いするうえでの一つの方法となります。

立ち退き料はいくら必要?

それでは、アパートの立ち退き料はいったいいくらぐらいが相場なのでしょう。

立ち退き料は法律上定められているものではないので、はっきりとした金額を提示することはできません。

しかし、多くの場合、家賃の6ヶ月分がだいたいの相場と言われています。

この6ヶ月という期間の根拠は「借地借家法」にあるとされています。

借地借家法では、立ち退きを依頼するには、1年~半年前までに賃貸借契約の更新を行わないということを借主に伝えることとなっています。

このことから、立ち退き料が家賃6ヶ月分となるケースが多いのです。

また、同時に、契約更新を行わないことの正当な理由の必要性が問われます。

しかし、入居者がその金額では立ち退かない場合、さらに上乗せして立ち退き料を支払う場合もあります。

アパートが老朽化していて安全が確保できない場合、費用はかかりますが、入居者の安全を守るためにも立ち退き料を多く支払って退去してもらうことも一つの案として考えましょう。

アパートの立ち退き料にはどのようなものが含まれる?3

ところで、アパートの立ち退き料にはどのような費用が含まれているのでしょうか。

基本的には、新しい住まいにかかる費用や引っ越しの費用です。

具体的には、新居の1ヶ月分の家賃や敷金・礼金、火災保険などです。

もちろん、引っ越しにかかる費用も含まれます。

また、細かく言うと、エアコンの設置費用なども含まれます。

これらの費用をすべてトータルしても、多くの場合は家賃6ヶ月以内分におさまるようです。

しかし、アパートが老朽化しているという貸主側の都合で立ち退きをお願いするのですから、場合によっては迷惑料や慰謝料を支払うこともあります。

こればかりはケースバイケースですので、立ち退きにかかる費用は「最低、家賃の6ヶ月分」として、それよりも多く見積もっておくのが得策かもしれません。

アパートの老朽化が理由の立ち退き交渉術とは?

老朽化によりアパートを解体することになった場合の、立ち退き交渉術をご紹介していきましょう。

まず、アパートの立ち退きに関して、明確な理由を入居者の方にきちんと説明しましょう。

昨今では、地震により建物が倒壊するというケースを耳にするようになりました。

このままの状態だと耐震性にも不安があるため、入居者の安全を確保することができないという旨を真摯にお伝えするのです。

そして、立ち退いていただくにあたって、立ち退き料をしっかりと支払うということもお伝えしましょう。

もちろん、退去までにはそれ相応の時間があることもお伝えします。

そうすると、大体の方はご納得くださるのではないでしょうか。

また、新居の情報を調べてお伝えすると、さらに交渉はスムーズにいくのではないかと思われます。

しかし、ここで注意していただきたいことがあります。

それは、「退去しないなら家賃を増額する」というような交渉を進めることです。

家賃増額に関しては法的になんら問題はないですが、「退去しないなら家賃増額」というのは嫌がらせと言われても仕方ありません。

アパートの退去は貸主の都合でお願いすることですから、入居者の方に対してはあくまでも真摯に向き合うようにしましょう。

また、立ち退き交渉は揉めることも多いようですが、できるだけ裁判は避けるようにしましょう。

誰でも、費用がかかり精神的にも疲れてしまう裁判は避けたいものです。

裁判は、どう交渉しても解決できなかった場合の最終手段として考えておくことをおすすめします。

老朽化などの理由で立ち退き依頼をするなら定期借家契約に替えるという方法も

2000年3月1日より、「定期借家制度」ができました。

それまでの契約は「普通借家契約」だったので、借主が契約の更新を希望すれば原則更新ができました。

しかし、定期借家契約の場合は、契約期間が満了となったらそこで契約は終わるのです。

そして、その場合は立ち退きの際に必要な正当な理由も必要ありません。

さらに、立ち退き料も支払う必要がないのです。

また、契約満了日が定められるので、スケジュール通りに事が進むというメリットもあります。

このように、近い将来、老朽化などの理由でアパートの立ち退きをお願いすることが分かっているのであれば、普通借家契約から定期借家契約に切り替えるのも一つの方法です。

しかし、2000年3月1日以前の契約は定期借家契約に切り替えることはできませんので、注意が必要です。

定期借家契約にはデメリットも

しかしながら、定期借家契約にもデメリットがあります。

それは、現在の普通借家契約の合意解除ができるか確証がないということです。

普通借家契約から定期借家契約に切り替えることは、体のいい立ち退き交渉ともいえます。

ですから、いくらアパートの老朽化が理由で行っていることだとしても、入居者の合意がなければ契約を切り替えることはできないのです。

また、合意して契約の切り替えができたとして、定期借家期間は数年に及ぶことがほとんどです。

つまり、立ち退きしてもらうまでにそれ相応の時間がかかってしまうということになります。

ですから、はやめにアパートを取り壊したい人にはあまりおすすめできない方法でしょう。

さらに、定期借家契約に切り替えができたとしても、家賃はこれまでの契約金額より減額するケースが多いです。

これまでの家賃の約7割~8割で、契約期間を2年と定めるのが一般的とされています。

ただし、家賃や契約年数に関してはこれという決まったものはありません。

あくまでも、ケースバイケースでそのときの状況に応じて対応していくことになることを覚えておきましょう。

アパートの立ち退き交渉は真摯に!

アパートが老朽化し、取り壊しのために入居者に立ち退きをお願いする場合、立ち退き交渉は真摯な態度で行うようにしましょう。

入居者の安全性が確保できないというのが理由でも、あくまでも貸主側の都合で立ち退きをお願いするということになります。

場合によっては定期借家契約に切り替えるという方法もあります。

しかし、いずれにせよケースバイケースですから、そのときの状況に応じて対応するようにしましょう。