アパート物件の中では、メゾネットタイプの物件があります。
メゾネットとは簡単に言うと、2階や3階がある物件のことを言います。
アパートでありながら、一戸建てのような空間で過ごすことができるのが魅力です。
そんなメゾネットですが、騒音が気になりにくいという声を耳にすることがあります。
今回は、メゾネットは騒音が気にならないのかという点に焦点を当てつつ、メリット・デメリットを解説していきましょう。
メゾネットタイプのアパートってどんな物件?
メゾネットは、フランスの「maisonnette」が語源となっており、これは「小さな家」を意味しています。
ただ日本では、アパートなどの集合住宅でありながら内部に内階段が設置してあり、2階以上の造りになっているもののことをメゾネットと指します。
メゾネットは、上下階を繋ぐ内階段が設置されていることが特徴です。
そして、上下共に居室扱いとなるため、広々としたスペースを使うことができます。
1階と2階で空間を分けることができることから、家族間でもプライベートを確保しやすく、ファミリー層にも人気があります。
また、メゾネットと似ているもので「ロフト」がありますが、ロフトは厳密には部屋ではなく屋根裏物置等などという扱いになります。
建築基準法では、居室の2分の1未満、高さが最大で1.4メートルまでのスペースを「小屋裏物置等」と定義し、高さや面積が制限されています。
原則として窓の設置はできず、居室とは認められません。
メゾネットとロフトの違いは、「内階段があるか」「2階に居室スペースがあるか」「窓があるか」などで判断することができます。
そして、このメゾネットですが「騒音が気になりにくい」という声を耳にすることがあります。
その真相については、次に詳しくご紹介していきましょう。
メゾネットタイプのアパートは騒音が気になりにくい?
アパートなどの集合住宅で最も気にかけるのが、「音」ではないでしょうか。
特に、子供が小さいうちは飛び跳ねたり走り回ったりして発生する音が「騒音」となることも少なくありません。
上の階の方から「子供の足音がうるさい」と言われてしまったら、子供が走るたびに注意しなければなりませんし、子供も親もお互いストレスが溜まってしまいます。
また、子供は親の言うこと全てを聞いてくれませんし、騒音によって隣人との関係が悪化してしまう可能性もあります。
その点、メゾネットタイプのアパートは、上下で居室が分かれていますから、2階スペースを子供の遊ぶ場所とすれば、下の階に足音を響かせてしまう心配はありません。
子供がいる家庭では、騒音対策としてメゾネットタイプの物件を選ぶ方も多いようです。
騒音対策でおすすめな間取りとは?
メゾネットと言っても、その造りはアパート物件によってさまざまですが、基本的に上層のメゾネットに住む場合は、「下の階に音を響かせない」ことが騒音トラブルを避けるコツです。
そこで、メゾネットのように、1階と2階で空間を分けることができる造りのアパートは、子供部屋を含め2階部分を生活空間にすることをおすすめします。
2階を生活スペースとして使えば、下の階に音を響かせてしまう心配も少なくなります。
ただし、メゾネットタイプのアパートは上下縦方向の音には効果があるものの、横方向、つまり隣接しているお部屋に音が響きやすいという問題があります。
現在メゾネットは、ほとんどが木造住宅です。
一般的に木造住宅は音が響きやすいと言われており、壁1枚で隣り合った部屋同士ですと、たとえ別の世帯だとしても音が響いてしまいます。
もし、騒音を気にするのでしたら、隣接するお部屋と自宅のお部屋の間に階段が挟まれるような間取りのお部屋がおすすめです。
ほかにもお部屋とお部屋の隣接している面に、クローゼットや押入れなどがあるメゾネット物件もおすすめです。
これらが間に挟まれることにより、防音の役割を果たし、音が響きにくく伝わりにくくなります。
騒音対策以外にも!メゾネット住宅のメリット
ここまでご紹介したように、メゾネットタイプのアパートは、上下の空間をうまく利用すれば騒音対策になりそうです。
また、メゾネットには騒音以外にもさまざまなメリットがあります。
ここでは、メゾネットタイプの物件のメリットを見ていきましょう。
メゾネットの造りを見ると、ほとんどが吹き抜けのある造りです。
それゆえ、開放的でお部屋を広々と見せてくれる効果があります。
また、吹き抜けのがあることで、採光の面でもメリットがあります。
上の階にある窓から日光が降り注げば、下の階までお部屋を明るく照らしてくれるでしょう。
また、賃貸物件では、一般的なのがフラットなフロアタイプですが、このタイプですと居室エリアごとのゾーン分けが難しくなります。
しかし、メゾネットのようなタイプは上下で分かれているからこそ、それぞれの空間を好きなように使うことができます。
例えば、1階はモダン、2階は和風といったように全く違ったコーディネートであっても、上下で居室が分かれているため違和感を感じることもありません。
メゾネットのような造りであれば、インテリアコーディネートの楽しみ方の幅が広がるでしょう。
また、上下で居室を分けることからプライベートが確保しやすいのもメリットです。
起床や帰宅の時間帯が異なる夫婦や、子供が居るファミリー層もストレスなく暮らすことができるでしょう。
メゾネットタイプのアパートのデメリットは?
メゾネットタイプのアパートには、騒音対策などさまざまなメリットがある一方、いくつかデメリットもあります。
ここでは、メゾネットのデメリットを見ていきましょう。
メゾネットのデメリットとしてはまず、室内に階段を設けることで居室として利用できる面積が狭くなってしまうことが挙げられます。
また、吹き抜けの空間があるために、冷暖房効率が悪くなってしまうこともデメリットとなるでしょう。
基本的に、暖かい空気は上に溜まるため、冬場は1階部分が冷えてしまうことが考えられます。
そのため、エアコン1台だけではお部屋を効率よく暖めることができず、ストーブやファンヒーターなどの暖房器具を利用する必要性が考えられるでしょう。
加えて、吹き抜け部分の窓の掃除や電球の交換などが難しいことも、デメリットとして挙げられます。
また、メゾネットのような造りの場合、リビングからトイレやキッチンを使うために階段を頻繁に上り下りしなくてはなりません。
そのため、フラットなフロアタイプの物件に比べると移動する範囲が広くなり、移動が面倒と感じるかもしれません。
さらに、一般的なフロアタイプの物件に比べて家賃が高くなるのもデメリットに挙げられます。
メゾネットを契約する前に!確認しておきたいこと
小さい子供がいるご家庭では、子供の物音を気にして「アパートの1階部分を選ぶ」というケースも多いです。
しかし、メゾネットのような造りであれば、上階に子供部屋を作ってあげることが可能です。
そのため、足音などの騒音に心配することも少なくなるでしょう。
メゾネットは、子供をのびのびと家で遊ばせやすいという理由から、ファミリー層にも大変人気があります。
とは言え、メゾネットだから騒音トラブルに発展しないとは言い切れません。
そこで、確認しておきたいポイントをお伝えしていきます。
まず、壁の厚みです。
隣接するお部屋の壁の厚みが薄くないか、きちんと確認しておきましょう。
階下に影響はないとしても、壁が薄いことで、ドアの閉まる音、テレビ音、話し声まで聞こえてしまうこともあるようです。
もし、心配でしたら前にもお伝えしたように隣接するお部屋と自宅のお部屋の間に、階段、押入れ、クローゼットなどが挟まれているような間取りの物件を選ぶとよいでしょう。
また、メゾネットのアパートではあまり見られませんが、「鉄筋コンクリート」の物件を選ぶのもおすすめです。
木造に比べ鉄筋コンクリートは、音が伝わりにくいといったメリットがあります。
しかし残念なことにメゾネットのアパートは木造、もしくは軽量鉄骨造がほとんどです。
ただ、鉄筋コンクリート造のメゾネットもゼロではありませんので、視野を広めて探してみるのもよいかもしれません。
メゾネット物件には魅力がたくさん
メゾネットには、プライベートが確保しやすい、開放的な空間、階下への騒音対策などフロアタイプの物件とは違った魅力がたくさんあります。
特に、活発な子供がいるご家庭では、騒音トラブルを避けるためにもメゾネットはおすすめです。
ただ、メゾネットにもいくつかデメリットはありますし、賃料も普通のアパートに比べると割高です。
住み始めて後悔しないためにも、しっかりとイメージをした上で選びましょう。