一般的に賃貸アパートは2年ごとに更新契約をします。
更新時の手続きにはいろいろと用意するものがありますが、保証人はそのまま継続させることができるのでしょうか。
何か手続きをする必要があるのでしょうか。
この記事では、アパートの契約更新を行う際に知っておきたいことや、借主の保証人についてご紹介します。
アパートの契約更新とは?
借主の保証人についてお話しするまえに、まずはアパートの「契約更新」についてご説明します。
更新期間は特に法律で決められている訳ではありませんが、一般的に賃貸借契約の期間は2年であることが多く、期間が満了した場合、特約などが無い限りは更新手続きを行います。
貸主の立場であれば、更新は賃料や契約内容の詳細を見直すいい機会であり、「更新料」を徴収できることもメリットであるといえるでしょう。
しかし、入居者の側からすると出費が増えるため負担に感じる方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、更新料を徴収する分、アパートの月々の家賃を安く設定しているといった場合も多いようです。
逆に更新料を徴収しない分、月々の家賃が高く設定されていることもあるので、一概に「負担である」とは言えないかもしれません。
アパートの契約更新時に用意するもの!
一般的にアパートの更新料は、家賃の1か月分が目安のようです。
2年に1度という更新期間と同様に、更新料についても法律に定められているわけではありませんが、入居時に交わした「賃貸借契約書」に記載がある場合は、それに従って支払います。
法律に定められていないことから「更新料の支払いはしなくていいのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、それは難しいといえるでしょう。
なぜなら、過去の裁判で「賃料の額や更新期間を照らし合わせて更新料が不当に高額でない場合は支払わなくてなならない」という判決がでているためです。
ですから、賃貸借契約書に更新料がかかるという記載があり、更新料が「妥当な額」であれば貸主の求めに応じて更新料を支払う義務が生じるといえるでしょう。
では契約更新の際、更新料の他に一般的に用意するものをご紹介します。
・更新手数料
・火災保険料
更新手数料は、アパートの管理会社に支払う費用のことです。
一般的な金額は、更新後の家賃の半額程度であると覚えておきましょう。
また、火災保険料の更新手続きも必要になる場合が多いでしょう。
火災保険契約も2年である場合が一般的で、アパートの相場は1万円から2万円位です。
そして、契約更新の際には賃貸借契約書を作り直すことが多く、添付する更新書類等には、保証人の署名と捺印する箇所があります。
それについては後程詳しくご説明します。
契約更新を含むアパートの賃貸契約!多くの場合必要になるのが連帯保証人!
保証人はアパート契約更新時だけではなく、新規で契約をする際にももちろん必要ですね。
では、そのときに必要となる「保証人」についてお話ししていきましょう。
賃貸契約において、「保証人」は多くの場合「連帯保証人」という位置づけになるでしょう。
民法上では、保証人と連帯保証人の大きな違いを記載しています。
「保証人の場合、貸主(大家さん)や不動産会社から家賃滞納の支払い請求を受けたとき、拒否することができる一方、連帯保証人の場合はこのような拒否ができず、借主本人と同じ責任を負わなければならない」といった内容です。
前述したように、アパートでは連帯保証人の位置づけになることが多いため、貸主や管理会社から信頼を得ることができる人にお願いしましょう。
連帯保証人はどんな人に依頼する?アパート契約時に連帯保証人が用意するもの!
では、貸主や管理会社の信頼を得るような連帯保証人とは、一般的にどのような人なのでしょうか。
まず挙げられるのが「両親」です。
しかし、定年を過ぎて年金暮らしなどで収入が低い場合などは、より支払い能力に優れた兄弟や姉妹、親戚などにお願いする場合もあります。
場合によって、借主の「職場の上司」に依頼することも見受けられます。
ただ、貸主によっては「上司」だけでは審査が通らず、もう一人連帯保証人を要求することもあるので念頭に入れておきましょう。
入居申し込みをする際、管理会社から連帯保証人に関する書類が手渡されるでしょう。
書類には、連帯保証人の直筆署名と実印での押印が必要です。
ではここで、このような場合に一般的に必要となるものを挙げていきます。
・連帯保証人の実印
・連帯保証人印鑑証明
・連帯保証人の収入証明
・連帯保証人の住民票
連帯保証人が遠方に住んでいる場合は、このような必要書類のやりとりを郵送で行うことになるでしょう。
印鑑証明や住民票など準備するものもあるので、猶予をもって知らせて管理会社に指定された提出期限に間に合うようにしましょう。
この後行われる入居審査では、借主の支払い能力だけではなく連帯保証人の支払い能力についても審査されるため、連帯保証人選びは大変重要なのです。
このようにアパート契約をする際に必要な連帯保証人ですが、契約更新の場合にはこのまま継続することができるのでしょうか。
次の項でご説明します。
アパートの契約更新時に連帯保証人にもらう署名・捺印!
アパートの契約更新の際、何も手続きをしなくても自動的に連帯保証人の継続はできるのでしょうか。
基本的には、契約更新の際にも連帯保証人に署名と押印をもらうことになります。
アパートの契約更新の際は、前述したように賃貸借契約書が新しく作られるのが一般的です。
その他にも「更新合意書」や「更新契約書」といった更新書類が作成されるでしょう。
一般的にはこのような更新に伴う書類の「連帯保証人」の欄に署名・捺印をもらうことで、アパートを更新した後も連帯保証人を継続することになります。
また、更新に伴う書類の代わりに契約時に署名・捺印した「連帯保証人引受承諾書」に、改めて署名・捺印をもらう方法もあります。
では、何らかの理由でこのような更新書類等に連帯保証人から署名・捺印をもらわなかった、もらえなかった場合、契約更新後も保証人を継続してもらうことはできるのでしょうか。
次の項でお伝えしていきます。
契約更新時に連帯保証人の署名・捺印が無くても継続してもらえる?
アパートの契約更新の際に何らかの理由で、更新書類や連帯保証人引受承諾書に署名・捺印をもらわなかった、またはもらえなかったとしましょう。
そのような場合、基本的には「更新時に改めて署名・捺印が無い場合でも、原則として連帯保証人としての責任は契約更新後も引き継がれる」とされ、そのようは判例もあります。
賃貸借契約とは、一般的に長期間にわたって存続されることが予定されている「継続的なもの」であるため、貸主側からは簡単に契約を打ち切ることはできません。
ですから、基本的には借主が希望する限りは更新されていくものと考えられます。
このことは、連帯保証人になる際に当然予測のつく範囲であるといえるでしょう。
賃貸借契約書に「契約更新後は責任を負わない」といった内容のことが明記されているような場合を除き、原則として契約更新後も引き続き責任を負います。
ただ、「借主に多額の家賃滞納があるのにもかかわらず、貸主は契約を解除せず放置したために滞納額が増した」といった時、貸主にも問題があるため、保証人の責任が否定される場合もあるので参考にしてください。
アパートの契約更新!借主と連帯保証人の継続した信頼関係も大切!
アパートの更新時期になったら、更新料や更新手数料、火災保険料などが必要になる場合が多いので用意しましょう。
また、契約更新の際には更新書類等に連帯保証人の署名・捺印をもらいましょう。
更新時であれば、原則として連帯保証人の署名・捺印がもらえなかった場合であっても、継続して保証人になってもらうことになります。
しかし、借主と保証人が納得して契約更新することが一番なので、連帯保証人に迷惑をかけるような行動はとらないよう心がけましょう。