賃貸アパートに入居する際、「うちは小さい子どもがいるから2階以上に住むと迷惑をかけるかも?」と、騒音を心配して1階を選ぶ人も少なくありません。
アパートの1階に住めば、騒音トラブルの加害者になることはないのでしょうか?
ここではアパートの1階、2階以上、それぞれのメリットとデメリットを改めて確認し、1階に住めば騒音加害者にはならないのか、ご説明します。
アパートの1階に住むメリットとデメリット
賃貸物件を選ぶ上で、1階なのか、2階以上なのかをで重視している人は少なくありません。
まずは、賃貸アパートの1階に住むメリットとデメリットについて、ご紹介します。
【1階に住むメリット】
・下の階に気兼ねする必要がない
・階段を使わずに出入りが楽
・地震のとき揺れにくい
・家賃が上の階より安め
・引っ越し費用が抑えられる
・夏涼しい
【1階に住むデメリット】
・上の階からの騒音が気になりやすい
・防犯性が低い
・上の階と比べると日当たりが悪い
・湿気が溜まりやすい
・虫が入ってきやすい
・冬寒い
女性の一人暮らしの場合、防犯性が低いことから1階は避ける人も少なくありません。
しかし階段を使う手間もなく、引っ越しや家賃など、家にかかる費用を抑えられるメリットから、あえて1階を選ぶ人もいます。
数多くの防犯グッズが販売されているので、そういったアイテムを活用して防犯性を上げることで、デメリットを解消するのも一つの方法です。
1階ではなく2階以上に住むメリットデメリット
賃貸物件を探すときのこだわり条件に、2階以上という項目があるのを見たことがあるでしょう。
ここでは2階以上に住むメリットとデメリットをご紹介します。
【2階以上に住むメリット】
・風通りしが良い
・防犯性が1階よりは高い
・人の目が気になりにくい
・日当たりが良い
・虫が入ってきにくい
・冬暖かい
【2階以上に住むデメリット】
・下の階への騒音に気を遣う必要がある
・階段やエレベーターを使わないと出入りできない
・地震のとき1階よりも揺れやすい
・家賃が上の階になればなるほど高め
・引っ越し費用が高くなる場合がある
・夏暑い
賃貸アパートの場合、先にお話した1階に住むメリットデメリットと比べるとわかりやすいですが、1階のメリットは2階以上のデメリットであり、2階以上のメリットは1階のデメリットとなっています。
どちらを選ぶかは、住む人の家族構成や、重視したい条件によるでしょう。
1階に住めば騒音トラブルの加害者にはならない?
アパートの居住階数によるメリットデメリットについてお話してきましたが、中でも2階以上に住むと、日々騒音の問題に気を遣って生活している人は多いでしょう。
集合住宅における騒音トラブルが絶えない今、歩く音や物の落下音など、階下に住人がいる以上、気を付けざるを得ないと言えるでしょう。
では、1階に住んでいる人は気を遣うことなく生活しても、騒音を隣近所に与えることはないのか、といえばそうではありません。
賃貸アパートは、何階に住んでいても、ワンフロアーに数世帯住んでいます。
階下に住人がいなくても、隣に別世帯が住んでいる場合がほとんどです。
壁一枚で隔てられているだけでは、壁の厚さにもよりますが、テレビの音や大きな話し声、子どもの泣き声は聞こえてしまうことが多くあります。
そしてこれらの音は、隣だけでなく、上の階にも響きます。
床の振動音は2階から1階に響きやすいものですが、音楽や話し声は1階から2階に響きやすいのです。
つまり、上の階の人がうるさいと感じるほどの騒音を出していれば、1階に住んでいても、騒音トラブルの加害者になり得るということになります。
賃貸アパートにおいて騒音で迷惑をかけないために
例え1階に住んでいても、何も気を付けることなく生活していれば、隣近所に音や声が響き、騒音で迷惑をかけてしまうことがあります。
そうならないためにも、集合住宅である賃貸アパートに住んでいる以上、ある程度の配慮は必要です。
ここでは隣や上の階の部屋に、音や声が響きにくくするための方法についてご紹介します。
・隣世帯と接している壁面に背の高い家具を配置する
元の壁の厚さに、家具の厚みを加えることで、隣に音が伝わりにくくなります。
・テレビのような音がする家電は、壁から離れた場所に設置する
壁から近い場所に音を発する家電を設置すれば、必然的に音は伝わりやすくなります。
可能なものはなるべく壁から離れた場所に設置すると効果的です。
・室内の内ドアを戸当たりテープで防音する
ふすまや内ドアは、閉めるときにどうしても音がします。
この開閉音も響きやすい音の一つです。
ドア本体に戸当たりテープを貼ることで、バタンと音を立ててドアが閉まることがなくなります。
・天井に吸音材を貼る
パネル式の吸音材がホームセンターなどで販売されていて、DIYで取り付け可能なものもあります。
しかしこの方法は、取り付けも原状回復も手間がかかるので、よっぽどのときの最終手段と考えた方が良いでしょう。
賃貸アパートで騒音被害にあったときの対処法
住んでいる階数が1階なのか、2階以上なのかに関わらず、自分が騒音を出さないように気を付けていても、被害にあってしまうことはあります。
生活音のように、故意ではない騒音は、騒音を出している当人も気付いてない場合があります。
お互い様と納得できる許容範囲を超えた騒音に関しては、管理会社に連絡をし、対策をしてもらいましょう。
あらかじめ、何時頃どんな音がどれくらいの時間するのかをメモしておくと、管理会社に伝えやすくなります。
管理会社に騒音の苦情を申し入れた場合、よく行われる対策は、アパート住人が見る掲示板への注意喚起の貼り紙や、気を付けるよう促したお手紙の配布です。
故意ではない騒音の場合は、このような対策をしてもらうことで、騒音を出している人が、自分のことかもしれないと意識し、解消する可能性があります。
騒音トラブルに発展させないためにできること
賃貸アパートの中でも、特に木造住宅は1階、2階以上に関わらず、構造上音が響きやすくなっています。
大騒ぎをしたり、音楽を大音量で聴いていれば、騒音トラブルに発展しても致し方ないのですが、悪意のない日常の生活音でさえも騒音として苦情を言われることもあるでしょう。
室内でできる限りの防音対策をしても、生活音は暮らしの中で防ぎようのないもので、全ての音を漏らさないようにすることはできません。
そこで大切になってくるのが近所とのコミュニケーションです。
人と人の間で起きる騒音トラブルは、お互いの関係性によって影響を受けます。
同じような音でも、顔を合わせたこともない他人が出した音なのか、毎日あいさつを交わすお隣さんが出した音なのかで、受ける印象は大きく変わります。
近所の人と日頃からコミュニケーションをとり、関係性を他人から知り合いにするだけでも、騒音トラブルに発展する可能性は低くなります。
とても有効な心理的防音対策と言えるでしょう。
賃貸アパートに住むなら隣近所への配慮は忘れずに
アパート入居を検討するとき、騒音を気にして1階を選ぶ人は少なくなく、実際床への振動音を気にするのであれば1階であればあまり気にしなくて良いでしょう。
しかしながら騒音は床への振動音だけでなく、生活音の全てが騒音になる可能性があり、1階だから騒音トラブルの加害者にはなり得ないということにはなりません。
集合住宅に住むのであれば、常識をもって、隣近所への配慮を忘れないことが大切です。