アパートで同棲を始めるにあたり、世帯主をどちらか1人にするか、もしくは2人とも世帯主になるかという選択パターンがありますよね。
ここでは、それぞれのメリットやデメリットを見ながら、どのような選択をしたらよいのかを考えてみました。
お互い理解した上で、世帯主を決めていきましょう。
まずは「世帯主の定義」、そして「住民票を2人とも異動するメリット」からお話ししていきます。
そもそも世帯主とは?
アパートを借りるにあたり、契約書に記載しなければならない「世帯主」ですが、そもそも世帯主とはどのような人を指すのでしょうか。
●世帯主とは
世帯主は文字通り、世帯の主を表すため、「家族の代表者」と考えるのが分かりやすいでしょう。
基本的に世帯主は、生計を支えている人がなることが多いです。
そして、この世帯主は住民票の住所が基準となって決められています。
アパートに住む前の実家に住民票を置いたままにしている場合、実家の世帯主がアパートの世帯主となるということに注意しておきましょう。
分かりやすくご説明すると、実家の世帯主が「父親」だとしたら、アパートの世帯主も「父親」になるということです。
また、ほかにも注意しておきたいのが、引越しを行った場合、引越しから14日以内に住民票を異動させないと、5万円以下の過料が発生する可能性があります。
アパートでの生活が基盤となる場合、住民票を変更しないことで、住民税などの納め先が変わることも考えられます。
そのため、基本的にはアパートで生活するためには、2人とも住民票は移しておいたほうがよいと言えるでしょう。
ただし、実家から1分もかからない場所にアパートがある場合や、生活の拠点が異動しない場合に限り、住民票を異動させなくてもよい場合もあります。
この場合は、どちらか1人のみ住民票を異動させ、その方が世帯主となると考えられます。
住民票を2人とも異動するメリットとは
新しいアパートで2人暮らしを始める際、住民票を異動することで、カップルの2人のうちのどちらかを世帯主とすることができます。
ここでは、その他のこととして、得られるメリットについてお伝えしていきます。
●郵便物を確実に受け取ることができる
運転免許の更新はがきや、選挙の投票用紙などの重要な書類は、住民票に記載されている住所に届けられるため、住民票を異動させることで、郵便物を確実に受け取ることができます。
必要な郵便物を受け取るためには、住民票の異動をしておいたほうが賢明です。
●市区町村の施設を安く利用できる
各市区町村では、スポーツジムのマシンやヨガや体操などのレッスンを取り入れている行政サービスも存在します。
その市区町村に住んでいることが証明できれば、これらの行政サービスを受けることができます。
基本的に、これらのサービスはほかの民間ジムなどと比べると格安で行っていることが多いため、少ない費用で利用することができるのはメリットです。
加えて、図書館などの公共施設なども無料で利用できるサービスもあります。
●医療費の助成
地域によっては、医療費の助成や無料の健康診断などの福祉サービスを行っていることがあります。
住民票を異動することで、これらのサービスを受けることができます。
住民票を異動しないことで考えられるデメリット
何度もお伝えしているとおり、アパートを借りるときは世帯主を決める必要があり、それに伴い住民票の異動も必要になります。
しかし、先程お伝えしたように例外もあり、場合によっては2人とも住民票を異動させなくてもよいケースもあります。
ただ、住民票を異動させないといくつか不便なこともありますので、その点についてお伝えしていきます。
まず、必要な郵便物が届かないということが挙げられます。
特に運転免許証の更新はがきですが、お知らせのはがきは旧住所に届くため、うっかり更新のタイミングを逃してしまうことにもなりかねません。
また、運転免許の書き換えも旧住所でないとできないとできないため、その点もデメリットと言えます。
住民票が旧住所のままであったとしても、運転免許の更新は行うことができます。
しかし、住所が異なる免許証は身分証明書として使用できなかったり、重要書類が自宅に届かないなどの問題が発生する可能性があります。
さらに、印鑑登録などの証明書類も旧住所のままであり、選挙権が行使できないなども問題もありますので、住民票は異動させておいたほうがよいと言えるでしょう。
アパートの世帯主を2人にするケース
さて、話は本題に戻りますが、同棲カップルが2人暮らしをする場合、世帯主を決めるには主に以下のパターンがあります。
・2人とも住民票を異動させ、2人とも世帯主となる
・2人とも住民票を異動させ、1人を世帯主、1人を同居人(見届けの妻または夫)とする
それぞれを詳しく見ていきましょう。
まずはじめに、2人とも世帯主となるケースです。
アパートの世帯主は、別々に住民票を作成できれば個々を世帯主とすることが可能です。
特に未婚カップルの場合、戸籍上つながりはありませんから、同じアパートに暮らしていても生計は別ということも多いです。
この場合、あくまでも同居という形にとらえられるため、2人とも世帯主になることができるのです。
世帯主を2人にするメリットは、住民票に相手の名前が記載されないことです。
場合によっては、勤務先に住民票を提出する機会もあるでしょう。
世帯主が別であれば、相手の名前が住民票に記載されることはないため、会社に同棲していることが知られる心配はありません。
1人をアパートの世帯主にし、1人を同居人とするケース
先ほどのようにアパートの世帯主を2人にするケースもありますが、一方で、1人を世帯主にして1人を同居人(見届けの妻または夫)とするケースもあります。
この場合、住民票には相手の名前が記載されることになりますが、お互い生計を共にしている証明になるため、健康保険や公的年金の扶養対象となります。
また、委任状が必要なく、お互いの住民票を取得できるのもメリットと言えるでしょう。
加えて、近々結婚する予定があるカップルは、結婚後の「世帯合併」の届出をする手間を省くことができるメリットもあります。
一方でデメリットとしては、もし別れて同棲を解消した場合、世帯主となっていた人がそのアパートに住み続けていたり、引越ししたとしても同じ市内や町内の場合、住民票に相手の名前が残ってしまうことです。
結婚していないため、戸籍やその他の書類には名前が残ることはありませんが、住民票に相手の名前が残ってしまうのは、なんとなく避けたいという方もいるでしょう。
このような点を踏まえて、パートナーとよく相談しながら世帯主を決めていくことをおすすめします。
2人暮らしにおすすめ!アパートの間取り
ここまで、同棲する場合のアパートの世帯主の決め方や、住民票の異動の重要さについてお伝えしてきました。
世帯主を決めるときは、2人か、1人が世帯主で、もう1人が同居人になるという2つのパターンがあります。
どちらにもメリットやデメリットはありますので、よく話し合いながら決めてみてください。
最後になりますが、これから同棲を始めるカップルに向けておすすめの間取りをご紹介していきます。
●適度にプライベートが欲しいなら2DKがおすすめ
2つのお部屋にダイニングキッチンがある間取りは、比較的リーズナブルながらプライベートな空間を確保することができるため、同棲カップルにも人気のある間取りです。
独立した各部屋があるため、仮にケンカをしてしまったときや、生活リズムが異なる場合でも、ストレスなく生活しやすいと言えるでしょう。
●結婚する予定があるのなら2LDKがおすすめ
2つのお部屋に、リビング、ダイニング、キッチンがある間取りは、2人で住むお部屋として広さは申し分ないでしょう。
ただ、広い間取りであるため、費用面では高い金額がかかります。
しかし、これから結婚を考えており、将来子供を授かることを考えれば、この2LDKは最適な間取りであるとも考えられます。
結婚を前提としているカップルは、2LDKがおすすめです。
よく話し合って世帯主を決めよう
世帯主は同一にしたり、分けたりすることが可能ですが、それぞれにメリット・デメリットがありますので、お互いのパートナーとよく話し合って決めましょう。
また、アパートを借りる際は世帯主に限らず、ほかにもいくつもの手続きが必要となります。
引越しを行う前に、事前に確認しておくとスムーズに進むでしょう。