「鉄は熱いうちに打て」など、日本にはことわざとしてタイミングの大切さが伝えられています。
マンションの売却も同じで、できるだけ高く売れるタイミングというものは存在しています。
マンションは安いものではありません。
購入価格の数パーセントでも馬鹿にはできません。
マンションの価格が下がらないタイミング、売るべきかの判断基準など、マンション売却について紹介します。
マンション売却のタイミングで考慮すべき3つのこと
マンションに限らず全ての不動産で言えることですが、売却の際には値上がり、値崩れ、手残りの3点を考える必要があります。
値上がりとは、土地や建物の値が上がることです。
世の中の景気が良くなるなど、不動産市場が活発になったタイミングでこの値上がりが起こります。
しかし、その逆に土地やマンションの値段が下がるタイミングも存在します。
これが値崩れです。
土地に関しては、周囲の環境がよほど大きく変化しない限りは大きく価格が変わることはありません。
値崩れの主な原因はマンションの老朽化です。
一般的に建物は、年数が経つにつれて価値が下がっていきます。
そして手残りですが、これはマンションなどを売ることで利益が出た場合、そこから所得税や仲介手数料などを引いて手元に残るお金のことを指します。
この所得税は不動産の所有期間によって税率が変わります。
所得税は所有期間が5年未満か5年以上かで税率が変わります。
もし売却したマンションが居住用のものだった場合、10年を超えていれば更に税率は下がります。
適切なタイミングで売却をしないと、かえって損をしてしまうことにもなりかねません。
市場を見てマンション売却のタイミングを考えよう
土地やマンションの価格は不動ではありません。
1日1日で大きな変化があるわけではありませんが、年単位で見ると価格が上がるタイミング、下がるタイミングが存在しています。
市場の動きを読み、価格が下がるタイミングでマンションを購入し、価格が上がるタイミングで売却をすることで利益を得ることができます。
しかし言葉で表現するほど簡単なことではありません。
残念ながら、いつマンションの価格が最安値になるのか、またいつマンションの価格が最高値になるのかを確実に予測することはできません。
例えば2008年にリーマンショックが起こり、世界的に市場が下落しました。
この時はマンションの価格も下落し、売却のタイミングを伺っていた不動産投資家に大打撃を与えました。
その後少しずつですが景気も回復し、マンションの価格も上がってきています。
更に日本は2020年に東京オリンピックを控えていることもあり、不動産市場も活発に動いています。
しかしリーマンショックのような大きな出来事があると、価格が一気に下落する可能性もあります。
投資は必ず利益を得られるものではありません。
常にリスクを考慮しておく必要があります。
マンション売却に良いタイミングは3月と9月
年単位でマンションの価格動向を探ることも大切ですが、もう少し狭い範囲で見ておくことも大切です。
日本の学校や企業は4月から3月までを1年としています。
そして企業の多くは、1年を4月~9月の上半期、10月~翌年3月の下半期に分けています。
大きな人事異動は3月と9月に発表されることが多いです。
つまり3月と9月は人が動く時期ということです。
引っ越しが必要な大きな異動の場合、当然ですが新しい住居を探す必要が出てきます。
それに伴い3月と9月は不動産市場が活発になるため、高く売れやすくなる傾向があります。
特に4月は、子供のいる家庭では新学期に合わせて引っ越しをしやすい時期です。
2月~3月の辺りで新しい住居を探している人が多くなるので、このタイミングで売却活動を行えば、高く売れる可能性が出てきます。
年末年始はパタバタして忙しく、ようやく2月ごろから引っ越し先を探し始める家庭や、通常人事異動は直前に言われますから、辞令が出て慌てて引っ越し先を探し始める家庭もいます。
早く住居を決めて安心したいという心理から、多少高くても購入を決めてくれるケースがあります。
築年数からマンション売却のタイミングを見極める
土地の価格は年数が経ってもあまり変化はありませんが、建物は年数で大きく変わります。
マンションに限らずどの建物も、通常は年数が経過すると価格が下がります。
どれだけ下がるかは一律ではなく、マンションの立地条件や地域によって変わります。
戸建ての場合は築10年までは比較的価格の下落も穏やかで、築15年を過ぎると大きく下落しているケースが多いです。
しかしマンションの場合は、築5年を過ぎたタイミングで値崩れが大きくなります。
そこから築15年までは下落も緩やかで、戸建てと同じく築15年のタイミングで再び値崩れが大きくなります。
もしマンションの売却を考えているのなら、高く売れるタイミングでできれば築5年以内に、遅くとも築15年以内での売却を考えておく必要があります。
しかし築10年以上の場合、もう一つ考慮するべき点があります。
それはマンションの修繕工事です。
マンションの場合、毎月の管理費から修繕費の積み立てがされています。
どのタイミングで修繕工事を行うかはマンションによって様々ですが、築10年を過ぎると修繕工事が始まる場合があります。
人の心理として修繕直前の古い印象のマンションより、修繕後に生まれ変わったマンションの方が好印象です。
そのため、修繕工事後の方が高く売れるケースがあります。
節税できるマンション売却のタイミング
マンションをタイミング良く売却すると手元に利益が残ります。
利益が発生した場合、所得税の支払い義務が生じます。
マンションは安いものではありませんから、発生する所得税もまとまった金額になります。
所得税の税率は、売却したマンションをどれだけの期間所有していたかで変わります。
つまり所有からどれだけ経ったタイミングで売却するかで、支払うべき所得税が変わってきます。
所有年数が少ないほど税率も高くなります。
目安としては、5年以下と5年以上で税率が変わり、長く所有している5年以上の方が税率は低くなります。
もし売却しようとしているマンションがもうすぐ所有5年になるのなら、5年経つのを待ってから売却すれば支払う所得税の金額を抑えることが可能です。
投資用のマンションではなく住居用のマンションの場合は、更に所有期間が10年を超えると税率が下がります。
マンションを売却する場合は税率が下がる所有5年を超えた頃が節税のタイミングですが、マンションの価格自体が5年を超えると下がるため、どちらを取るか考える必要があります。
査定は複数社にお願いすること
マンションの売却は大きな金額が移動しますから、個人間で取引をすることはハードルが高いです。
そのため、ほとんどの方が不動産仲介業者に依頼するでしょう。
マンションを売却したい売主、マンションを購入したい買主、そして両者を引き合わせる仲介業者がいます。
マンション売却の流れとしては、仲介業者にマンションを売却したい旨を伝え、査定を受けます。
その査定に納得ができたら、仲介業者に販売を委託します。
仲介業者はマンションを宣伝し、購入したい顧客を探します。
この時大切なのは、代々続く習慣で依頼する業者が決まっているという事情でもない限り、複数の仲介業者から査定を受けることです。
同じマンションでも、業者によって査定額は変わります。
売却するなら高く売りたいのが人の心理ですから、高く査定してくれた業者にお願いしたいと考えるでしょう。
しかし契約を取るために実際とは違う査定額を出す業者もいます。
査定を依頼する際は金額だけではなく、なぜこの査定額なのかをきちんと説明してもらい、信頼できる業者にお願いしましょう。
信頼できる業者と相談しながら、売却のベストタイミングを探しましょう。
ベストな売却のタイミングを探そう!
マンション売却のタイミングは、年単位、季節単位で見ることが大切です。
一般的に引っ越しが盛んになる3月と9月はマンションが値上がりする傾向にあります。
年単位で見ると、日本の場合は東京オリンピックを控えている現在は不動産市場が活発です。
マンションの価格は築5年を過ぎると一度大きく下がります。
しかし売却後の所得税は5年を超えると税率が下がるため、どのタイミングで売却するかを考慮する必要があります。