後悔しない窓とは?気になるサイズや規格・位置をご紹介

窓は、その大きさや取り付ける場所が少し違うだけで、生活環境に大きな影響を与えます。

光や風を室内へ取り込む窓は、どのような家にとっても欠かせない存在です。

しかし、設計で間取りに悩んでも窓を重要視される方は意外に少なく、住み始めてから「こうしておけば!」と後悔するという方も少なくありません。

なぜ、このような事態が起こってしまうのでしょうか。

今回は、窓ひとつに後悔しないために、規格やサイズ、取り付け位置など参考にできる知識をお伝えしていきます。

選ぶタイミングが大切!窓の位置やサイズ

家を選んだり建てたりするとき、窓のことはいつ考えたらよいのでしょう。

特に家づくりをするときには実際の部屋がまだないため、間取りのことで手いっぱいになり、窓のことを忘れてしまいがちです。

「まずは間取りが大事」「窓の事はあとから考えよう」「規格通りでも困ることはないだろう」と、後回しにしてしまうと大変なことになります。

そうならないためには、間取りを決めるときに、窓の事も一緒に考えるようにしましょう。

これは建売の住宅を検討しているときも同じです。

既に建てられている物件を見る場合は、新築で建てるときよりも実物がある分、部屋の中や生活の様子がイメージできるので、現実的に判断できます。

光や風を取り込む窓は、サイズや取り付ける位置、方角によって役目や機能が変わってきます。

明るい部屋にしたい場合には、大きな窓で自然光をたくさん取り込むのが効果的です。

また、たくさんの窓を設置しても位置が高すぎて季節によってはほとんど光が入らないという事態も起こりえます。

このように、間取りを考えるのと同じタイミングで生活空間をイメージしながら窓選びをしていくことが大切です。

窓のサイズと種類

窓、と一口にいっても、たくさんの種類があります。

前項で触れたサイズの大きな窓から人の顔ほどの大きさの採光窓まで様々です。

窓の形も種類が多くあります。

一部をご紹介しましょう。

●出窓

窓部分が外壁から出っ張った窓です。

カフェなどのおしゃれな印象を持っている方も多いでしょう。

大きいものを設置すれば外観からの印象が洋風に見え、部屋の中を明るくしてくれます。

冬場の防寒や断熱、夏場の日射熱対策が必要です。

●腰高窓

大人が立ち上がった時に腰の位置にくる窓をこのように呼びます。

賃貸などにも良く採用されているなじみ深い窓です。

特別な注文をせずに窓を取り付けると、この腰高窓を規格通りに取り付けられることが多くあります。

洋室では高め、和室では低めと窓の高さを変えることで、部屋の調度品のテイストに合わせると過ごしやすい部屋になります。

●突き出し窓

窓枠の上部が軸となり、窓を外へ向かって押し出すように開けます。

窓の下部が開くようにできているので雨天でも雨が降り込むのを防ぐことができます。

●ルーバー窓

羽状のガラスを回転させて開閉します。

換気のために開けても外から中が見えにくいため、縦長でコンパクトなサイズのものが風呂場やトイレなどに多く採用されています。

このほかにも多くの種類があり、ある程度の限度はありますが、規定サイズからの変更も可能です。

子供の部屋は特に注意したい!窓設置の高さ規格はあるの?

窓の取り付けに迷うと、サイズや高さの規格がないのか気になります。

じつは、窓の取り付け位置に関しては、この高さでなければならないといった決まりはありません。

部屋の雰囲気や生活にあわせて、ある程度自由に決めることができます。

ただし、場合によっては取り付ける高さを一定以上にしなければならないことがあります。

その一つが幼い子供がいる家庭です。

家族に子供がいる場合、窓の設置位置が低いと、よじ登って転落する恐れがありますので、設置するなら床からの高さが90㎝以上あることが望ましいでしょう。

身体能力の低い幼児は頭が重く、つま先立ちをしただけでバランスを崩してしまいます。

高い位置にある窓は子供の絶好の興味の対象ですから、取り付けを検討している段階で高さにも十分な配慮ができるといいですね。

もしも窓を取り付けた後に低いなと感じたら、窓の外に柵を設けたり室内側に窓へ登れるような家具を置かないなどの対策をしましょう。

窓の設置で失敗しないために窓枠の規格を知る

窓の高さの規格は特別設けられていないことをお伝えしましたが、窓枠には一定の間隔で規格サイズが存在します。

窓枠は、サッシ幅の寸法に5~10㎜が必要です。

これは基本の寸法になりますから、もし装飾の印象の強い額縁の取り付けを希望していたり、部屋のほぼ一面を窓にするような設計にすると、また違った数値がでてくることもあるでしょう。

明るい部屋にするためには、自然光の採り入れが重要になります。

そのため大きな窓が欲しいところですが、間取りや部屋の方角、家全体の強度を考慮した結果、希望通りの大きさにならない場合もありますので、施工業者の担当者によく相談する必要があります。

また、特別なサイズの窓を希望し規格外の大きさになった場合、それなりのコストがかかることも覚えておきましょう。

掃き出し窓や腰高窓など、一般によく使われる窓はある程度サイズが決まっています。

この2種に限っていうと、横幅は1,290㎜となります。

幅を変えることはできませんが高さの変更ができるので、コストを抑えるのであれば、規格の整った窓を選んでいくことも一つの方法です。

窓の配置で気を付けること

窓の種類や規格サイズについてお伝えしてきました。

ここでは取り付ける窓の位置や数について触れていきます。

新築の住宅を建てるうえで、窓の位置や数は家の住み心地に直結する重要なポイントになります。

窓にまつわるいくつかの事例とともに、窓の配置について気を付ける点をご紹介します。

まずは大きな窓についてです。

人が出入りできる大きな窓を掃き出し窓といいますが、この窓の配置次第で部屋の明るさや防犯に大きく影響します。

大きな窓を付けた場合の失敗例として、

・リビングに大きな窓を取り付けたら、家具の配置が難しくなってしまった

・隣家の窓と対面になり気になる

・テレビに光が映り込む

などが挙げられます。

このような問題の対策としては、

・部屋の中にどんなものを置くのか決めておく

・家がある周囲の道や隣家の様子を把握しておく

・季節ごとの太陽の向きや高さを調べておく

といったことが挙げられます。

道に近かったり隣家の住人の視線が気になるようなら、掃き出し窓ではなく高窓を取り付けるのもおすすめです。

また、採光を期待してスリット窓を設置する家をよく見かけますが、部屋全体を照らすものではないため明るさを得ることは難しいでしょう。

デザイン性に優れた窓なので、玄関や階段といった場所の空間演出に使用するのがよいでしょう。

大切なのはサイズや規格だけにあらず!窓に求めるもの

ここまで述べてきたように、窓はその家の住み心地に関わる様々なものをもたらしてくれます。

エアコンなどの空調機器の発達により、窓の少ない住宅も見かけるようになりましたが、それでも昔ながらの風通しの良い住宅の設計が好まれます。

これは、日本独特の環境によるものが大きいと思われます。

たとえ窓がなくても快適に暮らせる家が手に入っても、外の景色や風を感じられないことに息苦しさを覚えるのでしょう。

このように、心身共に快適に暮らしていくためには窓の存在が欠かせません。

そうはいっても、たくさん窓を取り付ければよいというわけではありません。

既述した通り、多すぎる窓は生活するうえでのデメリットも多く生み出してしまいます。

求められるのは、窓の良さを感じられ、なおかつエネルギー効率の良い家です。

窓は壁材とは明らかに違う素材で作られるうえに、開閉することを目的として作られていますから、窓のある所から光や風と共に熱も出入りをします。

冬場に建物から外へ出ていく熱のうち約半分は、ドアや窓です。

夏場の熱や冷気の出入りにも同じことが言えます。

これに二重窓などの対策を施すことで、通気性がよくエネルギー効率の良い住宅をつくることができます。

住宅の設計の段階で、気になるのは窓の規格や位置、サイズであるのは間違いありません。

それと同じくらい、建てた後の住み心地の良さのためにできる限りの対策をし、快適に過ごせる我が家を手に入れましょう。

住み心地を決めるのは窓

窓選びに失敗してしまうと、家が完成した後も「こうしておけば…」と悩み続けることになってしまいます。

設計の段階ではなかなか室内の雰囲気や居心地はイメージしにくいものです。

展示場や参考になりそうな知人宅などを訪ねて、できるだけ実物に触れておくとよいでしょう。

好みの窓や室内の雰囲気が、より具体的になります。

居心地の良い家づくりに役立ててみてください。